大学附属・系属校

中学受験 「明大世田谷」が明治系最難関になる!?


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もう日本学園の入試ではなく…
入試風景を変えた「明大進学7割」
・「残り3割」次第で明大系最難関に
・ 「駅近」という大きなメリット

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もう日本学園の入試ではなく…

創立100年以上を歴史を誇る男子校、日本学園(東京都世田谷区)は26年度に共学化、校名を「明大世田谷」へと変更します。

高校3年生を対象にした、リクルート進学総研のアンケート「志願したい大学ランキング」で関東甲信越エリアの1位となった人気の明治大学への進学が一定数保証され、近年の中高一貫校のトレンド「共学化」という「おいしい」要素が満載の系属校になります。

系属校化が22年に発表されると、23年度の日本学園の総志願者数は前年比約5.2倍の1322人、3回の入試の平均実質倍率は7.7倍(前年1.7倍)と「大盛況」になりました。

こうなるともうかつての日本学園の入試ではなく、「明大世田谷」としての入試が事実上始まっていると言えます。

難易度も格段に上がった24年度入試は総志願者数1193人で前年比10%減(129人減)でしたが、前年の超人気状態からは想定された範囲内の志願者減でした。

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3回の入試の平均実質倍率は5.9倍。2月1日の3.0倍も高いのですが、ここで仕留めないと合格は一気に難しくなります。

日本学園として最後の入試となる25年度入試は難易度も上がりますが、志願者数も増えるとみられ、間違いなく厳しい入試になります。

入試風景を変えた「明大進学7割」

「明大世田谷」人気の理由は3つあります。

まずは「明大進学7割」です。

正確には「7割の推薦入学を目指す」で7割確定ではないのですが、明治大学進学への道はより近くなることは確かです。

中学受験を経て中高一貫校の偏差値上位校までに入って、成績が真ん中程度なら明大合格は「射程距離」です。

が、より確実にと親御さんが考えるのなら、「明大への推薦権」は魅力的です。

校名変更前からの中学入学でも明大入学のチャンスがあるため、「先物買い」として人気沸騰継続中というのが現状です。

23年度は志願者の学力にかなりの幅がありましたが、2科受験の廃止と合格可能性80%偏差値が大幅に上昇しました。

2月1日の1回目入試で首都圏模試40→60に、四谷大塚は偏差値表掲載なしから50になりました。

25年度は四谷で変わりがなかったものの、首都模試では63に、人気校・難関校しか表に載らないサピックスでも堂々「初登場」(40)しました。

「明大推薦権」の威力は伝統校の「入試風景」をガラリと変えました

「残り3割」次第で明大系最難関に

明大への推薦入学7割を掲げている明大世田谷ですが、同じ系属校にあたる明大中野、明大八王子は8割以上が明大に進学しています。

対して明大世田谷は明大以外の国公立や医学部、理系難関大進学などに力を入れる考えを持っています

これが「残り3割」の生徒の進路となれば、明大世田谷の「もう1つの売り」になり、普通の大学系属校とは趣が違ってきます

「残り3割」の大学合格・進学実績次第で、明大系中高一貫校の中で「一番難しい学校」になる可能性が十分あります

校名変更、共学化以降も日本学園がここ20年来続けてきたオリジナルプログラム「創発学」を継続する方針ですが、このプログラムが進学実績の充実に貢献する可能性があります。

学校ホームページによると、創発学とは、「創」で調査・研究・取材・まとめを通して「創造する力」を育み、「発」でそれらを表現・発表する「発信する力」を身につけるプログラムで、日々の生活や校外学習などを通してこれらの力を向上させる、としています。

各私立中高一貫校が最近「標準装備」している「探求学習」に匹敵するものですが、これが「総合型選抜」での人気私大、国公立大進学につながるケースが結構あります。

学校側がどういう進路指導をするかは未知数ですが、「明大以外の進学実績」は注目です。

「駅近」という大きなメリット

最後は「立地条件」です。

明大系校のうち、最寄駅から徒歩で通えるのは男子校の明大中野のみで、自宅が近所でない限り明大明治、明大八王子とも「バス通学」がほぼ必須です。

明大世田谷は京王線、同井の頭線の「明大前」から徒歩5分と至便です。

現在は男子校なので断言できませんが、26年度受験でこの「駅近」に女子の志願者がかなり多くなるのではないかと推測しています。

「駅近」は6年間の通学を考えると、進学実績よりも実は重要かもしれません。

学校へ行く日は好天の日ばかりではありません。補習や部活動で帰りが遅くなることもあります。

駅が近いと、何をするにしても「次の行動」に素早く移れるというメリットは長い時間の中でかなり有益です。

大学附属・系属校は女子の方が2~4ポイント程度、合格可能性80%の偏差値が高くなる傾向にあります。

女子の実力のある子と学校の人気が高まれば「レベル」は確実に上がります。

進学実績の上昇とともに「駅近」によって、明大世田谷が将来的に明大系地遊学受験の最難関になる可能性はここにもあります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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