◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・難関校合格実績 塾側の都合
・1枚目の「壁」は秋までに突破を
・多くは「偏差値通り」の結果に
・「苦手を並みに」「並みを得意に」
東京の男女御三家や難関校、早慶などを対象に、各進学塾ぱ学校名の付いた「●●中対策」「●●中特訓」などの「冠講座」を看板にしています。
サピックスの「SS」(サンデーサピックス)、早稲田アカデミーの「NN」(何が何でも)などがその代表格です。
過去問を含め、予想問題や他校の問題をアレンジした類題まで、あらゆる可能性を想定して塾側は子どもたちの志望校合格に向かって手を尽くします。
一方で塾側の都合を言えば、難関校合格実績は来年度以降の塾の「売り上げ」のカギを握っています。
「開成合格●人 桜蔭合格●人」の効果は、中学受験を考えている親御さんの気持ちを「揺さぶる」からです。
冠講座を受講するには「資格むを設けている塾が多いです。
校内テストで偏差値60以上とか、●クラスに所属しているなど、一定の基準がそこにはあります。
受講資格を獲得するための試験という関門を突破しなければならない場合もあります。
まずは受講資格獲得が1枚目の「壁」になります。
倍率は2倍程度が普通ですが、入れ替えもあり、1回ダメだったから志望校はもう…ではありません。
春先に「冠講座」の枠に入れなくても悲観する必要はなく、秋までに何とかすれば大丈夫です。
春から夏休み前はまだ助走段階。講座の先生たちも本記モードに入るのは9月以降です。
春に受講資格が得られなければ、夏休み中に行われる秋の資格取得試験に向けて実力を養い、同じ冠講座でも上位クラスに入れるようにします。
なぜなら「冠講座」を所属しているだけで合格を保証てくれるものではないからです。
「逆転合格」「偏差値が届いていなくても受かります」など「ここに来れば」合格が手に入るかのような魅力的な文言が「冠講座」の案内には並びます。
確かに「逆転合格」もあれば「偏差値が届いていなくても」合格した例は過去にいくつもあります。
中学受験は入試当日、試験の最中でさえ実力が伸びるものです。
持ち偏差値では計り知れない結果になることはそれほど珍しくありません。
ただ、そういう痛快な「逆転合格」は年単位でみると「数えるほど」です。
多くはほぼ「予想通り」「偏差値通り」の結果になります。
「(冠講座)1組の前2列は鉄板(合格確実)。過去に落ちた子は1人もいない」「1組なら9割方受かるが、2組になると半分、3組以下は2割を切る」――。
これら塾で長年伝わる冠講座の「伝説」は毎年かなりの確率で当たります。
逆に受講資格を得ても下位クラスは厳しい戦いになる可能性が高いです。
だからこそ、冠講座は秋以降、1つでも上のクラスで席を確保するのが目標になります。
できるだけ「上位クラスに在籍」するのが、冠講座の2枚目の壁です。
それでも当初冠講座下位クラスにいながら、追い上げて「最後に逆転」という子もいます。
その場合、いくつかの特長があります。
それは「苦手を並みに」「並みを得意に」してきた子どもの努力です。
①「算数で取りこぼしが少なくなった」②「国語の記述で得点がコンスタントに3割増しになった」③「理社が夏休み明けまでに完成していた」④「科目間の成績に凸凹が亡くなってきた」――。
これらの要素が1つか2つあると「逆転劇」は起こる可能性が高くなります。
どれも「夏休みに頑張ったから」とか「個別指導を頼んだり、問題集をたくさんやったから」という短期集中でで何とかなったのではありません。
早ければ5年生の秋から、遅くても6年生のゴールデンウイーク以降に基礎の再構築と実力のレベルアップを図った子ばかりです。
勉強をし始めて効果が出始めるのが最短で3カ月、通常半年前後、長くて1年近くかかります。
冠講座の上位クラス入りには間に合わなくても、入試に間に合えば問題ありません。
夏休み前の3カ月は貴重な時間です。