中学校別対策

中学受験 悩ましい「難関校特訓」不参加もあり!?


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・親は不安…「難関」のざっくり感
・期待薄 秋からの家庭教師、個別
・「頻出問題」繰り返しが合格の近道
・厳しい子に「日特お土産勉強法」

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親は不安…「難関」のざっくり感

大手進学塾の日曜特訓は大別して、開成や慶應など学校名が頭に付く「志望校別特訓」と学校名が付かずひとまとめにした「難関校特訓」の主に2つがあります。

「難関校特訓」は成績順(偏差値順)にクラスが編成され、同じレベル感の子供たちが1つの教室に集まり、それが複数クラス存在します。

個々の志望校は違えど、クラスの志望校の偏差値帯は同レベルなので授業の「質」自体は丁度良いのです。

しかし、開成や慶應など学校別のクラスと比較すると、特定の学校向けのテキストではなく「共通テキスト」を使用、特定の学校の対策を重点的にやるというより「さまざまな学校の問題を解く」という流れになります。

例えば難関クラスの1番上のクラスには第1志望が男子だったら芝や本郷の子がいたり、女子は吉祥女子や頌栄女子学院が混じっていたりします。

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男女別クラスにしているところもありますが、主流は男女混合クラスです。

「難関校」はこの場合、偏差値60前後の人気校から50前後の中堅校まで含んでいます。

成績順のクラス編成になっているとはいえ、その「ざっくり感」が6年生秋という大切な時期だけに親御さんの心中を不安にさせます

そのため「通う意味があるのか?」と参加を迷う親御さんも珍しくありません。

期待薄 秋からの家庭教師、個別

日特不参加の選択をする場合は「代替案」が必要です。

一番有効なのがレギュラーの授業、演習中心「土曜特訓」を大切にします。

志望校対策に直結しない場合もありますが、通常授業はこれまでのまとめ、演習中心になりますし、土曜特訓は志望校の問題ではないにしろ、入試で必須の問題に数多く当たります。

難関校、中堅、男子校、女子校、共学問わず「共通して」重要な項目を扱うので、ここを十分固めて入試に臨むだけでも合格には届きます。

そうは言っても親御さんとしては「志望校対策」が気になると思います。

結論から言うと、学校別の講座がない場合は以前から家庭教師にお願いしたり、個別を利用している以外は「親塾」も含め「自力」で何とかするしかありません

過去問演習のスケジュールを立て、塾の先生にお願いして記述などの採点をお願いするのが基本ですが、採点は他の生徒もお願いするので、親御さんが密に先生とコンタクトして「ねじ込む」ぐらいの勢いが必要となってきます。

9月になると中学受験専門の腕利きの家庭教師だったり、中学受験に慣れた個別指導の先生は「ほぼ完売」状態です。

家庭教師派遣の業者も先生は見つけてくれますが、正直あまり期待できません。高校受験専門で中学受験指導の経験がなかったり、文系の先生で受験算数は参考書の解説をただ読んでいるだけ…というレベルも珍しくありません。

「知り合いのつてを頼ったらたまたま敏腕先生のスケジュールが1日だけ空いていた」「ちょうど中学受験を撤退した子がいて空きができた」など、偶然でもない限り、6年秋からの家庭教師、個別での有効な対策は期待薄です。

「頻出問題」繰り返しが合格の近道

「難関校特訓」が全く役に立たないかと言えば、それは「使い方次第」といえます。難関校対策向けの共通テキスト、授業にもメリットはあります。

テキストの構成は取り上げている問題こそ各校バラバラですが、入試「頻出問題」が網羅されています。

いわゆる入試でよく出る問題で、上位校・中堅校を受験するなら「これだけきちんと押さえれば合格点を超える、少なくとも近づく」という基礎、標準問題です。

このあたりの問題を確実にできるようになれば、どの学校を受験しても「合格点」に達します

それを繰り返し演習することは十分意味があり、6年生の終盤だからこそやっておかなければならない勉強です。

もしかしたら志望校対策以上に、合否を左右する可能性があります。

御三家や超難関校を狙っている子でも実は基礎が「危なっかしい」子は想像以上に多いです。

「基本問題の取りこぼし」。入試で一番怖いのはこれです

志望校対策ばかりに力を入れ、基礎をおざなりにした結果「まさかの不合格」は毎年「中学受験あるある」の1つです。

厳しい子に「日特お土産勉強法」

「家庭学習が進まない子」にも日特参加のメリットはあります。

中にはすべての勉強を「塾完結型」にし、家ではほとんどやらない成績の良い子もいます。その手のタイプはそれが「スタイル」ですから、親御さんはとやかく言わず、過去問の進捗状況だけチェックします。

ただ、そういう子は「まれ」で、多くは成績が振るわない子は家庭学習も進みません(進むことができない、が正確)。

家であまり勉強できない(しない)のなら、せめて日特で頑張り「お土産」を各科目3つ程度、家に持って帰ることを心がけます

授業でやったことすべてを、と言いたいところですが、偏差値が50前後、どっぷり40台、時々30代の子に授業完全消化は「無理」です。

ならば「あやふやだったところ」「今まで分からなかったこと」「新しい発見があったこと」など、各科目3つ程度でかまいません。それを家庭に持ち帰り、親御さんに「プレゼン」します。

「3つでいい」となると、子どもは意外と集中してゲーム感覚で「お土産」を持ち帰ります。最初は1つでも構いません。無理のない範囲で、です。

日曜特訓は受験までに15回程度あります。単純計算で、1教科1回に3つとして受験までに45個、4教科で180もの力が付きます。

1つの気づき、1つの分かった、は実はそれにとどまらず細胞分裂のように「次の気づき」「次の分かった」を生み出します

ポイントは子どもがけ「継続できるかどうか」と親御さんが「聞き上手になれるかどうか」。

大切な時期です。否定するより子どもが一生懸命持って帰ってきた「お土産」を認めてあげます

成績が伸び悩んでいても最後までやれることはあります。残り5カ月、無駄にしなかった子が入試当日でも「伸びて」合格を勝ち取ります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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