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25年度洗足学園中 入試分析と合否の分かれ目


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洗足学園合格の総得点目安
洗足学園の算数 傾向と対策
洗足学園の国語 傾向と対策
洗足学園の理社 傾向と対策

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洗足学園合格の総得点目安

洗足学園の入試機会は計3回。国語、算数が各100点、理科、社会が各75点の計350点満点です。

第1志望が集まる2月1日午前の第1回 (募集定員80人 サピックスOP合格可能性80%偏差値58、四谷大塚合不合判定Aライン偏差値66)の直近5年の合格者最低点平均は212.2点。得点率にすると60.6%と6割をクリアすれば合格、というところです。

しかし、ここ2年の最低点は24年194点、23年188点と得点率で55%を割っている入試が続いています

受験生のレベルが落ちたというより、入試問題の難易度が上がり、なかなか得点が上積みできないという状況が想像できます。

この傾向は第2回入試(2月2日、募集定員100人、サピ58、四谷66)も同様で、20年から22年の合格者最低点平均は232点でしたが、ここ2年は208点と24点差もあります。

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25年度入試は若干得点が入りやすい問題になるかもしれませんが、それでも3年前以前ほどにはならないでしょう。

合格に向かって第1回は得点率60%の210点(24年度よりプラス16点)、第2回は220点(24年度よりプラス19点)を目指すのが1つの目安になります。

各教科で4,5点のアップで届く点数です。

難しい問題が解けるようにならなくても、「得点できる問題をとりこぼさない」だけで到達できます。

洗足学園の算数 傾向と対策

近年合格最低点が低くなっている要因に、算数の難易度アップがあります。

洗足学園は受験者平均点しか公表していないので、合格者のレベルと不合格者が含まれる受験者平均の比較が難しいのですが、24年の受験者平均はついに37.2点と4割を切りました。

推測ですが合格者平均も55点に届くか届かないかではないかと思われます。

第1回から第3回まで算数の直近5年の受験者平均は順に50.2点、52.8点、47.9点。できれば65点、なんとか60点が欲しいところです。

24年度第1回入試で合格点への道を探ります。

6割以上の得点へ、まずは大問3までの計算、小問集合(計算、図形、旅人算、ニュートン算など)での取りこぼしを極力少なくします。そこまでの10問で「満点」なら実は60点に達します。

基礎、標準問題を「確実に得点する」ということが合格の前提という「鉄則」を象徴する入試です。

大問4は仕事算、大問5は速さの問題です。

出題としては典型題に見えますが、両方とも設定を変えた「ひねり」が入っており、洗足を受験できる、算数が決して苦手ではないレベルの子でも混乱します。

恐らく25年度も出題の方向性は変わらないとみられますので、沼にハマらないようにします。

大問4、5とも小問はそれぞれ3つずつ。小問(1)はなんとかなる女子が多いと思われます。ここを正解できれば大きく前進です。

(2)は記述式。難しくても「抵抗」します。正解が出なくても部分点があります。「1点でも2点でも」と粘った子が合格を勝ち取ります。

洗足学園の国語 傾向と対策

国語も第1回入試はここ2年「難化傾向」をたどっています。

受験者平均は直近5年で58.0点。ですが、20年から22年が62.0点なのに対し、24,23年は51.9点と10点違います。

合格者平均も23年は50点超、24年は65点超レベル。24年は例年の水準でしたが、流れとしては難化です。

25年も「易しくはない」という覚悟をして臨んだ方が精神的ダメージは少ないでしょう。

2つの読解問題に記号選択、記述、漢字、語句の問題が組み込まれており、50分で効率よく解くには入試前の演習時点からの慣れがものを言います。

読解の素材文は大問1が哲学者ベルナール・ステイグレールの「向上心について――人間の大きくなりたいという欲望」、大問2が瀬尾まいこ「掬えば手には」でした。

並び順に大問1から取り掛かった子はかなり苦戦したと思われます。

宗教と哲学の関係性についての持論を展開する講演を文字にしたものですが、ニーチェがどうのこうのと言われても、12歳の女子には難解です。

大問2は入試頻出の作家の中学入試の定番と言えるマラソンを通じての友情物語。こちらは何とかなります。

当日の素材文にもよりますが、パッと一読して「イケそうな方から」が国語の得点を伸ばす基本です。

洗足学園定番の「三行記述」は自身の字の大きさに注意しながら短すぎず、長すぎずで

行をはみ出したり、最後に小さな字で押し込んだりすると減点対象です。学校によっては手が入りません。要注意です。

24年度は23年に初登場した「2つの文章を横断して答える」大学入学共通テストを意識したような問題は出題されませんでしたが、25年度に復活する可能性はあります。意識しておきましょう。

洗足学園の理社 傾向と対策

「得点しやすい社会、まずは半分以上の理科」というのが洗足学園の入試です。

試験時間は理社合わせて60分。受験生それぞれ得意な方からスタートします。

時間配分も30分ずつと杓子定規ではなく、「社会20分、理科40分」とか「理科25分、社会35分」など各受験生でカスタマイズします。

社会は3分野から1題ずつ出題。他校でも大問1に配置されることが多い地理を最後にし、割と単純な問いが続く大問2の歴史、時事問題も多い大問3の公民から手を付けるのが得策です。

第1回の直近5年の受験者平均は45.2点(得点率60.3%)、合格者レベルなら50点以上(66.7%以上)は当たり前になります。

ただ、算数、国語同様社会も難化傾向です。24年の受験者平均は41.9点(55.9%)とここ5年で一番低い点数でした。

難化傾向でも半分以上は基礎、標準問題です。そこを確実に得点すれば、正答率の低い問題を落としても合格に届きます。

理科は24年度、小問数が前年より10問増という受験生にとって悲しい変更がありました。

小問数44。記述や計算問題のある中、社会の34問と合わせて1時間で――というのはかなりの忙しさです。

それでも24年度第1回の理科の受験者平均は43.0点(57.3%)で、ここ5年で最高、23年度比で10点プラスとなりました。

設問数は増えたものの、基本問題が多く出題され、やや易しくなった感があったようです。

元来洗足学園の理科はここ5年の受験者平均37.4点(49.9%)が物語るように、得点しずらい出題でした。

24年の流れが続けば処理能力勝負になってきますが、問題数も増えたまま難易度が23年以前に戻るとなると、厄介です。

25年度入試は楽観せずに、例年の難度として取り組みます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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