◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・お値段以上の共通項「挑みと貪欲さ」
・なぜ先生に「挑む」のか
・挑む子は受験が「ゲーム感覚」
・「待ち」では道は開けない
授業料免除の特待制度のある進学塾は別として、中学受験塾は偏差値70の子も30の子も授業時間が同じで、同一のテキストを使い、受講料は一律同額です。
その意味では「平等」ですが、総じてデキる子の方が塾から「お値段以上」のものを持ち帰ります。
偏差値にして60以上の子と50以下の子の塾での差は、頭の良しあしではなく、授業中の「挑み」と「貪欲さ」の違いです。
例えば国語は記述問題。
授業中に取り組み、先生に添削されて、低い点をつけられても、偏差値の高い子は満点をもらうまで出し続け、先生に挑みます。
ムキニなって、先生に自分の実力を認めさせようとしているのではありません。
自力で問題を解く楽しさを感じているので全く悲壮感がありません。
算数なら、なぜここが分からないのかを自分なりに考え、「自分はこう思うけど」というものを持って先生に挑みます。
これもできないことにイライラしているのではなく、自分の考え方の方向性が正しいかどうかを確認するとともに「その先が知りたい、理解したい」という気持ちが強いです。
塾の先生はそんな「挑む子」を可愛がります。
熱心な先生ほど、とことん相手をしてくれます。
国語の記述なら「こういう考え方でこういう表現を使ったらもっと良くなる」とか、算数なら正解に至るプロセスの考え方や別の方法で答えを出すこともできるなど、先生は子どもを相手をしているうちに「おまけ」まで提供してくれます。
ただ授業を受けているだけではなく、挑むことで「お値段以上」のものが得られるのが「進学塾」です。
この「挑む」姿勢が、デキる子どもが言うところの「塾は楽しい」という言葉の真の意味です。
先生と受験教材を通して「勝負」しているのがまさに「ゲーム感覚」。
入試はその腕の見せ所である「大会」のようなものです。
塾で先生に挑み続けてきた子が入試本番で「連戦連勝」するのは、まさに入試をゲーム感覚を楽しんでいるからです。
その境地に達するまでには何度も先生に、テストに「撃退」されてきたのですが、それも「楽しい」と感じるからこそ、入試でガチガチにならず力を発揮できるのです。
「挑む子」と対照的におとなしい子は、どうしても「お値段以上」とはなりにくい傾向です。
おとなしく座っているだけの「お客さん」といわれる子、分かっているのかいないのか反応の薄い子=授業の輪の中に入っていない子には、大手進学塾では基本的に先生からアプローチはしません。
よく親御さんから「声がけしてくれない」とか「ちゃんと見てくれない」という不満を聞きますが、進学塾は「待ち」の姿勢では道は開けません。
お値段以上とは言わないまでも、支払っている対価程度のものは…と考えているなら、まず自分から授業に輪の中に飛び込むことです。
勇気を奮って飛び込んできた子を拒む塾の先生はまずいません。挑み続ける限り先生は面倒をみてくれます。
性格的に一歩前に出るのがどうも苦手という子もいます。
親御さんが一歩前に出て、塾の先生とコンタクトをとり輪の中に入りやすい雰囲気をつくります。
先生に挑む経験を何度かしているうちに、子どもはそれが当たり前になります。
親御さんは問題の出来不出来より、挑み続ける我が子の姿勢を評価し続けます。
この勉強サイクルが軌道に乗ると、我が子も「お値段以上」のものを持ち帰れるようになります。