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25年度麻布中 入試分析と合否の分かれ目


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麻布合格の総得点目安
麻布の算数 傾向と対策
麻布の国語 傾向と対策
麻布の理社 傾向と対策

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麻布合格の総得点目安

麻布は例年、各科目の平均点などは非公表。「どの科目で何点くらい」という計算が立ちにくい入試になります。

数年前までは合格者平均や受験者平均のどちらかを出していましたが、ここ3年は非公表です。

唯一、合格者最低点は公表しています。

24年と23年の合格者最低点はたまたま同じ点数で105点(200点満点)。何とか半分を超えるくらいで合格しています。

22年と21年も同じで今度は113点。直近5年の平均は109.2点となっています。

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過去の得点分布からすると、合格者平均と合格最低点の点差は10点前後。合格者は6割程度できている子が多く得点率55%を切ると「危ない」といえます。

一筋縄ではいかない麻布の入試ですが、目標は高く120点に置きます。

ややハードルが高い感じるなら、110点までなら可。年にもよりますが合格の可能性はそこまでなら十分あります。

麻布の算数 傾向と対策

麻布の算数攻略のポイントは「思考力」とともに「誘導をうまく活かせるかどうか」です。

最近問題の難易度がアップしていると指摘する塾も複数あり、「どの問題を深追いしないのか」を判断するのも重要です。

24年は大問6で小問15は例年通りの構成でしたが、出題傾向は多少変化がありました。

大問1は麻布では珍しい四則計算(小数と分数)の問題。正答率は高いと思いますが、ここで失点すると「かなり痛い」です。

大問2は平面図形の求積の問題。(1)が解けると(2)は誘導問題になっているので、うまく乗れたかどうか。麻布を目指すなら越えてほしい問題です。

24年の図形問題はこれのみ。3分の1は図形問題の麻布にしてはあまりない例でした。

大問3は流水算、大問5も旅人算と図形に替わる感じで「速さ」の問題が2つ出題されました。

双方ともおおむね標準問題ですが、旅人算は計算の手数が多く、間違いやすい問題です。

大問4と大問6は規則性。両方とも基本問題から入って、進むにつれて難度が高くなります。

問題が出されている配列を考えると、次の問題のヒントが前の問題に潜んでいます。見破りましょう。

60点満点で40点とれれば上出来。35点ぐらいまでなら「算数で失敗」とはなりません

麻布の算数では「数の性質」「速さ」「場合の数」そして「図形」が「できる」と言えるレベルであることが必須。多少の傾向の変更があっても、この4つが得意なら気に抜けられます

麻布の国語 傾向と対策

国語は例年通り読解1問勝負。24年は宮下このみ「やさしいの書き方」で、文芸雑誌からの出題となりました。

素材文の字数は約9000字(文庫本約15ページ分)。読解に関わる問題は記号選択3問、抜き出し2問以外は記述問題計7問は、「たまたま」が通用しないガチンコ勝負です。

物語文の展開としては典型的な「主人公の気持ちがマイナス(後ろ向き)からプラス(前向き)に変わる」というストーリーなので、国語の「典型題」といえます。

受験生より少し年上の中学生の話も塾のテキストでかなり演習を積んできているはずなので、読むにはそれほど苦労しないでしょう。

となると、ややスピードを上げて読み「気持ちが変わる出来事」「気持ちが変わる瞬間」「今後どう生きていくか、どういう気持ちで進んでいくか」を素早くとらえて、それを軸に解答をしていくのが得点を積み重ねられる道です。

解答用紙は点線で行が区分されています。

今さらですが、文字は大きすぎず小さすぎず、自分は1行で何文字くらい入るのかを過去問演習時に確認、決めておきます

はみ出しや行の下の方に複数行小さく書き込んだりするのは減点対象になります。

記述問題は一朝一夕ではどうにもならず、塾で添削を受け、突っ返されても突っ返されても「挑んだ」子が一番強いです。

60点満点で頑張った受験生は45点くらいとれとも不思議ではありません

逆に20点程度の子も結構います。

算数以上に差が出る可能性があるのが国語です。

麻布の理社 傾向と対策

理科と社会は50分で40点満点。記述中心の麻布の中では小問35問と、理科は割と他校と同じような出題形式です。

ただ作図5問、記述も5問あり、さらに難易度は年々上昇傾向。まずは25点を目標にします。

4分野から1題ずつの出題ですが、典型題は1つもありません。

大問1は動物の行動分析をする「バイオロギング」を題材にした問題。マンボウを採り上げていますが、与えられた問題文を「読解」していくと答えは導き出せます。

大問2以下化学系「核磁気共鳴分光法」、物理系「電流計とデジタルマルチメーター」、地学系「クリノメーターと岩石薄片」と続きますが、タイトルだけ見ると解けそうもないものばかりです。

しかし、麻布の理科攻略の肝は「どれだけ知識があるか」ではなく、文章と資料を駆使しながら「どれだけ思考力を働かせ、面白がって結論(答え)を出せるか」です。

塾の授業やテキスト、問題集より、日ごろから「なぜ?」「どうなっているのかな?」「へぇーなるほど」という場面の多い子が高得点をマークします。

麻布の社会は「半分国語」といえるほど、記述量が特盛の出題です。

「社会の解答用紙が2枚ある」というのがそれを物語っています。

毎年1つのテーマに沿って出題されますが、24年は「教育」。社会科特有の空欄補充と記号選択は4問ずつで終了。問6から8問連続記述問題です。

地理、公民の色は薄味で、歴史の要素が色濃くでており、知識だけではない時代背景がどういうものだったかを意識して学習してきた受験生は頭一つ抜け出せる入試です。

麻布式の問題形式に慣れるのはもちろんですが、塾の演習問題や他校の過去問に取り組む際、長めの問題文の中にさまざまなテーマの歴史について書いてあるものがいくつかあります。

解答の○×だけでなく、問題文も勉強の「栄養」に替えていくと、思わぬところで身を助けます

目標は半分の30点。背景知識がなくても、資料や与えられた文を「読解」していけば何とかなります

諦めず「1点でも多く」と粘った子が得点を積み重ねます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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