中学受験 偏差値&成績

東大合格者数44年連続1位 開成流の大学受験


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・開成は「みんな東大」ではない
・模試より正確な開成の「物差し」
・馬力あり 短期間で結果を出す
・卒業後「行方不明」も…

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開成は「みんな東大」ではない

3月10日に25年度の東大一般入試の合格発表がありました。

まだ、集計が出ていない学校もありますが、注目の「高校別合格者ランキング」では、東京の開成高校が149人合格(現役107人、既卒42人)で1981年(昭和56年)から44年連続トップの座を守りました。

昨年も149人ですから「横ばい」(現役は昨年の方が10人多い)で、安定した強さを発揮したといえます。

開成の卒業生は約400人で、卒業生に対する東大の現役合格率は25年度27%超でした。

「みんな東大」のイメージがありますが、実はそうでもありません

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例年4割を超える筑波大付属駒場、24年度100人に続き25年度も95人合格の聖光学院(神奈川)の約37%よりも割合としては低くなっています。

開成は文系、理系のクラス分けもなく、学校も先生も「東大を目指せ!」とは一切言いません。

もちろん「先輩たちの姿」に影響を受けますが、基本的にはそれぞれの意志で進路選択をしており、実際東大に合格しそうなでも国公立大医学部に進んだり、京大や東工大へという子もいます

模試より正確な開成の「物差し」

東大を受験するか、他大学へ、あるいは他の国公立医学部受験にするか、開成生の判断基準の「物差し」が高校3年で年4回行われる「実力テスト」(通称・実テ)です。

国数英の主要科目に文系も理科を、理系も社会を受け、文系、理系が入り混じって順位が付きます。

総合点の上位100人を「百傑」と呼び、逆に下位100人を「裏百」と呼ぶなど、開成内部ではかなり注目の勉強イベントです。

なぜ注目を集めるかというと、この成績で「東大合格」を占えるからです。

開成生の実テの存在感は「駿台や河合塾の東大模試の判定よりも東大の合否判定が当たる」という言葉で分かります

実テでAとかBとか、東大の合格可能性判定が出るわけではないのですが「百傑の常連なら東大は鉄板」「文系は百傑以内、理系は少々はみ出しても受かる」「裏百でも時々奇跡が起こる」など、さまざまな伝説があり、これが概ね的中するといいます。

馬力あり 短期間で結果を出す

東大の合格者数から見ると「開成=猛勉強」のイメージを抱くかもしれませんが、多くの生徒が「そろそろ…」と重い腰を上げるのは、高校3年の6月くらいからです。

開成の高3生は1年かけて準備する5月の「運動会」終わると、それぞれが「今後」について真剣に考え始めます。

それまで「鉄緑会」などに通っていても、ただ行っているだけだったのが、授業態度が変わってくる「シフトチェンジ」もよく見られます。

開成だけではありませんが、中高一貫校の難関校に籍を置く子、特に男子は定期試験を短期集中で乗り切る「馬力」と「集中力」のある子がかなりいます。

いわゆる「一夜漬け」で高2までの5年間をこの調子でやってきた子です。

善し悪しは別として、普段は部活や課外活動で忙しく、コンスタントに勉強している子が少ないのが男子難関校の「あるある」です。

「勉強馬力」「集中力」があるからこそ、夏からの半年という短期間で東大をはじめとする志望校の入試で「勝負になる」学力が身につきます

開成出身者の中には秋の東大模試でA判定は少数派。B、C判定という合否どちらに転んでもという生徒が多いです。

それを合格に持って行く姿はまさに「勉強馬力」を感じます。

卒業後「行方不明」も…

開成既卒組の東大合格者は毎年40人前後です。

浪人して捲土重来を期した男子だけでなく、早慶などに進学しつつ再受験を決意した「仮面浪人」もちらほらいます。

実際、何人くらいが東大を再チャレンジしているかは分かりませんが、高校時代に「裏百」だった子でも合格する子は結構います。

本来は「勉強馬力」のある子が、エンジンを「整備」して挑めば合格は可能です。

一方で同学年の子でも「あいつ、どうした?」状態の子もいて、進路も含め「行方不明」が開成でも毎年数十人います。

浪人して大学に合格しながら、学校に報告しないこともあります。

何も卑下することはないのですが、「開成」という看板があるがゆえに、合格、進学する学校を報告するのはちよっと…となってしまうのかもしれません。

中学受験で「成功」しても、そのまま順調というわけではありません

逆もしかりで、中学入学でリスタートです。

次のステージはまた1から。

長い6年間の道のりの「歩き方」で出口は大きく変わってきます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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