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人気継続!?2年目芝国際「狙い通り」と「誤算」


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汚点を残した芝国際の1年目入試
・チャレンジ層激減の2年目

塾は芝国際「推し」ではない?
進学校は作れるが、伝統校は…

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汚点を残した芝国際の1年目入試

23年度入試で「すったもんだ」の騒ぎで話題となったのが芝国際中学(東京都港区芝)でした。

インターナショナルスクールも入る新築ビルがキャンパス、最新の英語教育とSTEAM教育が用意され、目指すは国内難関大に海外有名大、美しい絨毯を敷き詰めた清潔感のある教室、廊下はロボットがお掃除をし、クラスメイトの中には帰国子女も多く…。

こんな魅力たっぷりのリニューアル校は、募集の120人に対しのべ4681人の出願者を集める「大盛況」(22年度、前身にあたる東京女子学園中受験者数の64倍!!東京都内で最大数)でしたが、入試では残念なことに「汚点」を残しました

詳しいことは、当ブログのリンク記事を参照いただきたいのですが、大混乱の「震源」となった入試、コースとも24年度は「シンプル」に再編する予定です。

今度はどのような入試になるのか、今年も最も注目される入試になることは間違いありません。
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チャレンジ層激減の2年目

ただ、24年度入試では昨年ほどの「異常な人気」にはならないとみられます。理由は2つ考えられます。

1つは「チャレンジ層の激減」です。合格の目安となる偏差値が固まっていなかった23年度は学校側はが「多めの合格者を出す」と公言していたことから、「もしかして」の層が多数受験。志願者の実力はいわゆる「ピンキリ」でした。

「合格者多め」発言が炎上の火種になったのですが、一方で2年目以降の「受験者層の絞り込み」に成功したとも言えます。

狙ったかどうかは想像にお任せですが、合格者数を絞りに絞ったことで芝国際が求めている学力と「距離のある」子は、ほとんど受験しない、できない偏差値帯にランクされることになりました。

24年入試について学校側は、入試問題のレベルを上げることを説明会などで口にしています。

説明会で示された「具体例」では四谷大塚の月例テストレベル6割、合不合格判定テストレベル4割の問題を出題するとしています。

参考までに、24年度入試での芝国際の合格80%偏差値は、サピックスで44~46、四谷大塚、日能研で54~58(日程、クラスによって違いあり)。

偏差値から見ると、2年目で上位中堅校から上位校の位置にいるのは「異常」です。が、学校側として短期間でこのレベルに位置する「狙い通り」の形になりました。

塾は芝国際「推し」ではない?

逆にもう1つはの理由は、芝国際の今後の「アキレス腱」(一番の弱み)になるかもしれない、簡単にぬぐえない「不信感」です。

偏差値は「いい位置」につけていても、その副作用は学校側にとって「誤算」だったと言わざるを得ません

中学受験を少しでも「勉強」している親御さんなら、まばゆいばかりの「教育プログラム」よりも学校の「姿勢」というものを大事に吟味する傾向にあります。

その意味で、1年目入試での「失態」のダメージは大きく、偏差値帯で受験校候補のゾーンに入っていても「敬遠」する家庭はかなりいるとみられます。

芝国際の掲げる教育プログラムはどれも魅力的ですが、グローバル教育にしても探求学習にしても、海外大学進学にしても、今はどの中高一貫校もほぼ「標準装備」です。

「どうしても芝国際でなければ」というものは冷静に考えると、そう多くありません。同じ偏差値帯の学校という「選択肢」ももあります。

進学塾が総じて「芝国際推し」ではないという現状もあります。一部、学校側と懇意にしている塾もありますが、「親御さんと子どもがどうしてもといわない限りは…」というスタンスの塾が多いことは確かです。

進学校は作れるが、伝統校は…

「難関校、進学校は作れるが、伝統校は作れない」――。中学受験の世界でよく言われることばです。

中高一貫の6年間は、有名大学へ進学するための予備校ではありません。勉強も大切ですが、各校それぞれの「風」を感じて、その中で自分はどう進んでいくのかを、学校生活、イベント、先輩などを通して熟成していく場です。

芝国際は高校の早い段階から大学受験を意識し、放課後に有料の補習を展開したり、テスト終了後には解説動画を配信、総合選抜型入試(推薦入試)用の小論文授業に、入試までに3桁にのぼる日数を入試問題演習にあてるなど、徹底した受験指導をするとしています。親御さんとしては受験指導は「万全」と安心することでしょう。

一方で、女子校として120年以上続いた東京女子学園から継承しているものは、校舎の場所くらい。ホームページは「両校」とも存在し、一見したところ「かかわり」があることは全く分かりません。

学校を「リニューアル」するとは、そういうことなのかもしれません。しかし、中高一貫校の雰囲気の中にある長年受け継がれてきた、学校独自の「匂い」や「風」が感じられないというのは、個人的には残念です。

家庭によって教育方針はそれぞれですが、受験を考えている場合は必ず学校へ足を運び、説明会に出席し、校長先生をはじめ、多くの先生とお話しすることが必須です。

そこで先生方と言葉を交わし、生徒から受ける印象、感じた「匂い」や「風」、我が子がそこに入ったらと想像した場合、イメージがわくかどうか…。進学実績より、教育プログラムより、知名度、偏差値より「感じるもの」がマッチするかどうかが、中学受験の学校選びの「肝」です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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