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中学受験「中堅校」の素顔を知る


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・基準が曖昧な「中堅校」の定義

中堅校の「ばっちりメイク」
「面倒見のいい学校」の素顔
・「大学合格実績」の素顔

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基準が曖昧な「中堅校」の定義

 中学受験を偏差値で「区分け」すると、大ざっぱに「難関校」「上位校」「中堅校」「一般校」に分けられます。

区分の仕方は人それぞれ。塾や模試、中学受験の専門家によっても違い、明確な基準がありません

このような状況下で、親御さんが最近見聞きするのが「中堅校を中心に受験生が増加している」という文言ではないでしょうか。

「中堅校」の基準が極めて曖昧ですが、ここでは日能研、四谷大塚の偏差値で54~45前後、首都模試で59~53前後あたりを「中堅校」と位置付けて話を進めていきます。

中堅校の「ばっちりメイク」

中学受験を採り上げた雑誌記事や教育対談で人気を集める特集があります。「偏差値の割に大学合格実績がいいお得な中学」「入学後に偏差値を伸ばしてくれる面倒見のいい中学」などのタイトルが付いた記事です。

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独自カリキュラムと進学実績を校長先生や教頭先生らの「熱い言葉」を添えて、難関上位校に引けを取らない「中堅校」の良さを強調しています。

グローバル(英語)教育、海外研修制度、整ったICT環境に将来を見据えたキャリア教育、考え抜かれた学習カリキュラムと大学合格へ向けた補習・講習制度で「塾いらず」、新築校舎に充実した最新施設……。

どのページをめくっても、どんな説明会に出席しても内容は「ボリューム満点」、超が付くほど「魅力的」です。

特に大学受験をメインとした進路指導、カリキュラムに沿えば「難関国公立や早慶現役合格も夢ではない」と感じさせ、親御さんに「この学校いいかも」という思いを強く抱かせます。

注意してほしいのは、どの中学も学校説明会やホームページ、学校案内の冊子は入念にメイクした「よそ行きの顔」だということす。

特に「中堅校」と呼ばれる学校の生徒募集努力は半端ではなく、「ばっちりメイク」で親御さんや生徒にプレゼンを仕掛けます。 その「ばっちりメイク」の典型が、次の2つの「ウリ」からうかがえます。

「面倒見のいい学校」の素顔

中堅校 「ばっちりメイク」 の「ウリ」の1つが「面倒見のいい学校」というキャッチフレーズです。

「面倒見のいい学校」のイメージはどのようなものでしょうか。学校側は具体例として「大学進学を見据えた先取り学習」「毎日の宿題と課題」「頻繁に行われる補習授業」「連日の小テスト」などを挙げます。

親御さんは、その多彩なメニューに「手厚さ」を感じるかもしれません。確かに手厚いです。ただ、これには「但し書き」があります。

あまりのボリュームとスピードに、量と早さを調整しないと、中堅校に進んだ学力レベルの生徒の場合、多くが「ついていくのが大変」「置いて行かれる」状態に陥ります。

スピードと量を重視する先取り学習は、学力の源になる「基礎力」の徹底を図るのが難しい傾向にあります。きちっと理解しないうちに、次の単元、次の単元へと進み、1つ1つが「雑」になっていき、積み重なると「分からい」になります。

塾でもそうですが、学校は「のみ込みの遅い子」にペースを合わせず「デキる子」に合わせて授業が進みます。定期テストの結果が悪ければ、放課後に補習が組まれますが、自力でできるようになるまでとことん付き合うというより「お約束ですから一応やりました」という義務的な感じが一部で見られるのも事実です。

大量の宿題は、部活動、特に運動部の子には酷です。夕食と風呂以外は勉強の時間にあてないと終わらない、というタイトなスケジュールに「寝不足」状態になります。

英単語などの小テストの勉強は、朝の満員電車の中でとなり、ほぼ「やっつけ」のままテストを受けるので、復習時間も取れずに定着しません。

学校への行き帰り、部活動、睡眠時間など、入学後の生活を考えた場合に、果たして子どもが「消化」しきれるかどうかを、なるべく具体的に想像してみてください。どんなご馳走も「消化不良」では意味がありません。

「大学合格実績」の素顔

2つ目のウリは「大学合格実績」です。

中堅校の多くは、1人で複数の大学、学部に受かっている「合格者の延べ人数」は公表しますが、実際はどの大学に進学したかの「実進学者数」はあまり明かしません。答えは単純「見栄えが良くない」からです。

「早慶15名合格」「MARCHは計100名」など、素晴らしい実績を残しているように見えますが、実際には「注釈」が付きます。

「早慶は3人の生徒が合格した学部の総数で、2人は国公立大に進学し、慶應に1人が進学した」とか「MARCHは共通テスト利用合格で複数の学部に合格、実際に合格したのは20人程度で進学したのは10人くらい」などの「注釈」です。

公表していなければ、学校説明会などの際にぜひ「実進学者数」を尋ねてみてください。教えてくれる学校はまだ信頼できますが、「非公表」とか「まとめていない」で片付けられる学校は「注意」かもしれません

実進学者を教えてくれないような学校は、「いじめ」に関することなど、ほかにも「言えないこと」が数多くある傾向にあります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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