中学校別対策

どうする?志望校「対策講座」なしの残り5カ月


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みんな志望校が違う難関コース
行動しないと何もしてくれない
「別ルート」での成功確率は…
・「近道」は自力でできるを増やす

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みんな志望校が違う難関コース

男女御三家や早慶附属、超難関校の学校名が付いた特訓授業「冠講座」が大手進学塾を中心に9月から本格的に始まります。主に日曜日を使って行う、いわゆる「日曜特訓」と呼ばれるものです。

過去問を題材に、徹底した「傾向分析」と類題や予想問題を使っての「対策」で、合格圏内の子は「確実に」、ボーダーラインの子は「ひと押し」して合格へと導きます。

一方、難関校に次ぐ「上位校」(明確な基準はありませんが四谷大塚の偏差値で55以上60代前半)やGMARCH系の大学附属校が第1志望になる子は「日曜特訓」でフィットする講座を見つけるのが難しいです。

日能研などでかなり細分化した学校別対策講座はありますが、内容は過去問演習と解答解説程度。「ガチで」という雰囲気ではなく、他塾だと上位校、 GMARCH系の大学附属校志望の子は、たいてい「難関校コース」などの名称の講座に集められます。

難関コースでは、自分の志望校とは傾向の違う問題に取り組むケースもよくあることで、必ずしも「効果的」とは言えないのが正直なところです。

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「難関コース」も成績順にクラス編成がされます。トップ1、2組のクラスなら、志望校は違えどそれなりの高レベルな学校への合格が「近い」子が集まっているので、緊張感は維持できます。

しかし、真ん中やそれより下になると「本当に中学受験するの?」というユルい雰囲気が漂い、それぞれの子どもが抱えている「課題」も十人十色で、最大公約数的な「日特」のテキスト、授業では、少々心細いです。

行動しないと何もしてくれない

日特の「難関校コース」を少しでも効果的に使うには、担当の先生との密な連携がカギになります。

授業で扱った問題のうち、どれを重点的に復習するのかを毎回先生に確認します。授業中にその回のテキストの内容をすべて終わることはないので、残った問題の中で、家でどれに取り組めばいいかも尋ねます。

子どもが聞きづらいのならば、親御さんが事前に電話を入れておくなり、手紙やメモを添えるなりして先生側に積極的にアプローチします。授業が終わった後、子どもが先生のもとへ聞きに行けばよい状態にしておきます。

課題を提示してもらうだけでなく、記述問題の添削、質問で理解不十分な箇所の解説もお願いします。

先生も入試直前で何かと多忙です。忙しいからこそ、こちらからアクションを起こさない限り、何もしてくれません

多忙な中、時間を割いてもらうからには、指定された「課題」は最優先で取り組み、先生に対して「誠意」をみせます。楽して合格はできません。「やることはやる」の姿勢を忘れなければ、納得のいく結果が出る可能性は格段に高くなります。

「別ルート」での成功確率は…

思い切って「日特」に参加せず、「別ルート」で志望校対策に徹するという手もあるにはあります。個別指導塾、家庭教師、あるいは「親塾」という手段です。

個別指導塾は料金的にも時間的にも「一番選択しやすい」のですが、中学受験をきちんと指導できる個別塾の先生は「希少」です。

個別のボリュームゾーンは高校受験、公立中学校の補習で、中学受験にシフトチェンジするのは難しいです。

それだけ中学受験は「特殊」で、小学生に要求しているレベルとしてはかなり高いのです。

サピックス系の「プリバート」、日能研系の「ユリウス」など、大手塾に属している個別指導の方が、テキストに沿っての指導が前提なのでまだ「有効」です。

しかし、この時期になると「デキる」先生は既に手一杯。一番大切な6年終盤の「詰め」を任せられる先生に巡り合う確率は「奇跡に近い」という感じです。

家庭教師も同様、売れっ子や実力のある先生とご縁があるケースは「奇跡的」です。

秋を迎える前に「手を打っている」親御さんは結構いるもので、何か伝手でもない限り、最後の追い込みを任せるのは、かなりの「ギャンブル」になります。

指導できるのなら「親塾」が一番有効です。

ただ、親御さんがわが子相手に「冷静に、短気を起こさず」接することができるかどうか子ども自身が「合格のために」と割り切って、指導を素直に聞き入れるかどうか、というかなり難易度の高い「山」があります。

「別ルート」の選択は、場当たり的だと失敗します。5年生の生徒の親御さんは、1年後を想定して春先から対策を練ることをお勧めします。

「近道」は自力でできるを増やす

志望校対策ばかりに関心が偏り、肝心の「基礎」がグラグラ、という子も実は目立ちます。6年生の秋でこの状態だと「日特」に普通に参加していても意味はありません。

入試実践問題を演習したところで、できない、分からないところが多すぎて「栄養」にならないからです。朝から晩まで弁当持参で座っているだけの状態では、時間とお金の無駄です。

かといって不参加で、自分で勉強するとなっても、おそらく無理です。

参加するなら、できる問題を確実に、もう少しでできそうな問題を自力で解答できるようにするなど、独自の「スモールステップ」を設定し、これを1つずつクリアすることを目標にします

物足りなく感じますが、「できない」「分からない」の洪水で溺れるより、「自力でできる」のコレクションを増やす方が、合格への「近道」です。

毎日コツコツ、地味ですがこれが意外と積み重なっていきます。基礎が積み重なると、「基礎と基礎の組み合わせ」である「応用」にも手が出るようになります。

「一歩ずつ着実に」。受験成功の鉄則です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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