中学受験 偏差値&成績

中学受験 夏以降に差がつく算数の重要単元3選


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「割合と比」「速さ」「場合の数」
割合と比は「中学受験算数の核」
「速さ」苦手→小学校のドリルから
・4科得点UPに効果的な場合の数

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「割合と比」「速さ」「場合の数」

中学受験の算数は「夏休みが天王山」、ではありません。

夏期講習を有意義なものにするためにも、夏休み前に基礎を固め、苦手ならある程度克服しておくことが秋以降の算数伸びにつながり、得点力に大きな差が生まれます

夏休み前に「なんとかしておきたい」算数の重要単元を3つ挙げるとすれば「割合と比」「速さ」「場合の数」の3単元です。

この3単元は、他の単元への「影響力」が非常に大きいからです。

理解と解答力が不十分なままだと、夏以降どれだけ頑張っても「穴のあいたバケツで水を運ぶ」ようなもので、算数の伸びは期待できません。

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逆に夏までにこの3つの基礎を固め、夏期講習に臨むと、応用力と処理スピードが格段に上がり、秋以降の模試や志望校の過去問を解いて「手応え」を感じることができます

基礎固めによって「図を描く」「考えを整理する」「解答への引き出しを使いこなす」という、算数の思考問題を解く「基本スキル」を鍛える訓練にもつながります。

割合と比は「中学受験算数の核」

まず「割合と比」。

これは文章題・図形問題・速さなど複数の単元に深く関わっており、「中学受験算数の核」とも言えます。

自力で解答できる力が甘いと、夏以降に志望校の過去問に挑んでも対応できず、手応えがない原因になります。

特に速さの「道のり=速さ×時間」や「食塩水の濃度」などでは、割合の感覚が正確でないと、計算ミスだけでなく、式の立て方自体おぼつかなくなります。

克服法の前提として、基本である「くらべられる量=もとにする量×割合」の3つの要素の関係を、言葉と図(くも型図・テープ図)で表せる練習を「食塩水の濃度」「売買損益」「速さ」「図形の相似」などの問題演習を通じて積み重ねます。

ポイントは必ず「書く(描く)」ということ。

頭で思い描いていただけでは意味がなく、必ず手を動かして書くことが大切です。

「割合と比」を押さえるだけで、偏差値5以上アップ、受験校の1、2ランクアップは実現可能です。

特に偏差値帯50台(四谷大塚)の中堅〜難関校では「割合と比」を使った思考型問題が多いため、効果てきめんです。

「速さ」苦手→小学校のドリルから

次に「速さ」です。

速さの問題は旅人算、通過算、時計算、流水算など、多様な出題形式があり、図や表を使って状況を整理する力が求められます。

基本的な「速さ×時間=距離」の感覚が正確でないと、入試問題レベルの出題では問題を解いている過程で行き詰まります。

速さの問題を苦手にしている受験生の特徴として「単位の変換」ができていないケースが目立ちます

「分速→時速」や「秒単位の時間換算」などの基本中の基本を受験用ではない小学校で使っているドリルレベルで解く練習を繰り返すのは効果的です。

さらに「時間の経過に応じてどれだけ進むか」などを線分図やダイヤグラム(道のり図)で繰り返し描く練習をします。

つまり基本の「視覚化」です。

「割合と比」同様、「手を動かす」がポイントです。

そのあたりがある程度できるようになると「同じ向き・逆向きに進む2人の出会い、追いつき」「出発時刻のズレ」などの定番問題の練習で解答力をつけます。

速さが得意になると「グラフ問題」「図形移動」「通過算」など難関校特有の論理的思考問題にも強くなります

問題の条件を読み取り、図に落とし込み、計算するという一連の流れの「処理能力」が向上し、入試本番での得点源となります。

4科得点UPに効果的な場合の数

最後に「場合の数」です。

感覚的に「なんとなく」で正解できてしまう初期段階では見逃されがちですが、難度が上がると「ぬけもれ」「だぶり」のチェックができない生徒が続出します。

さらに「論理的に整理する力」「順序・条件の把握力」が問われるため、早い段階で「数え方の型」を身につけておかないと、入試では苦戦します。

「場合の数」は地道な作業ができるかどうかが肝になります。

「樹形図」「表」「リスト化」など、パターンを漏れなく数える経験を積ませ「型」を体で覚えさせます。

次に大切なのが「言語化」

「なぜその数になったのか」「どこでだぶり、数え漏れが起こるのか」を言葉で説明します。

どこで間違いやすいのかを意識すると、数え方のレベルが一段上がります。

難関校で頻出の「条件付きの並び替え」「ルールのある数え上げ」などの難度のやや高い問題にもひるまず、むしろ得点源となり、他の受験生との差を広げられます。

偏差値60超レベルの子で「場合の数」が苦手な子が少ないのも特長です。

副産物ではありますが、場合の数が得意になると「論理的な整理力」「説明力」が磨かれ、国語や理科、社会の記述式問題にも好影響を与えます。

「場合の数」の勉強は4科の得点力アップに「お得」といえます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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