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25年中学受験 東京・神奈川出願減見込みの3校


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出願者数が減る2,3の理由
渋渋の男子減、女子微増の背景
大学の評判が影響?日大一
・看板がなくなって…横浜創英

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出願者数が減る2,3の理由

(30日に加筆、修正)

受験には「隔年現象」が古くからみられます

出願者数が増えた学校は翌年減少に転じ、次の年は再度増加するというサイクルを繰り返します。

前年度の受験者数が減って、実質倍率が下がると受験生の心理として「チャンス!」と感じて出願に踏み切り、逆に受験者数が増え、倍率が上がると「やめておこうか」という気持ちになります。

隔年現象に加え、難易度のアップ及び実質倍率の大きな変動、学校経営の変革、進学傾向の変化などによっても出願者数の増減が生じる傾向にあります。

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毎年、微増微減程度の動きの「伝統校」はそういう「変動」が少なく安定しています。

進学校や人気校は「つくれる」けれど、伝統校は一朝一夕に「つくれない」といわれる一つの象徴が毎年の出願者数の動きに表れます。

渋渋の男子減、女子微増の背景

25年度の東京・神奈川入試は、まだ募集を締め切ったわけではないので確定的なことを言うのは難しいのですが、このままの流れだと前年比での減少は確実とみられる学校が数校あります。

都内共学校で最難関グループに入る渋谷教育学園渋谷(渋渋)は1日午前の第1回入試で、3年連続出願者が前年を上回っていた男子が、25年度は前年26%減(52人減)の145人と減少に転じています

一方、2年連続減だった女子は前年比2%増(5人増)の240人と微増しました。

大きな理由の1つは「実質倍率」の推移があるとみられます。

受験者数の増加に伴い、男子の倍率は22年から2.5倍→2.6倍→3.2倍と推移していました。

人気校ですが、2倍台で長い間推移してきた学校が3倍超になったことは受験生側には「衝撃」です。

渋渋に憧れていながらも、現実的には…という受験家庭が一定数他校受験に回った結果がこの数字に表れているとみられます。

逆に女子は4.6倍→4.7倍→4.0倍と昨年、かなり倍率が下がりました。

受験プランを描いた際に「これなら何とか」と踏んだ女子が相当数いて「現状維持」につながりました。

合格者をやたらと出さないのが渋渋の入試です。

第1回入試男子の合格者数は例年55人程度。欠席数にもよりますが1割程度休むと推測すると25年度は2.4倍程度と予想できます。

女子も合格者数は55人程度と考えると、欠席者数1割なら24年同様4倍レベルの入試に。もしかしたら3.9倍くらいになるかもしれません。

大学の評判が影響?日大一

東京都墨田区の日大一中も25年度入試は出願者数が伸びていません

30日現在、1日午前の4科第1回入試では男子は前年度比30%減(61人減)の140人、女子は同25%減(28人減)の82人となっています。

2日以降の第2回や2科入試も軒並み数字が伸びていません。

日大一は首都圏の日大系の中高の中でも日本大学への内部進学率が高い学校です。

24年度の日大一高の日大進学率は約7割。333人の卒業生のうち233人が内部進学しています。

多くが日大進学を前提に入学してきますが、ご存じの通り大学の「評判」はごく一部の学生、教員、関係者の行為で「芳しくない」というのが現状です。

首都圏で約300の中学がある中で、敢えて日大進学が「既定路線」の中高一貫校へという選択肢をとる家庭はそう多くはないと考えられます。

日大系で出願者を増やしている神奈川の日本大学中学は日大進学5割程度ですが、「国公立大学・最難関大学合格を達成するため」と明確に目標を掲げている「特別進学コース」の存在感が増しているようなケースです。

「日東駒専」とよばれる大学群の中で、かつて頭一つ抜けている感があった日大ですが、不祥事のダメージは大きく現在では東洋大の方が受験生には人気です。

中堅校の日大一は難易度もそれほど高くなく、1回目入試の倍率も2倍強と「狙い目」ではありますが、「何か引っかかる」という家庭は出願を見合わせる方へ傾くでしょう。

看板がなくなって…横浜創英

24年度に比べ、大幅出願者減になりそうなのが横浜創英(横浜市神奈川区)です。

29日現在、第1志望の受験生が多い1日午前の第1回が前年比で男子50%減(86人減)の86人、女子が43%減(53人減)の69人と3桁に到達していません。

同じく1日午後も男子51%減(113人減)の108人、女子53%減(77人減)の67人。午後受験でも前年の半分に届いていません。

理由としては、昨年3月まで校長を務めていた工藤勇一先生が人気を残して退任、学校から去ったことが大きいと思われます。

宿題、定期テスト、固定担任制の廃止など東京都千代田区立麹町中学校での大胆な改革の実績を買われて、工藤前校長が横浜創英のトップに就いたのは2020年4月でした。

以後、「考えて行動できる人」の育成を目標に「リーダー養成講座」「4C(創造、対話、協力、分析的思考)スキル研修」などを展開。学校説明会の予約は即満席、合同説明会でも行列ができるほとの人気ぶりで、入試の実質倍率も年々上昇。学校もさることながら「工藤ファン」になって創英を目指す生徒、親御さんも少なくありませんでした。

学校の人気の「源」だった工藤先生がいないのなら、横浜創英でなくても同レベルの学校はたくさんあるし…と親御さんが考えても無理はありません。

伝統校なら校長先生が代わっても出願動向にさしたる影響はありません。

人気校、進境著しい学校は多少でも「流れ」が変わると、様相が一変することがあります

志願者をコンスタントに集めるのはなかなか一筋縄ではいきません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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