◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・偏差値に加味される「くせ者」
・入試広報課と塾の関係
・偏差値に「色を付ける」条件
・偏差値は「あくまで目安」
中学受験の各校の偏差値は「入試結果」だけで決まるものではありません。
各塾の偏差値表は模試で出た志望者の偏差値データと入試結果を照らし合わせたものに加え、入試の志願者動向などを加味して、合格確実圏(合格可能性80%)やボーダーライン(50%前後)、志望校再考あるいはかなりの努力を要する(20%)などの判定を決定します。
データだけで決めているとすれば、そこに人の意思は介入できないことになりますが、「入試動向などを加味」というのが「くせ者」です。
ここに何らかの「意図」が入り込む可能性があります。
私立中学の多くには「入試広報課」というセクションがあります。
職員募集要項などには仕事内容として「進学塾への訪問」と記されているケースが散見されます。
業務内容を分かりやすく言えば、学校と塾との「窓口」となり、学校のイメージアップを図るため営業活動をするというものです。
進学塾と中学側は「持ちつ持たれつ」の関係です。
塾側の動き、偏差値表を見ていると、この中学さんと「親密」で、あの中学が「推し」、というのがにじみ出てきます。
塾側が偏差値のポイントをが他よりちょっと高いのでは…と感じる場合もよくあることです。
入学試験での「あの塾の生徒」だからという優遇措置は露骨にはないと思いますが、学校側は、その塾に通っている受験生のみを対象にした少し「ディープな」説明会や模試会場の提供などの形で応えています。
そうなると偏差値表の信ぴょう性というのもやや怪しいものになります。
塾側も「色を付けた」ものだけを出すと信用にかかわるので、すべていい加減というわけではありません。
レベルが伴っていないのに偏差値に色を付けるということはあり得ません。
大学合格実績がかなり「いい線」まで来ているとか、今後学力のより高い受験生が志願する可能性があるなどの「期待料込み」という場合は「ポイントアップ」が考えられます。
周囲から「人気上昇中」とみられる学校は、こうした塾側の「追い風」も背景にあり「評判」になります。
中学受験は学校によって複数回入試があって、どれがその学校の偏差値の「相場」なのかは分かりずらくなっているのは確かなことです。
「バブル偏差値」によって、とても高い壁に見えた志望校が、模試の合格可能性40%、30%くらいでも合格してしまうのは、実際には合格できる実力があったにもかかわらず、色付きの偏差値によって判定されていから、というのもあり得る話です。
偏差値表は「当たらずとも遠からず」ではありますが、「あくまで目安」という解釈が正しいです。
偏差値ランキングは「絶対」のものではありません。
80%に達していないから合格しないとか、50%だと危ないとか、決めつけずに、基礎固めと自分の考え、出した答えを形にできる(アウトプット)できることに焦点を置いて入試に臨むことが大切です。