中学校別対策

中学受験 日特参加のメリット、不参加のリスク


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・「日特」か「独自路線」か
・日特不参加の場合のリスクは…
・「仲間意識」の効果は大きい
・日特は「特効薬」でなく「詰め」

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「日特」か「独自路線」か

夏期講習が終わると、6年生にとってはいよいよ終盤戦。大手進学塾では主に日曜日を使って「志望校別対策」が9月から本格化します。

サピックスでは「SS(サンデーサピックス)」、早稲田アカデミーでは「NN(何が何でも)」という「日曜特訓」(通称「日特」)と呼ばれるものです。

「合格には必須」「いや、参加しなくても合格できる」――賛否両論の意見があるのが「日特」です。

入試までの追い込みは「塾にお任せ」という親御さんが多いのですが、子どもの現状、レベルにカスタマイズしたプランを独自にやりたいと思っている親御さんも一定数います

親御さんが日特を見切ってうまくいこともあれば、そうでない場合もあります。残り4〜5カ月、どう舵取りをするか、貴重な日曜日をどう過ごすか、最後の「詰め」は悩みが尽きません。

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日特不参加の場合のリスクは…

成功例はそれぞれのメソッドがあるので、それが別の個々人に当てはまめるのは難しいのですが、失敗は共通点がいくつか見られます。

塾側の引き留めにもかかわらず、退塾をした6年生の男子。志望校は四谷大塚で偏差値65前後の難関校でした。退塾を決めたのは親御さんでした。

「9月からの塾は演習問題中心になる。それなら家でもできる。日特も過去問を使っての授業。家で過去問に取り組めばよい。親がある程度見てあげることもできるし。それに受験まであと50万円かけるのは…合格した後もいろいろお金がかかるし」というのが退塾の理由でした。

結論から言いますと、1月の「前受け」受験を含め、5戦全敗でした。

本命校もダメで、急きょ出願した2校も撃沈。周囲から合格確実と思われていたにもかかわらず、悲しい結末を迎えてしまいました。

敗因の1つに退塾を含めた「日特」の不参加があったと考えられます。

親御さんが指摘する通り、志望校別特訓はその学校の過去問を中心に授業が進められます。

過去問自体は家庭でもできます。親御さんの中には採点だけでなく、解説ができる場合も少なくありません。

しかし、親子だと子どもはアドバイスを素直に聞き入れません。

家庭での過去問演習は親御さんが描くほど、予想通りには進まないケースが多く、気が付けば「親子バトル」の日々に。こうなると学力の伸びより、受験そのものの態勢が整いません。

志望校別特訓抜き、家庭での詰めの学習は「親子バトル」というリスクと背中合わせなのです。

加えて、過去問演習中心となると、単調な授業と考えられがちですが、この「繰り返し」が入試でものを言います。

受験生は目指す中学校がどのような問題を出題し、それにどう対処し、どう「合格答案」を作成していくかを、その学校の入試対策に長けた先生、同じ中学進学を志す仲間とともに、時間をかけて取り組みます。

そこでの「気づき」が学力の上に肉付けされて、最後の「詰め」になり、合格への道筋が出来上がります

家庭学習だとこの「繰り返し」が十分にできません。日特抜きのリスクはここにも存在します。

「仲間意識」の効果は大きい

志望校別特訓のクラスは1回ごとに「前回の授業内での演習の総合得点順に座る席が決まる」というルールの塾が多いです。

「最後まで2列目をキープすれば合格率100%」とか、「総合成績より算数のできる順に合格する」とかの“伝説”で騒ぎながら、生徒たちは切磋琢磨して力を付けていきます。

同じ目標を目指すことで、競争相手というよりは「仲間意識」の方が強くなります

演習問題の出来不出来で刺激し合うことはもとより、難しい問題に対して知恵を出し合って考えたり、教え合ったりします。

短い昼食時間におやつを交換し合ったりするなどの交流を通して「一緒に合格しよう」という連帯感が生まれ、それが良いモチベーションにつながります。

この「交流」が不思議な効果を発揮します。

志望校別の参加は同志が身近にいるという精神的なメリットが大きいです

日特は「特効薬」でなく「詰め」

志望校特訓は合格を保証するものでもなければ、ましてや受講すれば成績が飛躍的に上がり、合格圏に突入する「特効薬」ではありません

志望校特訓は希望すれば誰でも参加できますが、1回目、2回目の授業終了後に脱落する子が数多くいます。

レベルが高くて、成績、持ち偏差値が「相応」でないと、全く授業についていけないからです。

「志望校特訓」を有効なものにするにはそれ以前の、つまり4年生から入塾して6年生夏休みまでに「どう勉強してきたか」かがカギを握っています

日特に参加して合格力を付けるには、それまでに基礎固めをし、苦手の数をできるだけ減らしておくことが「前提条件」となります。

その「前提条件」がある程度整っている子が「最後の詰め」として志望校別に参加するからこそ、合格への有効な対策になります

難関校合格は最後に追い込みをかければなんとかなるのではなく、終盤の「詰め」の段階で基盤をがある上にさらに積み上げるからこそ合格となります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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