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開成大量追加合格!?中学入試後の「玉突き」


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・コロナの影響薄れた結果?
開成大量繰り上げ「玉突き」続出
聖光、渋幕…開成だけでない選択
・嬉しいのか、今さらなのか

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コロナの影響薄れた結果?

中学入試は「合格発表のあと」にも数々の「ドラマ」が生まれます。「繰り上げ合格」「追加合格」による「敗者復活」のドラマです。

繰り上げ合格に関しては学校によって、それぞれの考え方があります。前もって補欠合格対象者を発表し、欠員があれば繰り上げ合格するとしている中学、対外的に補欠合格とは発表しないものの、欠員が出次第対象者に電話する学校など、学校ごとに対応が違います。

最初から「繰り上げ合格は出さない」という方針の中学も少なくありません。毎年のテータから合格者の中でどれだけの人数が入学するかの「歩留まり」をきっちり計算し、募集定員前後の人数を確保します。

コロナ禍がなんとなく落ち着いた感のある23年度入試では、コロナ禍以前と同じような受験スタイルも一部で「復活」しており、それが繰り上げ合格に少なからぬ影響を与えていることが、2月末になって徐々に判明しています。

開成大量繰り上げ「玉突き」続出

男子御三家筆頭格の開成は受験者数1193人で合格者419人、実質倍率2.8倍というのが23年度入試の「公式発表」です。一方で開成は毎年といっていいほど「繰り上げ合格」を出します

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「真の最難関校」といわれる筑波大付属駒場が、開成の合格発表の2月3日に入試、同5日に発表です。開成と「W合格」した場合、8割近くが筑駒に進むので、「玉突き」現象=繰り上げの流れは驚くべきことではないのですが、今年は「数が多い」というのが特徴です。

過去問集の販売する声の教育社のYouTube動画でも指摘されていましたが、18日の時点で95人程度が繰り上げ合格、概数にすれば約100人が電話連絡を受けた模様です。

これに伴い他校でも「玉突き」現象が起こります。開成の併願校が多い本郷、海城、あるいは早稲田などで繰り上げ合格が出ています。実数はわかっていませんが、1桁の数字ではなく、続出状態といいます。筑駒合格だけでは100人もの繰り上げは出ません。

背景にはコロナ禍の影響が薄れて西日本からの「開成ツアー」復活が要因の1つとみられます。関西、九州の各塾から灘中学に合格した子たちが「ご褒美」の東京ディズニーランドに遊びに来るついでに中学受験の「全国制覇」狙いで開成を受験→合格を手にする、というのはコロナ感染拡大前「恒例」でした。

これがここ3年ほどなくなり、開成の繰り上げは50人前後でした。つまり筑駒合格者を中心に合格者が「抜ける」ことでの開成「玉突き」合格はあったのですが、23年度は西日本勢の記念受験合格組がほんの一部を除いて入学辞退をしたため、大量の繰り上げ合格が出たとみられます。

聖光、渋幕…開成だけでない選択

さらに23年度に大量繰り上げがあった原因の1つとして、「学校の選択肢の多様化」がより顕著になったことが挙げられます。

神奈川の男子最難関・聖光学院は2回の入試で毎年計350人程度の合格者を出します。募集定員225人に対して、約1.6倍という数字は、合格後の入学手続き者が多い「歩留まりの良さ」を感じます。学校の自信は「合格発表即日入学金入金締め切り」という異例のシステムでもわかります。

開成との併願も多い聖光ですが、神奈川県在住の子は「開成、聖光ダブル合格なら聖光」という選択の子が最近は圧倒的に多いです。2日の1回目入試が不合格で、開成合格の子でも4日の2回目に再チャレンジの受験生が大半で、合格すれば「開成辞退」も珍しくありません。

千葉の共学、渋谷教育学園幕張は23年度第1回入試で女子の合格者189人(実質倍率3.3倍)に対し、男子は515人合格(同2.5倍)でした。前年度比で女子は合格者1人減と横ばいでしたが、男子は一気に54人増となりました。

女子では偏差値の上で女子御三家を上回り、慶応馬塾中等部とのトップ争いをしている渋幕ですが、男子もかつての「御三家のすべり止め」から開成、麻布に合格しても「渋幕入学」という選択肢も相当数に上ります。東大だけでなく、海外大学進学にも力を入れている渋幕に興味を持つ受験生、親御さんも多くなっており、そこが開成でなく渋幕、という選択にもつながっています。

男子合格者を増やした背景には、昨年約10年ぶりくらいに繰り上げ合格を出したという渋幕にとっては「あってはならないこと」が起きて、それを回避するために、という側面もあります。いずれにしても開成とのタプル合格なら「共学」という開成にはない点にもひかれて、渋幕に決める子も増えています。

嬉しいのか、今さらなのか

開成が大量の繰り上げ合格を出したことで、「玉突き」合格が出ている本郷は5日に3回目入試まで行い、厳選して合格者を決めます。中学受験の超人気校・早稲田も2度の入試を経ての合格者決定です。不合格で一度は諦めなければならなかった「憧れの中学」からの「復活」は、子どもにとって天にも昇る嬉しさに違いありません

ただ、親御さんの気持ちは複雑かもしれません。先に入学金を支払っていると思われますので、開成の繰り上げ合格は「今さらそんなこと言われても…」となるのか、「早く入金しないと」になるのか、各家庭で感覚は違います。

緊急家族会議の結果、祖父母や親せきに借金をして繰り上げ合格した中学へ進む場合もあります。子どもの方も「一度ここに行くと決めたから、もういい」と方向転換しない子もいます。人と同じで受験による進学も「合縁奇縁」なのかもしれません


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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