◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・渋谷教育学園渋谷の志願者動向
・渋渋の実質倍率と合格者数
・偏差値で渋渋の合格を占う
・渋渋合格への併願作戦
千葉の渋谷教育学園幕張の姉妹校、渋谷教育学園渋谷(通称=渋渋<シブシブ>、東京都渋谷区渋谷)は年々合格者の偏差値がアップ。都内共学校では慶應義塾中等部、早稲田実業などと並んで難易度はトップクラスです。
前身が女子校だったこともあり、女子の難易度が先行して高くなり、それに引っ張られるようにして男子も、といった流れでしたが、近年の出願者動向をみると男子の人気が続き、女子は減少傾向が続いています。
24年度第1回入試(サピックスOP合格可能性80%偏差値男女とも62、四谷大塚合不合判定模試Aライン偏差値男子67、女子70)の出願者数は男子197人に対し、女子は235人でした。
依然として女子の方が多い様相は変わりませんが、男子は3年連続の志願者増、女子は2年連続減となりました。
20年は男子130人に対し、女子266人と男子の2倍の志願者数を集めていましたが、年々男女差が縮まっています。
24年の1回目入試で男子の実質倍率が4年ぶりに3倍を超えたことで25年は横ばいかやや減とみる一方で、横ばいなら初の志願者200人突破もあり得ます。
女子は4倍の入試が続いており、横ばいかさらに減少の可能性があります。
2日の第2回(サピ男子63、女子62 四谷男子68、女子71)は一転して男子の出願者が多く、5日の第3回回(サピ男子62、女子63 四谷男子68、女子71)は年によって変わります。
第2回、第3回の出願者は1日の第1志望校の結果によっても大きく変わり、当日まで出願、実受験者数とも変動します。
渋渋の合格者数は実受験者数の多少にかかわらず「ある程度決まっている」というのが最近の傾向です。
第1回の合格者数は直近3年でみると、男子が22年54人、23年54人、24年56人。女子は同じく62人、57人、55人でした。募集定員は70人なので募集の1.6倍弱の合格者を出しています。
倍率はというと男子が22年から2.5倍→2.6倍→3.2倍と上昇傾向で推移、女子は同4.6倍→4.7倍→4.0倍です。
21年より以前はこれより男子少なめ、女子多めでしたが、男子受験生のレベルが上がっているとみられ、男女ほぼ同数になってきたのでしょう。
25年もこの流れが続くとみられます。
第2回の合格者数は男子が22年169人(受験者数408人、倍率2.4倍、以下同)、23年149人(455人、3.1倍)、24年146人(445人、3.0倍)と減少傾向。
女子も22年73人(345人、4.7倍)、23年72人(332人、4.6倍)、24年71人(287人、4.0倍)と若干ですが合格者は減っています。
1回目入試の歩留まりの良さが、2回目入試の合格者減に影響している可能性があります。
5日の第3回はここ5年男子が40人台、女子が20人台の合格者数で合計70人弱に。倍率は男子は6~7倍、女子は10倍超になることが通例です。
渋渋合格の「鉄板」偏差値はサピックスなら「65」以上、四谷大塚なら「72」以上になります。
つまり合格可能性80%偏差値やAラインに達していたとしても渋渋の入試は「先が読めない」は厳しい入試になります。
ただ、第1志望者が数多く集まる1日の第1回入試は模試の判定通りの結果に概ねなっているようです。
50%、Cラインの受験生にも半々ながらチャンスはあります。
第2回、第3回は1日に御三家や難関中学を受験した子が参戦、結果的に第1志望も渋渋も「W合格」する受験生が目立ちます。
第3回は合格者数も少なく、四谷の偏差値で65を切っている受験生はほとんど勝ち目がありません。
第1回入試で残念だった受験生が2回目にリベンジできる割合は男子で2割程度、女子は1割5分くらい。2回とも残念で3回目に、という執念の合格は過去5年あまり見られません。中学受験の厳しさを突き付けられます。
渋渋熱望なら他校同様「1回目入試必勝」を期します。
1日に行われる渋渋の1回目入試の合格発表は2日午後。そのため、2日連続で渋渋を受験するケースも相当数います。
渋渋を第1志望にすると、他校受験は限定的になるかもしれません。
1回目入試の後、午後入試で広尾学園②(サピ男女59、四谷男子65、女子68)を受験するケースが女子で一定数見られます。これも女子ですが、1日に渋渋、2日に豊島岡女子学園①(62、69)を受験する、両校甲乙つけがたい「ダブル第1志望の子」もいます。
姉妹校の渋幕との併願もみられ、1月22日に渋谷幕張①(65、男子70、女子72)を受験、合格不合格に関わらず1日に渋渋にトライします。
男女とも4割程度が渋幕、渋渋のダブル合格を果たしています。