中高一貫校の実情

中学受験 繰り上げ合格の機会は2度訪れる


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入学手続き終了後の繰り上げ合格
2月11日の「入学辞退」
電話連絡の「都市伝説」はウソ
・思いは複雑…それぞれの追加合格

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入学手続き終了後の繰り上げ合格

中学受験で「繰り上げ合格」のチャンスは2度訪れます

1回目は入学手続き終了直後、2回目は「2月11日」以降です。

東京・神奈川の多くの中高一貫校では、合格発表の翌日、翌々日までには入学手続きを締め切ります。

入学金を支払ったうえで、入学意思の確認書などを提出します。

この時、入学定員に達していない場合、各校はそれぞれの「決め方」で追加合格(繰り上げ合格)を出します。

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定員に達していれば、その時点での繰り上げはなし。つまり年度によって、追加合格がある年とない年があります。

追加合格、繰り上げ合格の決定の仕方は各校それぞれです。

入試の合計点が合格最低点に近い受験生から、と思われがちですが、必ずしもそうでないのが中高一貫校です。

2科受験と4科受験の両方を行っていれば、4科受験の子からとか、算数の得点が良かった子から、複数回受験のみ対象という中学もあります。

共学校なら、男女の人数調整をしたうえで繰り上げを出すこともあり、合格者は男子数名に対し、女子が20人を超えた、など極端なこともあります。

2月11日の「入学辞退」

2度目の繰り上げ合格のチャンスは「2月11日」です。

「2月11日が多い」、というのが正確な言い方かもしれません。

首都圏の大半の学校は、建国記念日で祝日となっているこの日に、入学手続きをした合格者とその保護者が中学に集められ、入学にあたってのオリエンテーションが開かれます。

学校によっては制服の採寸、必要品の購入なども行われます。

基本的に欠席はNG。理由なく欠席すると「入学辞退」として扱われます

この「入学辞退者」が必ずと言っていいほど出る2月11日を境に、中学側は2度目の追加合格者を出します。

人数は若干名、と思いきや2桁人数になることも珍しくありません。

入学金支払い後に別の学校に合格、あるいは別の学校から連絡が来てそちらへ…ということも珍しくないのが中学受験。

一次手続き終了からオリエンテーションまでの数日の間でも、子どもたちの「運命」は二転三転します。

電話連絡の「都市伝説」はウソ

繰り上げ合格の連絡は大半が電話で来ます。

出願の際に連絡先を記入する1つの目的はこれです。

何日から何日まで、何時ごろに、というのが分かればよいのですが「何とも言えない」としか答えられません。

11日の招集日終了直後からということもあれば、最後の連絡が3月に入ってからということも過去にはあったと聞きます。

スマホを握りしめて、祈るような思いで…という親御さんの心中を察するとつらいものがあります。

「繰り上げ合格の連絡はその時に電話に出なかった場合、次の人へ権利が動く」という「都市伝説」もあるようですが、これはウソ。

中学校側は「連絡がつくまで何度でも電話をする」としています。

首を長くして連絡を待っている親御さんがそういうことはないと思いますが、「知らない番号だから」と表示された番号に出ない、ということがないように。

それはきっと「朗報」です

思いは複雑…それぞれの追加合格

追加合格が「嬉しい!」という家庭ばかりではないのも現実です。

憧れていた第1志望校からの「合格」の一報に、飛び上がるほど喜び、すぐさま手続きへ、という家庭も多い一方で、2月も半ばに入って「今さら…」と複雑な思いを抱く受験生親子も少なくありません

志望校合格を果たせず、つらい思いの中で、気持ちを何とか切り替えて別の学校へ進学を決めた矢先、入学金だけでなく授業料や施設費も支払い、制服まで注文してしまってから「うちへどうぞ」と言われても気持ちは複雑です。

しかも受験で大金を使い、進学の意思を示した学校の入学金、制服の代金が返金されないとなれば、裕福な家庭は別として「はい、そうですか」とはいきません。

緊急家族会議の結果、祖父母や親せきに借金をして繰り上げ合格した中学へ進む場合もあれば、「一度ここに行くと決めたから、もういい」と方向転換しない子もいます。

わずか2週間の間に喜んだり、悲しんだり…。受験は本当に「劇的」です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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