◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・1月入試が「決勝戦」の子は多い
・年明け早々に学力をピークに
・メンタルが結果を左右する
・お試しじゃない、全力投球を
首都圏の中学入試は、2月1日解禁の東京・神奈川が話題の中心になりがちです。
そのため、2月本命組からすると、1月10日解禁の埼玉入試、20日からの千葉入試は「お試し」「前受け」というイメージが強く根づいています。
模試代わり、練習の場と考えるご家庭も少なくありません。
しかし忘れてはならないのは、埼玉・千葉の入試こそが「決勝戦」となる受験生が数多く存在するという事実です。
特に埼玉を第1志望とする子どもたちにとっては、いきなり本番。
東京勢が「模試代わり」に受けている横で「真剣勝負」をしています。
千葉を本命とする子は、埼玉を「前受け」として位置づけることができますが、埼玉を第一志望とする受験生にとってはそうはいきません。
地方校の首都圏会場入試くらいしか準備の場はなく、年明け早々に学力をピークに持っていかなければなりません。
東京・神奈川組よりも3週間ほど早く仕上げる必要があり、学習計画もシビアになります。
2月本命組は冬期講習で最後の実力アップを図りますが、埼玉本命組は実力養成というより、最後の調整段階と位置付けられ、アプローチの仕方も違ってきます。
学力と同等レベルで受験結果を左右するのが「メンタル」です。
受験は偏差値や学力だけでなく、本番での「気持ちのコントロール」がうまくいったかどうかで合否が変わります。
程よい緊張感の中で気持ちを引き締められる子は、力以上のパフォーマンスを発揮することもしばしば。
逆に緊張しすぎたり、「前受けだから」と気を抜いて挑んだ結果、入試で予想外に手こずって動揺→不合格ということもよくあります。
この「つまずき」が受験全体の流れを悪くし、2月にまで引きずるケースもあります。
よく「前受けで落ちたことで気合が入った」という合格体験記を耳にします。
確かにそういう例もありますが、体験記はあくまで「成功者の声」です。
納得できない結果に終わった受験生の声は表に出にくく、次世代に伝わりにくいのです。
だからこそ、最初の1戦目から「決勝戦」のつもりで全力を尽くすことが重要です。
親御さんが過度にプレッシャーをかける必要はありません。
ただし「埼玉・千葉を第一志望にして全力で挑んでくる子が大勢いる」という現実をきちんと伝えます。
そのひと言が、お子さんの気持ちを引き締め、本番での集中力につながります。