中学校別対策

7校出願は当たり前!?年々増える出願校のワケ


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受験校「エントリー」1人7校
埼玉、千葉受験増の背景
午後受験増加のウラに「優遇」も
中学受験の「延長戦」を戦う子

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受験校「エントリー」1人7校

中学受験では1人平均して何校ぐらい出願するのでしょうか。

首都圏模試センターの調べによると、2023年度入試は男女とも平均6.92校出願したという数字が出ています。1人ほぼ7校と考えて良いでしょう。

同じ学校に午前と午後の2回分出願したとか、1日の第1回と2日の第2回申し込んだなどの場合は、1校としてカウントしています。別々の違う学校へ7校志願した、というのはほんのひと握り。多くの受験生が、1校を複数受験しているようです。

これは「出願」ベースなので、2月1日の第1志望校合格して3日や4日に出願していたものの「任務完了」となり受験しなかったケースがあり得ます。

実際に受験したのは5校程度というのが「相場です。

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埼玉、千葉受験増の背景

出願校は年々増加の一途をたどっています。要因は主に3つ考えられます。

東京、神奈川の受験生を中心に解禁前の1月に千葉や埼玉、地方などの首都圏会場入試を受ける「前受け」「お試し」受験が当たり前になり、多くの家庭で2校前後出願しています。

コロナ禍で「前受け」入試の出願がやや少なくなりましたが、23年度入試はそれも復活傾向となりました。特に偏差値帯でいう50台前半から40台後半の「中堅校」、40台前半あるいは30台の「一般校」の受験者数が増加しました。

小6の夏休みくらいから急きょ中学受験参戦組が一定数いたことの象徴が、中堅・一般校志願者増の背景の1つにあります。中学進学が近くなり、地元公立と考えていたのが一転、学習環境や施設の充実度などに魅かれて、中学受験に舵を切るケースは年々後を絶ちません

「前受け」というより、埼玉、千葉両県内の中学受験者数が増えたことや各中学が都心や神奈川方面から受験しやすい大宮に臨時の試験会場を設けたのも増加の一因です。

近年の鉄道路線の相互乗り入れで、かつては物理的に無理、と思われていたものが可能になり、それが「受験校選択の幅」につながっています

午後受験増加のウラに「優遇」も

2月1日以降は、午後受験がトレンドになっており、これが出願数を押し上げています

午後受験の割合はすでに受験生の6割前後までに達しており、午前との「ダブルヘッダー」は中学受験の定番です。

2日以降の午後受験を受けるか受けないかは、1日の結果次第で変わってきますが、先回りして出願だけは済ませておく親御さんが最近は目立ちます。特にインターネット出願になって、手軽にできるようになったのも大きいです。

というのも、学校側があの手この手で「複数回受験」の「優遇措置」で親御さんの気持ちを動かすからにほかならないからです。

一番効くのが「受験生の加点や優先的に合格を出す」という措置です。複数回受験を「入学熱望」と学校側は判断、合格点に数点足りなかった場合でも「合格」を出すことがあります。

合否線上の「ボーダーライン」の争いは、こちらが思っている以上に激しく、1点、2点の加点でも天と地との差になります。

もう一つは金銭面。一度に複数回受験をエントリーすると、受験料割引をする学校が増えています。1回2~3万円が半額やプラス1万円で済むなどが代表的。最近では1回分の受験料を支払うと、その後の入試機会は何度受けても無料という中学も増加傾向です。

複数回出願で子どもが合格へ近づくなら、しかも経済的負担が軽減されるとなれば、「保険を掛ける」意味での出願は自然と多くなります。

実際「優遇措置」で得点が加点され、合格している子はかなりいます。学校側は「そこまで熱望してくれるなら」となります。

点数だけで切られるように思われる中学受験ですが、「温情」も垣間見える瞬間が所々にあります。

中学受験の「延長戦」を戦う子

2月4日以降も人気校や大学附属校、中堅、一般校が第2、3回の入学試験を用意しています。

納得する志望校にまだ合格していない、実は今のところ「全落ち」、あるいは進学先は確保したので、偏差値的に見てもう1ランク上の学校や憧れだった学校にトライする、特待生狙いで一度合格した学校に再度トライする子…。

背景はそれぞれですが中学受験の「延長戦」を戦う子も相当数います。

4日以降の受験で絶対に避けたいのが「全落ち」状態での受験です。

中学受験は厳しい戦いですが、きちんと練った受験スケジュールを組めば「全落ち」することはまずありません

しかし、毎年「悲劇」が繰り返される背景には、親御さんの見通しの甘さだけでなく、「12歳の受験」ということに対しての想像力の欠如があります。

小学生は1度のつまづきで、短期間では立ち直れないことも珍しくありません。また、大人が思っていた以上に実力がついていなかったというケースもあります。

受験プランは志望校合格へ向かって、戦略的に考える必要があります。つまり志望校合格までに「布石」を置くこと=前受け校、進学先確保につながる学校、合格を取って「自信」を付けたまま志望校にトライするなど、志願した学校にはそれぞれ「役割」があります。

そこを考えず、偏差値や知名度、イメージだけで受験プランを組むとたった一度しかない中学入試が取り返しのつかないことになる可能性が高くなります

夏くらいから、何通りものプランを考え、時間をかけて絞っていくことが肝要です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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