◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・アテにならない子の「できた!」
・「結果オーライ」がNGな理由
・「たまたま」「なんとなく」を潰す
・「実感がわく」という境地へ
模試でも本番入試でも子どもの「できた!」ほど、アテにならないものはありません。
嘘をついているわけではないのですが、答えを出した時点で、解答欄を埋めた時点で「正解」と思い込む子が偏差値50以下を中心に多い傾向にあります。
国語は記述の解答欄をとりあえず制限字数まで埋めれば、漢字の書き取りで何か書けば、算数は一応の答えが出れば、理科社会も一問一答のところが漢字で書け、記号問題にヤマ勘でも答えられれば、「正解」にカウントしてしまう子が実に多いのです。
入試では国語の記述問題はそれぞれ採点のポイントがあり、解答欄を埋めたからといって○や部分点がもらえるわけではありません。
漢字の書き取りは「トメ」や「ハネ」などもチェックされます。
算数は答えの数字が出たからといって、計算が正確にできているかどうかは分かりません。
理科や社会でも頭に浮かんだ漢字で答えてしまい(特に社会の地名や人物名など)、記号問題も細部まで検討してというより、「なんとなくこれ」という感じで選択している子は、相当数います。
解答用紙が返却されると「当たった!」と言って大喜びしている子がいますが、まさに勘で答えている象徴的なシーンです。
子どもにとってテストは「結果オーライ」です。
点数が高い方が、偏差値が高い方が、親御さんに怒られずに済むので「内容は二の次」だからです。
「当たった」は「できた」ことにはなりません。
けれど◯が付けば、子どもは本当は「できていない」ことにフォーカスしません。
そのまま放置で、次は正解になりません。
入試本番以外「結果オーライ」はNGです。
親御さんも返却された模試やテストの「中身」より点数、偏差値の数字を重要視する傾向にあることは否めません。
しかし、子どもの解答用紙の「中身」をしっかり吟味しないと「たまたま数点、数ポイント偏差値が高かった」というだけで、子どもの実力や志望校決定で誤った判断をすることにもつながりかねません。
親御さんがこの点を留意し、テストの「答案復元」を家庭で必ずに行います。
適当に模範解答を写し、「解き直し、はい、おしまい」では意味がありません。
「たまたま」や「なんとなく」を1つずつきちんと潰していくことにテストを受ける意味があります。
現状、実力的に手が出ない問題に取り組むより、こちらの方が先に取り組むべきだし、成績アップの近道になります。
偏差値が「コンスタントに高い」子は、総じてテストの予想点数と実際の点数の誤差がそれほどありません。
自己採点をする前に4教科500点満点のテストで、誤差±10点程度というかなりの「精度」の子もいます。
一方で偏差値50以下の子は予想点数で計100点くらい違えことも珍しくありません。
なぜこうも違うのでしょうか。
偏差値が高い数字で安定している生徒は「何が正解なのか」という感覚が身に付いています。
逆に一応の答えは出ても体感的に「これは正解じゃないな」とも分かるのです。
つまり、解き終わった瞬間に点数になるかならないかの判断が正確にできています。
偏差値が大きく伸び、その後安定した生徒はこんなことを言っていました。
「答えが出た時に、できているという感じが分かるようになった」。
「実感がわく」とはこういうことです。
偏差値40台後半から50台の子で 難関、上位校を目指すのなら「合っているか、間違っているかよく分からない」から「実感がわく」という境地へと進むのが目指すべき当面の目標です。