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25年度慶應普通部 入試分析と合否の分かれ目


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慶應義塾普通部合格の総得点目安
慶應普通部の算数 傾向と対策
慶應普通部の国語 傾向と対策
慶應普通部の理社 傾向と対策

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慶應義塾普通部合格の総得点目安

慶應義塾普通部は24年度入試の合格最低点、科目別の受験者、合格者平均を初めて公表しました。

校長先生が代わったことで「情報公開」が進んだことの一環と言えるでしょう。

公表される前に各進学塾が目安としていたのは「400点満点で6割正解の240点」というのが主流でしたが、24年に限って言えば得点率55.5%の222点でした。

塾側の読みも「中らずととも遠からず」といったところでした。

公表は24年のみで他の年と比べて易しかったのか、難しかったのか判断がつきかねます。

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それでも合格への目安が具体的な数字で見えたことは大きく、25年度も220点以上、できれば得点率60%を超える240点以上をとれれば慶應合格を引き寄せられると言えます。

慶應普通部の算数 傾向と対策

24年の慶應普通部算数の合格者平均は55点、受験者平均は45点でした。

大問数9に対し、小問数は13。すべての問題で式や考え方を記入しての解答です。

ただ解答スペースは広いとは言えず、コンパクトに「ハイライト」のみを書き込むのが得点を積み重ねるポイントになります。

過去問演習時に実際の解答用紙を使って「まとめる」ことを意識して解いたかどうかで入試本場は差が出ます。

塾の「志望校特訓」などで鍛えられ、十分復習をしてきた努力は決して裏切らないでしょう。

24年の出題は計算、割合と比、速さ、場合の数、角度の問題、平面図形、立体図形など。頻出の角度の問題や小問が2つ以上ある大問は1問目ができれば2問目は「誘導」に気が付けば解ける「しくみ」になっているなど、特徴がいくつか見られます。

問題レベルとしては一部に難問があるものの、大半は標準。それでも得点が合格平均で55点止まりなのは、40分の試験時間という「忙しさ」が大いに関係しています。最後までたどり着いた受験生はそれほど多くはないでしょう。

小問は1問7~8点。解答をコンパクトにまとめるとともに、解く順番も自分の得意なものから、と決め打ちして入試に臨むのが1つでも多く手を付けられ、得点も積み重ねられます。

慶應普通部の算数攻略は「作戦」がものを言います。合格を確実にするためにも65点から70点を目指します

慶應普通部の国語 傾向と対策

24年の国語は受験者平均57点、合格者平均65点。大問3つの構成は読解2題に続き、最後に漢字の書き取り10題が出題されています。

場所は最後ですが、まず漢字から手を付けます。

「操縦」「芽生える」など頻出問題の中でも、多くの受験生があまり得意でない問題が多め。「学問をオサ(修)める」「方位ジシン(磁針)」など、簡単そうで実は…という同音異義語が出るのも慶應の特徴です。

「瞬殺」できなければ、ひとまず後回し。読解問題を解く時間を少しでも確保しなければなりません。

読解2題の素材文の総字数は24年度約7300字(文庫本約12ページ)でした。

60字や50字の記述問題に抜き出しもあり、やはり試験時間40分はしんどいです。

素材文を読む前に設問に目を通し「どういうことが問われているのか」を頭に入れておくのは、注意を払いながら読むことにつながり、解答の一助になるはずです。

読解問題は1つは物語文でほぼ確定ですが、もう1つはここ3年「随筆」が出題されています。18年から21年は論説文。その前も随筆でした。

そろそろ「潮目」が変わるころかもしれません。慶應の古い過去問や他校の問題で論説文の演習(特に記述)をしておくことで、入試の際「まさか」となっても慌てずに済みます。

慶應普通部の理社 傾向と対策

理科と社会も100点満点ですが、こちらはそれぞれ試験時間30分ずつです。

理科は「生物分野重視」、社会は「解答数の多さ」が特徴として挙げられます。

24年度の理科の受験者平均は47点、合格者平均は56点。「普通部の理科は難しい」という評判ですが、近年はやや易しくなっている感があります。

生物分野の配点が全体の4割超とされますが、24年度はカブトムシと白アリの生態に関する問題。塾のテキストよりも図鑑を眺めていた方が得点につなかせるのでは、というくらいマニアックな出題も見られました。

カタクチイワシ、アオダイショウ、スミレ、エノコログサなど、普通部の生物分野は特定の生物について深く掘り下げた出題が目立ちます。

大問3は燃焼に関する科学分野の問題でしたが、途中樹木に関する問題が顔を出すなど、どうしても「生物寄り」です。

作問者が変わらない限り「生物中心」の流れは継続するとみられます

24年度の社会は受験者平均56点、合格者平均66点。社会は通常、受験者と合格者の平均が5点程度というのが「相場」ですが、普通部は10点差あります。

30分で解答数が50程度と多く、スピーディーに処理できる子とそうでない子の差とともに、奇問問題を確実に取るかミスするかの差も手伝って子の点差になっているとみられます。

地理と歴史で出題の8割を占め、公民は申し訳程度というのが大きな特徴です。

正月や季節などの「常識問題」、慶應義塾唯一の「先生」福沢諭吉に関する問題は頻出です。

ここに神経質になると、きりがありません。

塾の志望校別対策でひと通りのことは触れるはずなので、それをしっかりやれば大丈夫です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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