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中学受験 模試などから見る2月の女子志願動向


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日程追加の横浜雙葉がけん引

好調続く三輪田 山脇は小休止?
大学附属・系属人気の神奈川
・好調続く横浜創英と横須賀学院

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日程追加で横浜雙葉が人気に

12月時点での模試での志望校調査や過去問の売れ行き、周辺の雰囲気から伝わる2月解禁の東京、神奈川の志願者状況分析です。

男子もどちらかというと「安全志向の入試」といった24年度の概況ですが、東京の女子受験生はさらに「超安全志向」という様相を呈しています。

女子御三家は女子学院、雙葉が横ばいの雰囲気ですが、桜蔭が志願者減の流れ。23年度志願者13%増の反動が出ています。女子御三家以上の難易度ともいわれている豊島岡女子学園は3回の入試機会とも総じて敬遠傾向。大幅に減ってはいないのですが、チャレンジ層の撤退が目立ちます。

女子難関の人気校、鷗友学園女子と吉祥女子も現状では志願者数が伸びておらず、前年比でマイナスの可能性があります。鴎友はこれまでプラスが続いていた2回目も減少傾向です。23年度入試で実質倍率が5倍の大台に乗ったことで敬遠されているのかもしれません。堅調に伸びていた人気校の吉祥女子も昨年競争率が2回とも3倍を超えたことで二の足を踏む受験生が増えている様子です。

東京の流れとは逆に「攻めている」のが神奈川女子です。神奈川女子御三家も難関校も志願者増の勢いです。

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その中で注目を集めているのが、24年度から入試回数を増やした横浜雙葉。昨年までの1回目入試(2月1日)もさることながら、翌日2日の新設入試の人気があり、志願者増は確実のようです。

ここ3年、実質倍率は1.6~1.7倍で落ち着いていますが、入試回数が2回になったことで1回目の「歩留まり」をどう読むかで、2回目の合格者数も変わってきます。2回目入試も1回目と同時エントリーしていた場合、合格者が抜けるので、初の2回目入試の展開には注目です。

横浜雙葉につられたというわけではありませんが、フェリスや横浜共立も24年度は志願者増の流れ。昨年、1回目入試で15%以上の落ち込みとなった洗足学園も24年度入試は活況を呈しそうな予感があります。

好調続く三輪田 山脇は小休止?

男子校と比べて女子校は数も多く、「隔年現象」が起こりやすいのですが、24年度入試は「勢い継続」組と「小休止」組に分かれそうなのが1つの特徴です。

女子校で一番好調なのが三輪田学園。昨年、校舎がすぐ隣の法政大学とより緊密な高大連携協定を結び、法大へ30人の推薦枠が付与されました。三輪田の合格実績のボリュームゾーンは日大、東洋大といったところで、MARCHの一角に一挙30人となれば、人気となるのも納得です。

23年度は3回の入試機会でそれぞれ志願者数が約1.5倍になりましたが、24年度も志願者増の傾向は変わりません。四谷大塚のAライン偏差値(合格可能性80%偏差値)が「44」(23年度入試の結果偏差値)は、アップすること確実の情勢で、一段高いレベルの入試になりそうです。

新校舎建設中の品川女子学院も好調をキープしたまま24年度入試を迎えそうです。こちらもAライン偏差値「52」とほどよい難易度で、人気継続の流れです。同校は算数1科入試も行っていますが、同じく算数1科入試をする普連土学園も人気を博しています。

十文字、中村といった23年度入試で「爆発的人気」をみせた女子校も流れは続いています。両校とも一部を除いて実質倍率が1倍台後半から2倍台前半という「合格しやすさ」も志願者が多い背景にあると言えます。

「小休止」組の代表格がここ数年ブームともいわれた山脇学園、堅調に志願者が伸びていた田園調布学園の2校。ただ、根強いファンもいる両校だけに直前になって横ばいから増加に転じる可能性を秘めています。

神奈川では横浜雙葉の2日午前入試との併願という形で2日午後入試がある清泉女学院、カリタス女子などが志願者増の見込み。鎌倉女学院、湘南白百合などは横ばいから微増という様子です。逆に日本女子大附属は出足が鈍いようです。

大学附属・系属人気の神奈川

女子大を除く大学附属・系属校は男子よりも女子の方が志願する割合が高い傾向があります。男子以上に進学先をキープしておきたいという「防衛」の気持ちが働くのかもしれません。

毎年ハイレベルでの競争になる早稲田実業、慶應義塾中等部、同湘南藤沢は志願者増の見通し。立教大学の系属校で、立大への推薦枠が60人以上増えて160人になる香蘭女学校も志願者増は間違いない現状。23年度入試で微減だった明大明治、法政大中、ブームがひと段落就いた芝浦工大附属などは志願者復活傾向。15%減らした学習院女子も前年よりは勢いが出てきました。

東京以上に附属・系属校が活発なのは神奈川で青山学院大横浜英和は前年に続き志願者増へ。堅調な法政第二、中大横浜、神奈川大附属も隔年現象も手伝って志願者増の展開です。

東京の日大系は事件の影響もあって志願するかどうか迷いが感じられますが、神奈川は日大藤沢が志願者増の動き。日本大学中も男子より女子の方が人気です。

附属・系属系で志願者増が現状考えにくいのが、23年度に志願者が10%弱増えた成城学園と東京農大一、明大八王子、帝京大学中などです。農大一など3校は最寄駅からの距離があったり、バス通学必至など、女子が敬遠しがちな条件があります。

好調続く横浜創英と横須賀学院

共学校は東京では現状入試日によって増減が分かれ、総じて横ばいの学校が多い雰囲気です。

その中で志願増が見込まれるのが、かえつ有明や青稜などの湾岸地区の学校です。人気校であり難関、上位校の広尾学園と同小石川、それに渋谷教育学園渋谷は根強い熱望組も多数いますが、難易度の高さと各回の実質倍率の高さに逡巡し、ギリギリまで受験するかしないかの熟考が続きそうで、志願者は流動的です。

男子同様、「国際系」の学校はやや下火に。「事件」のあった芝国際は言うまでもなく、三田国際学園、開智日本橋学園も勢いはあまり感じられません。

一方、神奈川ではここ数年「絶好調」の横浜創英と横須賀学院が24年度入試も志願者増が確実視されています。

創英はオリジナルの教育思想で注目されていますが、Aライン偏差値が上がっているとはいえ現状2月1日午前は「41」。2回目以降の実質倍率が5倍近くなるため、持ち偏差値的に合格する可能性が高い45以上の受験生が早々に「勝負に出る」可能性は十分あります。

横須賀学院は中学から入ると青山学院大への推薦枠35人の対象になります。定員は約100人ですから、附属校とまではいきませんが系属校に近い扱いです。偏差値帯から考えると、横須賀学院から青学は「おいしい」選択の1つといえます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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