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早稲田実業 キビしい中学入試、ユルい早大進学


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95%以上が早大進学
早大進学は1200点満点で評価
定員+10人程度の厳しい合格者数
・勉強は進学校並み、校則厳しめ

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95%以上が早大進学

早稲田実業学校(東京都国分寺市)は21世紀に入って大きく様変わりした、早稲田大学の系属校です。

 かつては早大と目と鼻の先、新宿区早稲田鶴巻町にあった男子校でしたが、創立100周年を機に国分寺へ移転。男女共学になり、初等部も立ち上げ、実業学校の象徴でもあった商業科を廃止し、普通科一本の早大進学にほぼ特化した学校になりました。

 23年度の早大進学者数は卒業生394人中375人で95.2%。附属校で原則100%早大へ進学できる早大高等学院と比べても何の遜色もありません。

学部の内訳は、政治経済学部65人、法学部33人、文化構想学部25人、文学部20人、教育学部42人、商学部55人、基礎理工学部29人、創造理工学部16人、先進理工学部23人、社会科学部50人、人間科学部4人、スポーツ科学部2人、国際教養学部11人となっています。

早大へ進まなかった人のうち、2人が東大に、1人が京大に合格3人が指定校推薦のある日本医大へ進学しました。

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ほかに慶應3人、東京医科歯科、順天堂、東京慈恵会医科大などに一般受験で合格。海外へも2人が合格しました。6人の進路が「その他」で明かされていません。 

早大進学は1200点満点で評価

早実から早大への推薦は高校3年間の学業成績で決まります。

人物、素行なども評価の対象にはなりますが「よほどでない限り問題にならない」(早実OB)。部活動の成績も加味されるといいますが、やはり決め手は成績です。 

成績は1200点満点で評価します。高校3年間の成績が各学年200点満点で掛ける3の計600点満点。高校3年5月と10月に行われる学力試験(通称「学テ」、各300点満点、文系、理系に分かれ3科目ずつ)の600点です。

3年間の成績は年4回の定期試験の結果、学年末に出る10段階評価に評点に20を掛けたもの、例えば評点が8.5だとすれば170点となります。 

学部志望は第5志望まで出せます。総合得点の良い順に希望がかなう単純明快なシステムです。

基準点は公表されていませんが、文系学部トップの政治経済学部なら1000点前後はほしいところ。理系学部も900点はないと安心はできません。人気の商学部や社会科学部では700点前後が目安です。 

ただ、進学に条件が付く学部もあります。政経や、基本的に英語で授業をする国際教養学部志望の場合は、学校での成績のほかに TOEFL ITPで480点のスコアを取る必要があります。英検で比較すると2級と準1級の間ぐらいのレベルです。

また、大学共通テストも受験することが義務付けられています。推薦が決まった後なので、影響はありませんが、結果は進学する学部に報告されます。 

成績が下位でも、かなりひどくなければ早大進学はできます。中学入試、高校入試を突破してしまえば、早大への道は「緩やか」なものです。

定員+10人程度の厳しい合格者数

早大への道が保証されるだけに、2月1日の早実入試は毎年厳しい戦いになります。

23年度入試は男女とも3年連続して志願者減となりましたが、難易度は変わらず、むしろ「熱望組」の受験者が多く、1回しかチャンスがない2月1日午前の入試は、偏差値(四谷大塚Aライン=合格80%、男子63、女子68)以上でのかなりハイレベルな戦いになっているといえます。

 22年度入試から男子の募集定員が15人減の70人と大幅に削減。その影響もあって男子の志願者数は同年前年比7%減(24人減)となりましたが、実質倍率も3.2倍から3.6倍と上昇。23年度は受験者数が300人を割り、合格者数も4人減って82人。実質倍率は前年と同じ3.6倍でした。

早実側は削減について「初中高大連携教育の推進、探求型の学びへの転換及びこれまで以上のきめ細かい教育の実現等を目指す」ためとしています。

実際は早大側からの要請があったとみられ、推薦する生徒のレベル向上を要求された様子が感じられます。 早実に入れば、誰でも早稲田に行けてしまう構造を、入試の段階で少し「整理」したというのが実情です。 

一方で女子の定員には手を付けていません

入試でも定員のプラス10人程度しか合格を出さない「歩留まり」の良さは中高一貫校の中でも屈指。女子生徒は相対的に男子生徒より優秀という評判もあり、早大進学レベルが担保されていると判断したのでしょう。 

22,23年度とも倍率は3.9倍で、合格者数はそれぞれ49人と48人。男女とも受験者数に関係なく、合格者の数は定員のプラス10人程度で今後も変わらないでしょう。

なお、早実は初等部(小学校)から中等部に進む子がおり、入試入学組と半々の割合で在籍しています。

早稲田実業

勉強は進学校並み、校則厳しめ

「大学が保証されていて勉強しない」というイメージの附属・系属校生ですが、早実は、宿題が割と多く、勉強をさせる学校です。

英語も教科書は進学校定番の「NEW TREASURE」を使用、加えてNHKラジオの「基礎英語」をきちんとやることが必須。数学も教科書はこれも進学校と同じく「体系数学」を使い、チャート式と併用しています。

校則は厳しい学校です。髪型や服装などのチェックが入り、校内や最寄り駅でのスマホの使用が発覚すると、2週間没収の上反省文の提出など、同じ系属校の早稲田中学高校や直系の早大高等学院とは真逆です。 

「学部にこだわりがなければ、早稲田には行ける」という学校ですが、推薦が決まるのは12月のクリスマスのころ。良くも悪くも推薦入学のことを念頭に置きながら、というのが大半の早実生の姿です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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