中学校別対策

中学受験 志望校は「第1回入試必勝で」のワケ


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・複数回の機会は本当にチャンス?
・2月4日以降は「修羅場」
・「リベンジ」成功率の現実
・「最悪」を想定してプラン編成を

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複数回の機会は本当にチャンス?

中学受験は同じ学校が入学試験を複数回行うのが普通です。

入学のチャンスは1回限り、という中学は男女御三家や難関校の一部だけ。神奈川の聖光学院や千葉の渋谷教育学園幕張など最難関校グループでも入試は2回あるいはそれ以上行われることが珍しくありません。

学校によっては「複数回受験優遇措置」として、2回目に受けると5点加点とか、ボーダーラインで競った場合、複数回受験の子を優先して合格にする、などの「ルール」を入試要項で公表している中学も少なくありません。

「チャンス」が多いことは受験生にとって良いことのように映りますが、第1、第2志望校は「1回目の試験での合格」が鉄則です。

なぜならば、入試は回を追うごとに「苦しくなる」流れになっているからです。

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特に3回目以降の入試は持ち偏差値に余裕があっても「受かる気がしない」というのが経験者の共通した言葉です。

2月4日以降は「修羅場」

複数回の受験機会がある学校は通常、1回目より2回目、2回目より3回目の方が実質倍率は高くなり、合格者の数も絞られてきます

募集定員が回を追うごとに少なくなっていくのもありますが、人気校では「定員以上」の合格者を多く出したくても出せない現状があります。

男子の人気校、成城(東京都豊島区)は2月に3回の入試が行われますが、23年度は1日の1回目入試で実質倍率2.7倍、3日の2回目は3.0倍、5日の3回目は6.5倍になりました。

共学の人気校、開智日本橋(東京都中央区)は通常の4科入試で見てみると、23年度は1日の1回目が3.2倍でしたが、2日午後の2回目は5.6倍に跳ね上がり、3日午後の3回目も8.3倍の大激戦になりました。

「歩留まり」が良い=合格→入学手続きの数が多い場合は、募集定員が早い段階で満たされるので、最終回の入試の合格者をそれほど多く出す必要がありません

22年度入試では日本学園(26年度から明治大学系属世田谷)が2回目入試(2月4日)で定員30人のところ、合格者はピッタリの30人(実質倍率12.7倍)、3回目(5日)も定員20人で合格者28人(11.4倍)にとどめました。

人気校の本郷も3回目(5日)は40人の定員に対し、44人合格(10.7倍)でした。このような「タイトな入試」は、女子校や共学より、男子校で多く見られるのが最近の傾向です。

早くに募集定員に達してしまうと、いつもなら「合格」する子も不合格になってしまう年もあるということです。

このように早めに合格をとって、手続きをして、という傾向が強い東京や神奈川の入試では、2月4日以降合格しているところがない状況だと、かなり苦しくなります。奇跡でも起きない限り合格するとは思えない、というような心境に陥ります。

「勝ち目」が薄い戦いを続けるか、受験を打ち切るのかの「止まるも進むもいばらの道」を選択しなければならず、冷静な判断はなかなかできません。

「リベンジ」成功率の現実

1回目入試で不合格だった場合、熱望校なら2度目、3度目の挑戦をする子が多いです。

それ自体は是非トライすべきですが、「厳しい現実」があることも覚悟しておかなければなりません。

2月受験の場合、2回目入試は1日午後か3日までのうちに行われることが大半です。

2回目は1日午前に第1志望校を受けた子が、第2、第3志望だったり、「押さえ」として参戦してくるため、1回目入試より合格者のレベルが上がります。偏差値のポイントにして2~4アップし、1回目に不合格だった子にとってはきつい戦いになりがちです。

実際、過去のデータで見てみると、1回目不合格、2回目合格の「リベンジ」成功率は2割から3割弱程度。難関校レベルになると1割前後といったところです。

複数回受験で加点制度がある中堅、一般校はリベンジ率は高くなりますが、3度4度と入試を受けてやっと…いうことも少なくありません。親子とも入が終わったころには、喜びというより精魂尽き果てています。

1回目入試で仕留める、というのが、やはり中学受験の「鉄則」なのです。

「最悪」を想定してプラン編成を

1回目入試で必勝を期すことは大前提ですが、中学受験は「石橋をたたいて渡る」ことも大切です。

3日までに納得のいかない入試結果だった場合の「最悪の事態」を想定して、4日以降に受験する=合格したら入学しても良い中学を1,2校ピックアップして、受験プランに組み込んでおきます

親御さんとしては偏差値から見て「譲れない線」があるかもしれませんが、その気持ちを抑えて「確実に勝てる学校」をあらかじめ選定しておきます。

具体的には持ち偏差値より、5~10余裕がある学校です。

6年間お世話になる可能性のある学校です。無駄になるかもしれませんが、必ず学校説明会に足を運び、 過去問も1~2年分は取り組みます。

ここまでしておくと、精神的に落ち着いて入試に臨めます。まさかに備えてきっちり「受験プラン」を組むと、不思議と「緊急事態」にはなりにくいものです。

逆に「最悪」を想定していないと、「最悪」に陥りやすいものです。「行ったことも考えたこともない中学」を急きょ受験しなければならなくなります。

中学受験は12歳の受験です。大人が思うようにはいきません


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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