中学校別対策

中学受験 志望校訪問前の「合同説明会」の歩き方


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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「嗅覚」を鍛える合同説明会
・人気校のブース訪問はNG
・説明会参加者の「出足」は早い
・掘り出し物、手分け、資料収集

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「嗅覚」を鍛える合同説明会

5月12日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで「東京私立中学合同相談会」が開催されます。

すで4月5日から申し込みが始まっています。時間によって入場者数を制限していますが、先に入った人がなかなか抜けないため、昨年は入場までに2時間待ちが出るほどの盛況ぶりだったと聞きます。

コロナがひと段落し、「リアル」な説明会が完全復活しており、今後も秋口にかけて土日を中心に毎週のようにどこかで開催される合同説明会は、活況を呈するのは間違いないでしょう。

一度に多くの学校の先生と直接接触ができ、質問を受け付けてくれる機会は貴重です。チャンスがあれば、日程と時間の許す限り積極的に参加することをお勧めします。

特に5年生以下の親御さんは、中学受験を「研究する」というスタンスで多くの学校の話を聞くと、6年生で志望校を絞る段階で研究が生きてきます。

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志望校、偏差値、場所、さらには男子校、女子校、共学など「関係なし」でさまざまな学校の話を聞くのが、「賢い」歩き方の1つです。

探求型授業、グローバル教育、ICT…実は私立中学が掲げている「目玉商品」は、各校そんなに変わりません。しかもパンフレットやホームページで丁寧に説明されています。

その説明を受けるより、さまざまな学校の先生と私立中高一貫校の日常についての「雑談」をしていくうちに、何が私立の「本音」で、何が「上辺だけ」かをかぎ分ける「嗅覚」が鋭くなります

なぜ、私立中学は宿題や課題が多いのか、部活動の子どもに与える影響、(話している先生がどの科目の担当課を確認し)先生から見た入試で差のつくところ、気になる答案、大学進学の際に一般受験をする子、推薦を選ぶ子の勉強の姿勢の違い、など雑談をするように「見えてくる」ものがあります。

この雑談が子どもの志望校、受験校選びの際に「威力」を発揮します。

いずれ参加することになる各学校独自の説明会で、偏差値や宣伝文句、説明会での「リップサービス」に惑わされることなく、日程調整さえできれば我が家オリジナルの「ラインナップ」が組めます。

人気校のブース訪問はNG

合同説明会で一番残念なのは「人気校のブースを訪ねる」ことです。

数十校から多いときは200校近くが集まる合同説明会では、難関校や志願者が多く集まる人気校、有名大学の附属・系属校の相談ブースに人が「殺到」します。待ち時間30分、1時間超というのもざらにあります。

長い待ち時間の割に「相談は10分以内の制限」があったり、「後ろで待っている人がいて聞きたいことも十分に聞けなかった」「制限時間内で話が聞けたのは2校でほとんど待ち時間」という話は、合同説明会「あるある」です。

長く待ったうえに1人の先生の話を短時間しか聞けない合同説明会では、ほとんど何も分かりません。

気になる中学、受験候補の中学は、その学校独自の「説明会」参加が鉄則です。意中の中学だからこそ、学校に直接足を運び、雰囲気を感じ、あらゆる質問を先生方にぶつけるのが親御さんのミッションです。

学校主催の説明会に参加して、一通りの話を聞き、資料をもらって施設見学をしたけど、質問せずに帰ってきたは「NG」です。

学校説明会は「終了後が勝負」。多くの学校が先生が複数残って質問を納得がいくまで受け付けてくれます。

機会があれば校長先生や教頭先生などとも話ができます。在校生のナマの声聞けることもあります。ここで学校の「素顔」が垣間見えたり、「本音」が飛び出すことはかなりあります。

コロナ禍での制限が緩和され、学校説明会は以前にもまして頻繁に行われると推測できます。オンラインではなく、リアルの説明会の効果を学校側も十分理解しているからです。

聞き逃したこと、あとで思い出して気になったこと、もう一度学校そのものを見たいという気になったら、複数回説明会に参加して心置きなく学校研究を積み重ねます。

説明会参加者の「出足」は早い

子どもと一緒に合同説明会に来場するのもあまりお勧めできません

受験生本人を連れてきて「大人の話」を聞いても「ピンとこない」「イメージがわかない」からです。

長い時間待たされた挙句、「大人の話」に付き合わされて、子どもは「つまらない」となります。真剣な親御さんはそんな子供の態度にカリカリするばかり。雰囲気は最悪です。

時々、学校の先生が話を振ってくれますが、見ず知らずの大人との会話はそんなに弾みません。

実際に中学校で行われる説明会の方が多少効果が期待できますが、それも最初だけ。体育館で長時間、大人の言葉で学校のことを説明されても面白くありません。

文化祭や体育祭、オープンキャンパスに体験授業、部活体験…こういった「イベント」じゃないと子どもは「上がる」とはなりません

もう1つ、「入場時間ちょうど」に来場するのも、残念なことになりがちです。

時間通りで何が悪い、と怒られそうですが、説明会参加者の「出足」は早いです。いち早く並んで1校でも多く話を聞きたい、という「熱意」がそこにはあります。

早い人で1時間、30分前に到着し、入場の列をつくります。募集多いと長蛇の列になり、入場までに相当な時間がかかることもあります。

入場まで待たされ、入場してもまた待ち時間ではストレスが溜まります。どうせ時間をつくって参加するのなら、早め早めの行動で。入れ替え制の場合、早くから並べば「イチ押し」の1校は並ばずに、制限より若干長く聞ける可能性は高くなります

掘り出し物、手分け、資料収集

合同説明会の賢い歩き方は、最初に説明した「様々な学校の先生との雑談」に加え、「掘り出し物を見つける」「手分けをする」「資料収集」の3つが挙げられます。

人気校のブースより比較的すぐに話が聞ける学校のブースを訪問します。

先入観を持たず「ちょっと気になる」「併願校候補にどうかな」や「近所だけど(逆に遠方だけど)どういう学校だろう」「話だけでも」など、かなり気軽な感じで構いません。

けっこう「あたり」が見つかります。立ち話程度でもさまざまなヒントを各私立の先生からもらえます。掘り出し物を見つけるのは、合同説明会の「醍醐味」かもしれません。

夫婦で参加できる場合などは、2人で一緒より、手分けをして別行動も効果的です。

狙いを共有して、質問項目も統一して各ブースを訪れます。話を聞く学校をそれぞれで決めておくと「数をこなせる」というメリッがもあります。逆に同じ学校でも、時間をずらして話を聞けば、受ける印象は違って、学校のさまざまな面が見ることができます。

一度に相当数の学校のパンフレットや進学資料、過去問などを「無料」で入手できるのも合同説明会ならではです。

数が多すぎて…となるかもしれませんが、比較分析、今の私立中のトレンドを知るうえで最新の資料です。

できるだけ「収集」して、親御さんの中学受験の「勉強」の糧にします。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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