親御さんの役割

中学受験 個人面談でビックリ!!の親御さん


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・先生が良い学校みつくろって…
人に言えないような学校じゃ困る
とにかく慶應じゃないと…
無理ですぅ(泣)

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先生が良い学校みつくろって…

受験校を最終的に決定する時期に差し掛かってきました。基本的には各家庭で「受験プラン」を組み、塾での個人面談や家庭教師の先生に相談、という形になります。

ただ、全ての家庭が具体的なプランを持っているわけではありません。中には面談でこちらがビックリするような「提案」「発言」をぶつけてくる親御さんもいます。

「先生が良い学校をみつくろってくれると思っていたんですが…」「ウチの子が入れる学校ありますか?」

中学受験の受験校決定はおでんのネタを選ぶのとは違い「みつくろって」決めるものではありません。「入れる学校」ではなく「入りたい学校があるから勉強を頑張るのでは」と聞き返したくなりますが、こういう親御さんが一定数いるのも事実です。

このタイプの親御さんが共通していう言葉が「私はよくわからないので」です。

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中学受験の塾へ行かせたのも周りの子が行くからとか、共働きなどで夜遅くまで家を空けるので「学童代わり」に通塾させている、など、子どもの意志や親御さんの思いがあっての中学受験ではないのが特徴です。

当然のことながら、成績が良い子は皆無と言っていいでしょう。塾に行くだけ、教室で決められた時間座っているだけ。復習もせず、テストの点が悪くても気にはしても自分から何とかしようと動くこともなく…、気が付けば入試直前です。

そんな子どもの姿を知ってか知らずか、親御さんの方もこれまで塾に相談をするでもなければ、何か手を打つわけでもなく、塾に通ってさえいれば成績が自然に上がり、ウチの子も「いい中学校」に行けると考えています

「だから高いお金払っているんでしょ。何とかしてください」。我が子の現状を知って、思い描いていたことと違うと、そういって不機嫌になる親御さんは結構います。

教材を研究し、子どもに伴走したり、学校説明会に足しげく通い受験校を吟味する中学受験をよく「勉強」している親御さんもいる一方で、我が子のことながら「他人事」の人もいます。その「温度差」は本当に毎回驚かされます。

人に言えないような学校じゃ困る

「人に言えないような学校じゃ困る。みんなが知ってるっていう偏差値の高い学校じゃないと」

極端な言い方ですが、同じようなニュアンス、考え方で受験プランを組む親御さんがいます。子どもの成績度外視、ウチはこの線で行くので合格まで先生、よろしくお願いします!といったノリです。

6年間どういう学園生活を送れるのか、この子との相性はどうかより、とにかく名門校、とにかく偏差値の高い有名校、最近話題の将来性のある学校、というのが受験校選択の基準になります。

いくらお願いされても、成績から見て難しく、また逆転合格を探るための材料が乏しい子を「有名校に押し込む」ことはできません。押し込むためには本人も含めた家庭の努力の積み重ねがないと…です。「あとひと押し」くらいなら逆転合格は可能ですが、多くが「近道」や「テクニック」を求めて地道に積み重ねようとしないのも特徴です。

このタイプの親御さんに生徒の性格や教育カリキュラムを分析して「こういう学校はどうでしょう」と提案しても「偏差値55以下はあり得ない」とか「聞いたことない学校ですねぇ…」と拒否反応が強いことが多いです。

中学受験のママ友の一部では「見栄の張り合い」という、奇妙な文化が昔から存在します。

受験熱が高い地域では小学校のママ友がそのまま中受のママ友ともなり、中学受験の話題から逃れられません。「志望校どこ?」と露骨に聞いてくるママ友もいて、口に出す校名で「親子が値踏みされているみたい」と感じる母親も少なくありません。「誰でも知っている学校」を目指していないと、疎外されている気持になると心境を吐露する親御さんもいます。

そういう影響もあるようで、表面では「校風」や「教育内容」と言いつつ、学校の知名度、偏差値に「こだわり」のある親御さんはかなりいます。

とにかく慶應じゃないと…

「うちは代々慶應出身なんです。とにんく慶應じゃないといけないんです」。慶應に限らず、とにかく「御三家でないと」「大学附属でないと」など、「ここしかない」系の親御さんも少なからずいます

子どもの現状の学力、成績を度外視して「この中学に合格してもらわないと私が困る」とばかり、受験プランの組み方も強気、というか現状を無視した「全滅」も十分あり得る志望校をばかりが並べてくる親御さんもいます。

「ここしかない」系の受験生の多くが、「ここ」に合格するには学力、気力とも足りないことは多々あります。

生徒本人の「ホンネ」はというと「本当はどこでもいい、中学受験なんてしたくはない」です。でも、これをやらないと母親に嫌われる、家族に見捨てられる…。12歳の子の心の中は「恐怖感」でいっぱいです。

 「ここしかない」系の親御さんは追いつめられると、家庭教師、個別、別の塾の志望校対策講座へ金に糸目を付けずに「投入」します。

「これをやれば」と一種の精神安定剤の役目をしますが、その効果といえば「効き目があった」と言えないことの方が多いでしょう。入試直前になって大量のインプットをしたところで、子どもの処理能力が追い付かず「消化不良」になるだけです。

「ここしかない」系の受験はとても「脆い」です。プランの一角が崩れると、親御さんがパニック状態になりねそんな親を見ている子どもはさらにビビッて持っている力さえ十分に発揮できません。受験に対して「能天気」以上に危険なタイプです。

無理ですぅ(泣)

「もう無理ですぅ」と声を絞り出した後、ひたすら泣きじゃくるお母さん、時々います

ここでいう「無理」は、中学受験そのものです。

連日のように通塾し、夜遅くまで勉強、それでもなかなか上がらない子どもの成績、志望校の偏差値と子どもの成績の差は縮まるどころか開く一方…。泣きたくもなります。

中学受験は子どもより親の方が先に(精神的に)参ってしまう」といいますが、先が見通せる分、確かにその通りです。

夫も中学受験には無関心、相談できる人もいなければ、不安を吐き出す機会もない。まさに「孤立無援」状態の母親は本当につらくて、苦しいです。

そんな時は塾の先生の言葉を真に受けて思いのままぶつけてしまえばいいのです。先生もそのあたりは毎年のことで慣れっこです。

どうせ他人事、いい加減に聞いているだけ、と思うかもしれませんが、「聞き上手な」先生は親御さんの不安を和らげてくれます。自分を追い込む前に頼ります。決して恥ずかしいことではありません。こういうことも塾代の一部、面談の一部です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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