◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・途中参戦「あり」だが甘くない
・新5年生は「下地づくり」から
・「親塾」でのNGワード
・5年生の入塾のタイミング
24年度の中学受験もほぼ終了。2月11日は多くの中学で入学予定者の「招集日」になっています。
一方で各進学塾ではすでに25年度に入試に向かって始動しています。5年生は新6年生として、残り1年を切った入試本番へ向かって走り出しています。
もうスタートしている同級生がいる中で、「これから中学受験に参戦」という新5年生、新6年生もちらほらいます。
3年生の2月(新4年生の2月)スタートがスタンダードとされる中学受験ですが、この時期からの挑戦は現実的にみて「あり」なのでしょうか。
目指す中学、受験への考え方にもよりますが、基本的には「あり」だと思います。
ただ、スタートが遅い分、子どもにも親御さんにもかなりの「負荷」はかかります。
中学受験は「甘くはない」という覚悟が親子ともども必要です。
新5年生(現4年生)の場合、自分で勉強をしてみて、中学受験の勉強をやっていけるのかどうかを見極めた上での進学塾入塾がおすすめです。
まずは「下地づくり」です。
中学受験は4年生あるいはそれ以前で学ぶ内容を土台として積み上げていかないと、5年生の学習内容から取り組んでも、うまく連動しません。
小学校で「よく100点をとる」とか「できる方に入る」くらいでは正直太刀打ちできません。
中学受験と小学校の学習ではレベルが「段違い」だからです。
どこの塾に入るかは別として、まず小学校の学習内容からのチェックです。
算数ドリル、漢字ドリルは満点が当たり前、算数は教科書の巻末問題や市販の問題集(受験用ではないレベルのもの)も苦にならず消化できるのが、中学受験参戦の「前提」です。
理社はどちらか一方でも構いませんが、小学校でやっていることが「退屈でつまらない」くらいでないと、大洪水のような中学受験に必要な知識量の習得についていけません。
その辺りがクリアできたなら、中学受験用のテキストに触れてみます。
「新演習」という栄光ゼミナールなどで使っているテキスト(市販はなく書店では購入できない)がネットなどで手に入れば、これに取り組みます。
中学受験では「易しい」部類のテキストなので、基本的な内容を抑えるにはこちらからのスタートが良いでしょう。
ある程度自信があるのなら、一番手っ取り早く入手できる四谷大塚の「予習シリーズ」の4年生のものから手を付けて自力で学習するのも「あり」です。
「新演習」にしても「予シリ」にしても、自力で進められるのが理想ですが、おそらくごく一部をの子を除いて「無理」です。
親御さんが勉強時間、量、進捗状況を把握するうえでも「伴走」できるのが理想です。
しかし、親御さんに教える能力があったとしてもそこに「感情」が入ってしまうと失敗します。
「勉強しなさい」「どうしてこんなことができないの」「気合が足りない」…よく親御さんの口から飛び出すこれらの言葉は「親塾」では絶対が付くNGワードです。
我が子であることは動かしようがありませんが、冷静に客観的にどうサポートするのが一番有効か、自分のやり方でなくその子その子で「カスタマイズ」できるかがキーポイントになります。
難しければ家庭教師、個別塾などで計画を立てながら取り組みます。
ただアタリ、ハズレが大きい選択になるので、そこは親御さんの「目利き」がものを言います。
動画教材も有効です。のんびりやっていると追いつかないので、スピード重視になります。
ただ、雑になっては元も子もないので、そう考えると親御さんの伴走(一緒に講義を聞く、講義を話題にして会話をするなど)が必要かもしれません。
春期講習に参加しても構いませんが、あくまで様子見。どういう授業をやって、勉強量はどれくらいなのかを子どもが体感します。
自学の進捗状況によっては、夏期講習も様子見参加かパスでも構いません。
まだ通塾組の上中位層に「追いつていない」可能性があるので、基本的には秋からの入塾を目指します。
夏休み前に模試を受けてみて、結果や手応えがあれば夏期講習の本格参戦もありです。
偏差値にして40台後半ならOKです。
塾なしで40題台後半なら、入塾後にしっかり復習(自力でアウトプット)する時間を大切にすれば、6年生に上がるころには上位2割くらいに入り込む可能性はあります。
毎日コツコツやる「勉強習慣」とある程度の時間勉強に向き合える「勉強体力」がある程度備わっれば、5年生からの参戦でも入塾後の「勉強姿勢」と親御さんの適切なアシストによって成績は上がります。