◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・女子学院中学の志願者動向
・女子学院の実質倍率と合格者数
・偏差値で女子学院の合格を占う
・女子学院合格への併願作戦
女子「御三家」の一角、女子学院(東京都千代田区一番町、通称JG)は、創立150年を超えるプロテスタント系の中高一貫校です。
制服はありますが、生徒は私服で学校に通い、生徒がそれぞれの個性を互いに尊重、独自の価値観で行動する女子の存在が目立ちます。
入学機会は2月1日の入試1回のみ。直近5年間の出願者数平均は約740人です。
ただ、近年は減少傾向で23年は700人、24年は708人で推移しています。
小学5年生から6年夏あたりまでは志願者数は多めですが、高い合格ライン(サピックスOP合格可能性80%偏差値61、四谷大塚合不合判定模試Aライン偏差値69)に諦める子が徐々に増えます。
特に最近は「どうしてもJG」という熱望組は減少傾向。難関校より「身の丈受験」組が増加している流れがここでも見られます。
出願者数700人台を続けているJGですが、25年度入試は7年ぶりに600人台になる可能性が十分あり得ます。
しかし、志願者数は減っても脱落するのは、合格が厳しいと判断した女子が大多数です。
入試のレベルは下がらず、むしろ合格のボーダーラインは上がるかもしけません。
JGの実質倍率はここ2年2.4倍で、これは直近5年の平均倍率と同数です。
合格者数はここ5年平均で276人。24年こそ283人と多めでしたが、20年から23年は274人~276人と安定しています。
JGは志願者数の乱高下がありませんが、合格者数も募集定員240人プラス15%程度という不文律があるようです(たまたまかもしれませんが…)。
実はJGの入学者数はここ数年「定員割れ」しているとみられます。
1学年の生徒数は220人台から230人台となっており、募集定員の240人は至っていません。
繰り上げ合格を若干名出している年もあるようですが、定員を充足するまで出し続けるということはなく、学校側が決めたい低レベルのラインを下回ってまで、という姿勢が感じられます。
JGは入試の合格最低点などを公表していないため、合格ラインがはっきりわかりませんが、安易に動かさない(動かせない)「線」がそこには引かれていると強く感じられます。
25年度入試もこの流れは継続しそうで、倍率は受験者数で変動するかもしれませんが、合格者数は280人前後で、大幅に増減することは考えにくいです。
女子学院の入試問題には「強いクセ」があり、入試当日の受験生の判断や問題の相性によって合否は大きく変わってきます。
「鉄板」は偏差値70以上で、サピにしても四谷にしても80%偏差値をコンスタントに取っていても何が起こるか分からないのがJGの入試です。
逆に合格判定が50%、Cラインでも文字通り五分五分の可能性があり、過去問と粘り強く格闘し、残り2カ月の「詰め」をきっちりやった子は合格の二文字を手にします。
ただ、1回勝負。本当に「運」に左右される悲しい現実はあります。
そのことも踏まえて、前受けにしても2日以降の受験にしても、進学しても納得できる学校の受験とJGの入試に向けてメンタルの良好な状態をキープするようにします。
1月の前受けのスタートは10日の栄東A日程(東大クラス、サピ52、四谷Aライン64)、10日淑徳与野(医進クラス、サピ53、四谷61)あたりから入り、14日の浦和明の星女子(サピ57、四谷62)へと進みます。
20日からの千葉入試は幕張メッセ入試の市川①(57、65)を受験します。
22日の渋谷教育学園幕張はチャレンジするかどうかは、受験生の気持ち次第です。
不合格で落ち込むタイプなら避けた方が無難。残念でも「いい経験」と前向きになれるタイプなら、こちらも予測不能な入試のため、女子学院への「練習試合」としてトライする価値はあります。
JGの合格発表は2日。JG一本で発表待ちもありですが、豊島岡女子学園①(61、69)、洗足学園②(58、66)、吉祥女子②(57、65)など「JGと同じくらい行きたい学校」を受験、終わってから女子学院の結果を知る、という受験スタイルがオーソドックスです。