親御さんの役割

中学受験 6年生の秋なのに「やる気がない」の大きな2つの理由

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10月の「やる気がない」は「どうしていいのか分からない」の別表現
・「やる気がない」の正体に気が付く親御さんは少ない

すべてが停滞する「やる気あるのか」
前に進むには「どうしていいか分からない」を1つずつ取り除く
やる気がないのは元々興味がないから
・中学受験への子どもの“熱量”を常に気にする

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10月の「やる気がない」は「どうしていいのか分からない」の別表現
2月1日の東京・神奈川の中学受験日解禁まで4カ月を切りました。受験生は一層気を引き締めて頑張っていることと思います、というのは何も知らない(何も考えていない)大人の受験生へのイメージ。実際、自分のペースをつかんで、合格へというゴールを目指して順調に前に進めているのは、ほんのわずか。10人に1人もいないかもしれません。

 ああでもない、こうでもないと、試行錯誤しながらでも前に進んでいるのはまだ良い方。多くの中学受験生は本当のところ「どうしていいか分からない」状態で10月を迎えているのです。どうしていいか分からない=できない、理解できない問題、単元が多すぎて、やろうにも前に進めない、のです

これが親から見て子どもの姿が「やる気がない」と映る、大きな理由の1つです。「やる気がない」のは「どうしていいか分からない」の別の表現なのです。

分からないことが多すぎては「やる気」はでない

「やる気がない」の正体に気が付く親御さんは少ない
子どもが「どうしていいのか分からない」状態である、ということに気が付いていない親御さんは意外と多いものです。成績、偏差値ともなかなか上がらないことで、6年のこの時期になる前に「やる気がない」の正体に気が付く親御さんもいるのですが、多くはその子の“学習状態”が実は“精神状態”に出ていることに気づきません。

「やっていることについていけてない→やる気が出ない」は、ワンセットなのです。

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子どもの”学習状態”を常に観察することが気付きを早くする

すべてが停滞する「やる気あるのか」
 ところが、残りわずかになっても勉強に前向きにならない我が子を見て親御さんは腹が立ちます。今取り組んでいる勉強が分かっていない、ということに親御さんの気は回っていません。子どもの脱力したような表情を見て、親御さんは「やる気がない」という言葉を

発します。

叱咤激励の言葉をかけようとしたつもりが、いつのまにか「やる気あるのか。ごちゃごちゃいう前にやれ」と命令になり、最後は「やめてしまえ」という“暴言”に至ります。こうなると、勉強どころではありません。すべてが停滞します。

「やる気あるの!」と説教しても勉強はできるようにならない

前に進むには「どうしていいか分からない」を1つずつ取り除く
 説教をする前に、暴言をぶつける前に、冷静になって、子どもがどこでつまずいているのかを親御さんが一緒になって考えてみましょう。課題がこれでもか、これでもかと出てくるかもしれませんが、嘆いていても仕方ありません。優先順位をつけて、手が付けられると親御さんが判断したものから、障害を取り除いていきます。

 子どもは嫌がると思います。自分が隠していたい「勉強の実態」が白日の下にさらされるわけですから。でも、そこは親御さんがきちっと説得してください。「これはあなたを責めているのではなく、今までやってきたことを無駄にしないためにやるの」と言って、感情的にならず淡々と話すのがコツです。子どもは“いつもと違う”迫力に押されて、正直に「どうしていいかわからない状態」を話してくれます

まずは自己分析。できること、できないことは何か…

 残された時間はそれほどありません。が、1つの「どうしていいか分からない」を取り除くことによって、水が堰を切って流れ出すように、学習も進む可能性は高くなります。まさに追い込みがかけられるようになります。

やる気がないのは元々興味がないから
 2つ目は今更ですが「中学受験に思い入れがない」ということが挙げられます。そもそも多くが親御さん主導で始まったのが中学受験。通塾していく中で、学習内容に興味がわいてこなければ、6年生の終盤は親御さんに「やらされている感」がさらに増します。

 12歳の子どもは理性より、本能で行動します。お父さんやお母さんをがっかりさせたくないし、嫌われたくないので、渋々ながらも通塾しますが、本当は遊びたいし、自分の好きなことをやっていたいのです。

 進学塾へ通っている以上、勉強して中学受験に勝たなければいけないと頭では理解していますが、元来興味がわかないもの。進んで取り組む気にはなれません。日曜特訓など休みの日まで、よくわからない難しい話に朝から晩まで向き合うのは苦痛以外の何物でもありません。

親の期待に応えようと…

中学受験への子どもの“熱量”を常に気にする
 「これは仕事」「問答無用でやらなければいけないこと」と割り切ってできる大人に、大半の12歳はまだなれません。6年生の10月では中学受験自体を撤退するのは成り行き上勇気がいることなので、もう突撃の一本道ですが、4、5年生の場合は、子どもの興味や関心がどれくらい受験をして中学に進みたいのかの“熱量”を常に気にしてほしいと思います。

 子どものやる気は冷たいスープをレンジでチンするみたいに簡単には温まりません。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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