中学校別対策

「お試し」と侮るな!流れを決める埼玉・千葉受験


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・前受けの「対策なし」はリスク大
・栄東で「まさか」が相次ぐ
・「お試し」ではない埼玉と千葉
・「不合格」効果は「今は昔」

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前受けの「対策なし」はリスク大

「いくら時間があっても足りない」状態の受験生と親御さんにとって、特に「後回し」にされがちなのが、「前受け校」の対策です。

2月が「本命」の東京、神奈川の受験生を中心に、1月に行われる埼玉・千葉入試、あるいは関東圏以外の私立中高一貫校による「首都圏会場」入試は一般に「お試し受験」ともいわれます。

その言葉が示すように2月の「本戦」を前にした「場慣れ」「練習試合」「模試代わり」の様相を呈しており、その性質上過去問に触れる機会は先送りされがちです。

中には過去問に一度もトライすることなく受験したり、親御さんが実際に学校へ足を運ぶことなく、偏差値表の中から我が子の偏差値に照らし合わせて受験校を「みつくろって」決めた、というケースも毎年みられます。

「お試しなんだから、どうせ合格しても入学しないのだから、そんなに真剣にならなくても…」という声は毎年聞かれます。確かに第1志望好りも難易度的に余裕はあるかもしれません。忙しい中、時間を割く余裕はないかもしれません。

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しかし、「前受け」は1月入試は2月入試へとつながる大事な「スタート」です。万が一、失敗したりすると流れが悪くなり、「流路」を元に戻すのに時間がかかるか、最悪「戻らない」こともあります

親御さんのような大人が受ける試験ではなく、12歳の子どもが受ける試験ということが「方位修正」を難しくしています。

過去問に触れる時間を1、2回分で良いので、「前受け」校対策こそ、親御さんが気を使って時間を確保するべきものです。同時に偏差値だけでなく、受ける学校の研究も進めます。

中学受験は時に思い切ってやることを間引く「大胆さ」も必要なのですが、1月以降の入試本番については「石橋を叩いて渡る」くらいの運び方で丁度良いのです。

栄東で「まさか」が相次ぐ

埼玉・千葉の中高一貫校を「前受け」のつもりで受験すると、毎年少なからず「まさか」が起きます

首都圏入試で延べ1万人以上が受験する栄東(さいたま市見沼区)は、難関・上位校志望の生徒が受験する「A日程」、開成、桜蔭志望など最難関校受験組がトライする「東大特待」など複数の入試があります。

A日程の倍率は毎年1.5倍前後で、そう厳しくはないように見えますが、23年度A日程1回目入試では5093人受験して、1597人も不合格になっています。

極端な言い方をすれば、割合にして3割強の「まさか」が起こったことになります。

「偏差値的には余裕があったのに、問題が難しかった」「対策をせずに傾向が分からないまま受けたのは失敗」というまさかに対する「敗戦の弁」を親御さんは口にします。多くは過去問にあたりもせず、そのまま入試に進んで「撃沈」だったです。

A日程入試は高得点をマークすると「東大クラス」へのクラスアップ合格ができます。入学すれば普通クラスの1つ上のクラスに入れる特典です。

授業料などが免除となる東大特待では「前受け」の難度としては高いと感じる難関校志望者は、模試のA判定代わりにと、この「クラスアップ合格」を1つの目標にしますが、実はなかなか届かないというのが実際のところです。

想定外、まさかの「クラスアップならず」に、合格したにもかかわらず受験生は少なからずショックを受けます

不安を抱えたままの2月入試にならないためにも、クラスアップ合格できるよう過去問にあたっておくことは、受験全体の流れを考えるうえで大切なポイントになります

「お試し」ではない埼玉と千葉

中学受験の世界では、1月の埼玉・千葉入試を「お試し」と呼ぶのが普通のことのようになっていますが、東京・神奈川の受験生からの「上から目線」の感じがする言葉です。

「お試し」ではなく、両県の学校を第1志望にする「真剣勝負」の受験生も数多くいるわけで、その子たちの「合格したい」という情熱は周囲を圧倒する力があります

熱望組の集中力と執念に、気持ちの入っていない、緊張感のない「前受け」組は「完敗」します。1点でも多くと、問題にトライする子と、緊張感なく漫然と問題を解いている子では、偏差値や模試の合格判定は関係ありません

入試は何が起こるかわからない、と言いますが、やることをやった上でなおかつ合格熱望の入試は、入試問題の方から必ず「味方」をしてくれます。

逆に気持ちの入っていない子からは「運」が逃げ、どうしても合格したい学校の入試の時も味方してくれません。「運」は一度手放すと、なかなか戻ってこないのです。

「運」を手放さないよう、埼玉・千葉が「前受け」になる子こそ気持ちを入れて受験します

「不合格」効果は「今は昔」 !?

よく「前受けで不合格となり、気合が入った」という体験記を目にします。確かにそういう受験生もたくさんいます。立ち直りが早いのも12歳の子ならではです。

一方で初めてといっていいほど、他者に「ダメ出し」を食らった子は入試に対して「怖さ」「恐ろしさ」が先行して、前向きになれないケースも少なくありません。

前受け不合格の後、どうなるかはそれぞれの性格によって大きく違います。普段元気で、気の強そうな子でも不合格で前に出られなくなる子、おとなしそうに見えて芯が強く、また立ち向かえる子、それぞれです。

ならば確実に合格を勝ち取って、「いい流れ」のまま2月に突入するのが一番です。「前受け」こそ「必勝態勢」で臨みます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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