中学校別対策

中学受験 「熱望校一本やり」が招く「全滅」リスク


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「全滅」回避は親御さんの務め
複数回受験による加点の相場
はるかなる合格最低点
・偏差値を高くしておく理由

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「全滅」回避は親御さんの務め

中学受験で第1志望に合格する割合は25~30%程度。7割の子が「一番行きたい学校」に入れないまま終わります。厳しい世界です。

第1志望は難しくても、受験校全てにフラれる「全滅」「玉砕」は避ける事態は、今後の子どもの勉強、入試に対する恐怖感や脱力感を植え付けないためにも親御さんは配慮する必要があります

ポイントはただ1点「勝てる受験プランを親御さんが組む」ことです。

受験日程のプランの考え方はそれぞれの家庭で違います。しかし、最大の焦点である「合格するか、しないか」という視点だけで見れば、子どもの「持ち偏差値」「受験校の出題傾向」「受験校をどういう順番で配置するか」の3つをベースに受験プランを考えます

これを間違えると、「勝てる受験」が「惨敗」に、「短期勝ち逃げ」が「長期泥沼化」の冬になります。

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中学受験は親御さんの「願望をかなえる」受験ではありません。

12歳の我が子の「未来の扉の1つ目を開ける」挑戦です。冷静に受験生をアシストします。

複数回受験による加点の相場

「全滅」「玉砕」リスクを高める典型的な受験パターンの1つとして「熱望校一本やりの受験」があります。

「この中学がダメだったら、地元の公立中学に行く」というような、「のるかそるかの勝負」に出る受験家庭は毎年一定数存在します。

はっきりしていて迷いのない受験ともいえますが、12歳の受験は「いきなり決勝戦」のようなスタイルをとると、不合格のリスクが格段に高くなります

多くは試験会場独特の雰囲気に緊張してしまい、十分実力を発揮できないまま入試が終わることも珍しくないからです。

親御さんの中には「その学校は複数回入試があって、チャンスが2度も3度もあるのでなんとかなる」と考えている場合があります。

確かに最近は多くの学校が午前、午後入試や日にちを替えるなど「複数回入試」を導入しています。

加えて1人の受験生が同じ学校の入試を2回、3回と重ねて受けると「点数加算」という特典を用意している学校が多数を占める傾向にあります。

その中学入学を熱望している子の頑張りに、学校側は「せめてもの感謝の気持ち」を加点という形で応えています。

この「ボーナスポイント」、中には10点、20点プラスという「ビッグボーナス」の学校もありますが、3点や5点くらいまでが相場です。

つまり「本校を熱望も少し点数が足りない」子、合格最低点の子とほとんど変わらない学力と判断した子への学校からの「救済措置」です。

肝は「少し」であって、合格点から遠い位置ならば残念ながら…です。

はるかなる合格最低点

「熱望校一本やり」の受験、その執念は立派ですが、熱望のあまり冷静さを欠いている場合がしばしば見受けられます。

熱望校合格基準までの「距離感」=実力、点数がどれくらい足りないか、を親御さんも受験生本人もつかんでおらず、「はるかなる合格最低点」でも何度も受けては不合格を続け、気が付けば他校の入試も終わって行くところがない=全滅となります。

もしかしたら実は気づいているのかもしれません。

ただ「この学校を目指して3年間頑張ってきた歳月」を思うと、引くに引けずわずかな可能性を信じてのトライになっているのかもしれません。

学校によって違いますが、1回目不合格で同じ学校に再度トライして合格する確率はだいたい2~3割程度。現実は甘くありません。

「3度目で合格した」「最後まで貫き通して合格」という体験記は毎年目立ちます。それは「珍しい」から目立つのであって、頻発する現象ではありません。

「あわよくば」の皮算用の多くは破綻します。

偏差値を高くしておく理由

同様に合格可能性が20~40%程度の持ち偏差値よりやや上の偏差値の学校ばかりを並べて受験するのも「相次ぐ討死」になりがちです。

「この偏差値までの学校でないと」というラインを引いている親御さんは結構います。

3年もの間、大金を投入して「そんなレベルの学校」には行かせられないという親御さんの思考回路です。

この「無理ゲー」パターンでも毎年「強行突破」してしまう子もいます。

いますが、正直なところ「たまたま合格」です。

受験プランとしては「ギャンブル」です。リスキーな受験こそ、長年投資してきた大金を無駄にする可能性を高くします

偏差値の高低と学校の良しあしは全く関係がありません

首都圏約250校の中学入試実施校はそれぞれ特長があり、「我が子にとってベストな学校」はそれぞれです。

入学試験の難易度、受験する子の学力レベルがあるため、偏差値が高ければ選択肢の数は多く、高くなければ限られるので、できるだけ偏差値が高い方が…となるだけの話です。

中学受験「全滅」を避けるために、「ここなら」と思える学校を偏差値に関わらず複数用意しておくのが親御さんの受験伴走の最大の役目です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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