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中学受験 入学後「深海魚」になる分岐点はいつ?


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繰り上げ合格も「深海魚」の心配
変動する上位 固定する深海魚
帰国生はホントに「強い」
・大学受験で「逆転勝ち」の子

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繰り上げ合格も「深海魚」の心配

合格発表時に番号がなかった受験生にとって、「敗者復活」ともいうべき逆転が「繰り上げ合格」です。

入学時に正規合格の子と何か違う点があるかといえば、何もありません。

クラス編成も特待生の子は別として、繰り上げだからといって差別されることはありません。

ただ、親御さんの中には「入学できることは嬉しいが、果たして勉強についていけるのか」という心配をするかもしれません。

特に偏差値が届いておらず、「奇跡の逆転合格」だった場合はなおさら。

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入学したのはいいけれど、成績が下位に低迷し、浮上の気配がない「深海魚」に我が子が…と、気になって仕方がないという親御さんは少なくありません

変動する上位 固定する深海魚

結論から言うと、入試の成績と入学後の成績は、ほぼ関係ありません

これが多くの中高一貫校の先生の共通した意見です。

1学期のうちは入試結果が良かった子の方が「成績が良い傾向」にあるといいます。

しかし、夏休みが明けると、それも崩れます。

1学期のうちは中学入試で勉強した「貯金」が多少ものを言うのかもしれませんが、中学に入ってからの学習の取り組み方や部活動への力の入れよう、日常の過ごし方で学年順位は大きく変わります。

中学受験を終えて「解放」された子が、中学でのさまざまな「刺激」が勉強より面白くなったり、逆に目標がなくなって「無気力」になり、スマホをいじっているかゲームばかりしているなど、「勉強をやらない」層が一定数出てきます

タイプは違えど「深海魚」となるのは、この2パターンが多いです。

中には勉強はしているけど、なかなか上位には…というタイプもいます。

パターンとしては友達が少なく「情報戦」でもある中高一貫校の定期テストで、できる子がまとめたノートを入手しそびれたり、子どもたちが自然発生的にやる「勉強会」に参加していなかったりなど、「乗り遅れ」といった状態が影響しているようです。

中1の1学期は定期試験という方法に慣れずに成績が思うように…という子は結構いますが、学校生活にも慣れてきた2学期、3学期も同じ状態だと、この先厳しい生成になる可能性が高いです。

成績が「深海魚」になるか、ならずに済むかの分岐点は、この中1の2、3学期の成績がポイントになります。

そのあとの中学2年間の成績は、多少の変動はあれ、比較的「固定」します。

上位100位くらいの変動は、その固定メンバー100人の間で活発に上下しますが、下位100人のメンバーはそれほど変わらず、順位も上位ほど変動しない傾向です。

帰国生はホントに「強い」

成績上位に必ずと言っていいほど顔を出すのが「帰国生」の生徒です。

一般入学の子よりも、圧倒的に強いのが英語。中1の時点で英検でいうと、準1級クラスの子は珍しくなく、学年が上がるにつれて中学から本格的に英語を始めた子との差は広く一方です。

多くの私立中高一貫校は、中1から英語の授業時間を多めに割き、教科書も授業内容も公立中学とは一線を画すものです。

教科書は検定教科書ではなく、Z会の「NEW TREASURE」などレベルが高いテキストや学校オリジナル教材を使用、しかもスピードが早いです。

いきなり 「NEW TREASURE」レベルの教材でやられたら、大抵の子はキツいです。

そのため、英語は中1から習熟度別クラス編成をする中学もあります。

それでも帰国生の英語のレベルに追いつくのは至難です。

一般入学組が大変な思いをする英語の負担が軽い分、帰国生は数学や他教科に時間をかけることができ、結果として成績上位にいることが多いです。

英語でつまづくと、数学以上に厄介で「深海魚」になる主要因になりがちです。

英語不得意で成績上位はまれで、悪くても「人並み」程度の成績は取ります。

入試の4科にはない英語が、入学後は成績のカギを握ります。

最近、海外大学進学や国際性を強調して、既存の学校が校名変更をするケースが増えていますが、帰国生を積極的に合格させています。

もちろん、入試に通ったからなのですが、背景には英語ですでに「出来上がった」子を入れる方が、進学実績を上げるのに「手っ取り早い」という現実があるのは否めません。

大学受験で「逆転勝ち」の子

ただ、2年まで成績が中下位の生徒でも大学入試で「逆転合格」を勝ち取る層もいます(指定校推薦や総合型選抜は別。MARCH以上を推薦で狙うなら、コツコツやっていくのが最善)。

1つは「基礎学力のある子、もう一度復習して基礎学力をつけた子」です。

もう一つは部活動を熱心に頑張ってきた子は、追い上げを見せて見事志望の大学の合格を勝ち取ります

私立中高一貫校の部活動は一部を除いて、2年生の秋か3年生に上がる前に「引退」です。

そこから遅れていた勉強に取り組み出します。

威力を発揮するのが「集中力」と「勉強体力」です。

運動系、文化系にかかわらず、部活に情熱を傾けてきた子は、火が付くまで時間はかかるかもしれませんが、きっかけ一つで人並み以上の「集中力」と勉強を長時間、毎日継続できる「勉強体力」を備えていることが多いです。

大学入試まで「なんとか」間に合った、という形で志望校に滑り込みます。

大学入試結果と中学入学時の成績は、ほとんど関係なく、入学は繰り上げ合格がだった子が難関大へ、中学入試トップだった子か全落ちで浪人ということもあります。

大切なのは、中学入学時の「スタート」です。

特に繰り上げ合格組は「もらったチャンス」を生かさなければ大損です。

英語と数学を中心に日々の勉強を頑張るとともに、友人をたくさんつくることも肝です。

難関中高一貫校は大学受験を「団体戦」と考え、互いに励まし合い、教え合い、情報交換することで力をつけ、それぞれの志望校へ進みます。

先輩の存在も大きいです。

5年間見てきた先輩たちの勉強の仕方、いつから走り出せばいいのか、どういう立ち位置なら行きたい大学へ進めるのか、肌感覚で分かります。

身近な「サンプル」が豊富なのも中高一貫校の強みです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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