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中学受験 模試などから見る2月の男子志願動向


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御三家は通常 元気な神奈川男子
芝、本郷が志願者減傾向の理由
「明大世田谷」人気続く
広尾系、国際系人気に変化

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御三家は通常 元気な神奈川男子

2月の東京、神奈川入試解禁まで40日程度になりました。

1月受験を経ていよいよ2月に突入という流れですが、気になる各校の志願者状況はどうなっているのでしょうか。秋以降の4大模試での志望校判定の人数や過去問の売れ行き、各家庭の思惑などから「推測」した現状を私的に披露したいと思います。

志願者状況は時間とともに刻々と変わります。1月の受験結果によっても、受験生本人、親御さんの直前の「心境の変化」によっても大きく変わります。1か月後には別の展開になっていることも大いにあり得ます

本日は2月1日、2日を中心に男子の状況を考察します。

東京の男子御三家は、横ばいかやや減少傾向です。開成は新校舎が完成しましたが、「高校棟」の話。中学棟は変わらずということもあって「効果」はそれほどないようです。麻布にしても武蔵にしても志願者数にかかわらず難易度は変わらず。例年通りの入試になりそうです。

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24年度から通学できる地域が広がる筑波大附属駒場は横ばい。過去問の売れ行きはいいと聞きますが、塾や家庭教師などの「関係者」が購入しているという話もあり、通学地域拡大の話がまだ浸透しておらず、恩恵はこれから、かもしれません。

偏差値的にみて難関校に位置する駒場東邦は23年度10%弱志願者増となりましたが、24年度も継続の雰囲気。同様に昨年1割ほど志願者が増えた海城は難易度高止まりもあって現状は減少傾向にあります。

一方の神奈川御三家(聖光学院、栄光学園、浅野)は、昨年に引き続きいずれも増加傾向。神奈川男子校はどこも元気で「サレズカマ」と呼ばれるサレジオ学院は堅調な伸び、逗子開成は昨年に引き続き志願者数を増やす勢い、23年度は2割ほど志願者減となった鎌倉学園も「隔年現象」があるとはいえ、受験者数が増える可能性が高いです。

芝、本郷が志願者減傾向の理由

男子の上位校や中堅校は「人気」が分かれている傾向が現時点では見られます。

攻玉社は1日、2日の4科入試とも実質倍率が2倍前後とあって「安心感」もあり増加の流れ。22年度にそれぞれ志願者を大きく減らした巣鴨と高輪は一転して2年連続志願者増は濃厚。両校は1日午後に「算数1科入試」も行いますが、こちらも現状では受験をする可能性の高い子が昨年よりいるようです。

一方、12月時点で動きがやや停滞気味なのが芝、本郷、成城の本来は男子の人気校です。いずれも進学先として候補に挙げる家庭が多いのですが、合格するには少々骨が折れます。

この3校、共通して言えるのが実質倍率の高さです。23年度入試では芝が1回目2.5倍、2回目3.4倍、成城は1回目から2.7倍、3.0倍、6.5倍、本郷は1回目3.5倍、3回目は10.7倍です。

2回目の本郷は2.3倍と「チャンス」に見えますが、この日は前日に開成などを受験した偏差値の高い子たちが「押さえ」として受験、倍率には表れない難易度の高さがあり、持ち偏差値的に受験に踏み切れない層も少なくありません。

実は巣鴨や高輪の方が芝、本郷よりも実質倍率が高い入試回もあるのですが、1日午前で見ると芝、本郷の四谷大塚Aライン偏差値(合格可能性80%)が「60」なのに対し、巣鴨、攻玉社は「55」、高輪は「52」。「チャレンジ受験」が影をひそめる「トレンド」の中学入試で、「偏差値のランクを下げても期待できる学校に6年間預ける」という考えの親御さんが増えている可能性はあります。

