中学校別対策

鉄板,特攻,半分入れ替え…中学入試本番のリアル


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・合格者の2割超は「鉄板」
・特攻より転戦 トライするなら…
・「2度目」は半分入れ替わる
・第2回以降が「読めない」理由

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合格者の2割超は「鉄板」

中学受験は高校や大学受験と比べて一番「読めない」受験です。受験結果の多くは「順当」なのですが、「奇跡の合格」「まさかの不合格」も十分ありえます。

どの中学でも、というわけではありませんが、第1志望の子が多く集まる各中学の第1回入試の志願者数が1000人前後になる学校は、合格者の2割超がどんな問題を出されても、多少体調がすぐれなくても合格する「鉄板」組です。

仮に同じ受験生の顔ぶれで、違う問題を使って試験を10回したとしても「合格率10割」という子です。

鉄板組の中には1回目入試でも「前受け」や「押さえ」としての受験生もいて、合格しても進学しない子もかなりいます。

一方で上位校(四谷大塚のAライン偏差値55~59)、中堅校(同45~54)での鉄板組の中には、難関校受験をせずに、学費免除などの対象になる「特待生」狙いの子もいます。

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電車通学をせず、徒歩や自転車通学できる近所の中高一貫校へ進み、入学時から成績上位に位置して、6年後の大学進学を見据えているのが1つのパターンです。通学と帰宅の負担も軽く、部活動、特に運動部でバリバリというケースも見られます。

特攻より転戦 トライするなら…

1000人の受験生がいて200人程度が鉄板だとすれば、同じくらいの人数の子が「特攻」とよばれる、合格の見込みが極めて低い子が受験してきます。

10回入試をやっても全敗、奇跡が1回あるかないかの世界です。第1志望の旗は最後まで降ろさないのが中学受験の「鉄則」ですが、さすがにAライン偏差値と10以上離れていると勝ち目は…です。

「特攻」の子の多くが試験中、時間を持て余していると想像できます。算数などは正直「手も足も出ない」、国語の読解説明文読解は「チンプンカンプン」、理社は単純な一問一答形式以外の選択肢問題は「ヤマ勘」状態でしょう。

模試の判定でもそうですが、過去問でも合格最低点と50点以上離れていることが多いなら1回目入試は他校へ「転戦」した方が賢明かもしれません。

転戦して合格校、入学してもよい学校を確保したうえで2回目以降の入試にトライ、という作戦は「あり」です。

中学受験に必死に取り組んだ子は最後の最後まで、入試本番中でさえ実力は伸びます。さらに「合格」の2文字が不思議なパワーを子どもに与えます。

中学受験は入試日程を組み替えるだけで「結果」が大きく違ってきます

「2度目」は半分入れ替わる

鉄板、特攻とも2割ずつとすれば、あとの6割の受験生はどのような入試になるのでしょうか。この層こそ「合格最低点」クリアを目指して壮絶な戦いを繰り広げます。

鉄板組に引けを取らない実力のある子もいますし、目指す学校のレベルに少し足りない子と学力は多少差がありますが、概ね「実力伯仲」とみていいでしょう。同じメンバーで、違う問題で試験をしたとしたら、毎回半数以上が合格者の顔ぶれが違ってきます

難関校から中堅校まで、1000人規模の入試では合格最低点前後3点以内には50人前後がひしめき合います。中学の先生の話をまとめると、合格したこと残念だった子の差は1つ。「基本、標準問題で確実に得点を重ねるか取りこぼすか」だけだと言います。

毎年、入試の合格点で年ごとの差が小さい「良問」を数多く出題する学校は、基本と標準問題で6割5分~7割の得点が合格ラインになります。それを計算して学校側は問題を作成しています。やや難、難問は2割程度で8割は受験勉強でやってきたことです。

合格鉄板組はほとんど取りこぼしをしません。あとの合格者は基本、標準問題をどれだけ丁寧に解いて得点に変えていったかの勝負です。中学入試は難しい問題ができるから合格するのではなく、みんなができる問題を同じようにできている順から合格の枠の中に入ります

第2回以降が「読めない」理由

午後入試も含め、複数回入試の機会がある学校は第2回以降の合格が「読めない」ことが多々あります。

最近は1回目の入試での合格者がそのまま入学手続きをする「歩留まりの良さ」が各校で目立ち、全体で予定している定員の数に迫るところも増えています。

そのため2回目以降の入試で合格者を絞らざるを得ず、持ち偏差値的にはうかるはずなのに「高い壁」を超えることができなかった受験生が大量発生します。

特に2月3日以降の入試は厳しく、募集20人のところをキッチリ20人までで線引きをしたり、中には募集20人で合格者1人というケースも。本当はその1人だって、すでに定員オーバーの状態で入学を許可するのは苦しいのに…といった状態です。

こういうタイトな入試になると、学力以上に決め手となるのは「気持ちの強さ」です。もちろん精神力だけで中学入試は突破できませんが、「気持ち」が強くないと戦い抜けないことも確かです。

特に入試終盤は多くの子が「厳しい結果」を突き付けられての「敗者復活戦」です。メンタル的に追い込まれている子たち同士のぶつかり合いはもはや「持ち偏差値」など関係のない世界になっています。

1回目入試なら「特攻」レベルの子が2回目の厳しい倍率を突破して合格するケースも「合格」という自信、前向きの気持ちがリラックスにつながり、子どもが持っている能力を後押ししていることが多分にあります。

中学入試は「意図のある」入試日程を組み、早い段階で「合格」をもらうというのが必須です。親御さんの手腕も問われます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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