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中学受験 「2科目」が不利な3つの理由


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有名大学系属校の2科入試廃止
「敗者復活」がない2科入試
「使えるカード」は多い方が良い
・2科目は「限られる」受験

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有名大学系属校の2科入試廃止

私立中高一貫校の入学試験の主流は国算理社の「4科入試」です。

難関校、上位校から中堅校など、偏差値で見ると70以上の学校から45程度の学校の大半が「4科入試」を経て合格、入学します。

一方で4科と比べれば、受験生の負担は軽くなる国語と算数による「2科入試」は、一部の中堅校や偏差値的に見てそれほど難しくない中学が採用しています。

しかし、試験時間を十分にとることが難しい午後入試を除き減少傾向といえます。

2026年度から校名が「明治大学附属世田谷」となり共学へと転換する、男子校の日本学園は24年度入試で2科受験を廃止、4科一本の入試に切り替わりました。

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立教大学へ160人の進学枠がある系属校の1つ、香蘭女学校も24年度入試から2科入試の選択ができなくなりました。

ここ数年増加している「算数1科」入試や東京農大第一の「理科と算数」の2科、芝浦工大附属の社会を除いた「国算理」の3科目入試もありますが、そこには学校側が「強みのある生徒」を確保したいという意図が感じられます。理社まで手が回らない受験生の「負担軽減」要素が強い国算2科目入試と性格が異なります。

また、4科目入試と2科目入試のいずれか選択で、同時に合格判定をする中学は「圧倒的に」2科目受験が不利になります。

「敗者復活」がない2科入試

2科目受験が不利な理由は「敗者復活がない」「巻き返す機会がない」「受験校が限られる」の3つが挙げられます。

中学によって違うので確認が必要ですが、多くの入試の合格判定は、まず国語と算数の合計点で7、8割の合格者を決定します。

残りの2、3割は、理科と社会の合計点が加算されて合格者が決まっていきます。

つまり、国算の2科目受験で受けた子は最初の判定で「不合格」となってしまうと、理科社会による「敗者復活戦」にエントリーできないのです。

国算2科で勝てる学力があれば何ら問題はありませんが、2科と4科の試験が用意されている場合、合格可能性の高い子は大抵4科受験です。

4科も選択できる際の2科受験では「ボーダーライン」の成績では苦しく、模試で言えばA判定、B判定くらいをとっている「余裕」が前提になってきます。

「使えるカード」は多い方が良い

4科入試でも国語と算数の配点は、理社に比べて高く、入試の流れを決定します。ここで「コケる」と偏差値的に余裕のある子でも苦しくなります。

2科目入試は、どちらかが失敗すると、もう1科目しか「巻き返す機会」がないという「背水の陣」入試になります。

国算いずれかが失敗した場合、失点の「穴埋め」として大いに威力を発揮するのが理社です。

理社は合格者と不合格者の「差がつきにくい」といわれ、実際平均点もそう大きくは変わりません。

しかし、合格者平均は6~7割程度。実はまだ得点が積み重ねられる「余裕」があります。

理社で「稼ぐ」子は8、9割超の得点を安定してとります。50点満点だとしても40点以上、45点以上の子もざらにいます。

2科目とも平均点でそれぞれ10~15点オーバーなら「穴埋め」して、場合によっては「おつり」がきます

国語と算数で手いっぱいの子に、理科と社会の勉強は「かなりの負担」です。それでも理社は勉強をすれば、国語と算数以上に比較的早く「結果」を出せる科目でもあります。

受験勉強が苦しい展開になると「2科目受験に切り替えようか…」という方向に流れがちですが、立ち止まって理社で頑張る選択をした方がチャンスは残ります。「使えるカード」は多い方が良いのです。

2科目は「限られる」受験

成績不振で4科から2科へ「転向」する場合、2科入試は受験校、合格の可能性とも「限られる」というデメリットもあります。

6年生からの中学受験参戦など、時間的にタイトな生徒の場合は2科受験受験選択も「あり」ですが、先述の通り、2科入試は減少傾向ということもあって、受験候補の中学校は多くが偏差値40前半、30台の中学と限定的になります。

そこで2科も受験が多くなってきた午後入試や算数1科、国語1科入試での合格に切り替えるやり方を親御さんは模索するかもしれませんが、これが4科以上に「狭き門」のことが多いです。

午後受験は午前中により難易度の高いところを受験した子が「押さえ」として受けるケースが一般的です。1科受験は他の科目もそこそこできますが、受験科目が「滅法強い」子しか受けません。

「4科とも成績が伸びないので、主要になる算数と国語に力を入れたいから」「理社に割ける時間がないから」など、「逃げ」の理由で午後や1科受験すると、おそらく太刀打ちできずに終わります

理社に比べて、国語と算数が「伸びる」には時間がかかります。時間を割いたからといって、すぐに成績が飛躍的に伸びるものでもありません。

それより割と「即効性」のある理社を同時進行で進めて、国算の「得点力」を本番までに積み重ねる方が合格に近づきます

5年生以下の生徒は6年までに理社をある程度固めて、6年になったら演習問題を早いうちから取り掛かり、夏闇以降に完成まで手間のかかる国語と算数に時間を割く」というのが「勝利の方程式」の1つです。

理社は「追い込みのきく科目」以上に「先手必勝で逃げ切る科目」です。

6年生でも春先から夏安が終わるまでに地理と歴史を総復習して整備していけば、かなり「強い味方」になります。今からスタートすれば、直前期に「困った」とはなりません


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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