城北、東京都市大付属、獨協などは日程によって志願者の増減が見られます。入試直前まで流動的でしょう。

神奈川ではこのところ志願者減が続いていた藤嶺藤沢が復活の兆し。中堅、一般校の受験者数が全体的に増えている流れに乗って第1志望の男子も例年より多く受験しそうです。

「明大世田谷」人気続く

続いて大学附属・系属校の男子の傾向です。

新校舎が完成した早稲田、夏の甲子園で優勝した慶應義塾高校につながる慶應義塾普通部、同中等部は人気上昇傾向。早稲田実業も受験者数をキープしそうですが、大学直系の早大学院はもしかしたら減少するかもしれません。

MARCHの5大学では明大系が増減2つの流れ。大学直系の明大明治も人気ですが、それ以上に勢いを感じるのが26年度から系属校の「明大世田谷」へと移行する日本学園です。

23年度入試で驚異の前年比5.2倍(1066人増)の志願者数を集めましたが、今年も同じくらいかそれ以上志願者が集まる様相です。2科目入試がなくなり、4科目の「フルコース」での入試のみとなり、受験者数だけでなく、学力レベルも確実に上がります。それでも志願者増というのは、四谷のAラインで現状偏差値「50」(23年度結果偏差値)という「手頃さ」が理由の1つとして考えられます。

バス通学の明大八王子は志願者数予想ではやや苦戦、明大中野も同じ男子校の日本学園に押されています(明大世田谷になってからは共学校)。

青山学院大と中央大は神奈川の青学大横浜英和と中大横浜は志願者増の動きで推移していますが、東京の青学大中等部、中大附属はやや減少の流れ。法政系は横ばい、立教池袋は減少する可能性が高いです。

大学の合格実績が上向きの日本工業大駒場、独自の教育カリキュラムが浸透しつつある関東学院は根強い人気ですが、近年志願者が増え難易度が上がった芝浦工大附属、東京農大一は現状敬遠されている傾向にあります。

渦中の日大系の中学校は「学校によって」というのが正直なところ。こちらも近年難易度が飛躍的にアップした日大豊山は減少傾向が続いています。昨年30%近く志願者が増えた目黒日大も今年は減るかもしれません。

日本学園

広尾系、国際系人気に変化

最後に共学校です。近年人気の「国際系」といわれる学校の動きが鈍いのが12月時点での特徴です。

代表格の広尾学園、広尾学園小石川ともに志願者数は落ち着きをみせ、横ばいから減少傾向は止められない様子です。急速に難易度が上がり、国際系特有の「細切れ入試」で実質倍率も高いことから、チャレンジ層がこぞって撤退という雰囲気です。

同様に三田国際学園やかえつ有明などもやや減少に転じています。「国際系」人気の陰り、というより他の私立も英語教育に力を入れており、難易度が上がって、入学後もついていけるかどうか…という学校を敬遠しているという流れ。偏差値から見ての「難関上位、人気校受験」はここでも鳴りを潜めつつあります。

23年度入試で「すったもんだ」があった芝国際は確実に志願者減に。「誰もかしこも」だった受験者層が一定のレベルに絞れる入試になりそうなので、去年のように帰国生の生徒を「獲りすぎ」なければ落ち着いた入試になるでしょう。

東京都がインターナショナルスクールの生徒を「帰国生入試」の対象とせず、一般入試で入学する制度が24年度入試から始まることで「国際系」の学校は、今まで以上に2月入試で生徒を確保しなければならない状況が考えられます。

去年まで帰庫生枠で英語力を武器に受験できた子が4科入試や国語算数の2科メインにシフトするのは難しいかもしれません。つまに帰国生入試から一般入試にはスライドしにくく、それ以外で志願者数が増えるかどうかは2月ま締め切りまで読めません。

対照的に帰国生があまり受験対象として考えてこなかったサレジアン国際と同世田谷は、それほど偏差値が高くないこともあって人気になりそうな気配があります。

志願者増が見込めるのは、東京だと進学実績が好調な渋谷教育学園渋谷、駒込あたり。神奈川では早慶やGMACHの合格者が多い山手学院、桐蔭学園中等教育学校が男子生徒の人気を集めそうです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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