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不祥事の影響は…25年日大系中学の志願者動向


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下落傾向止まらぬ日大系中高一貫校
じわじわ響く大学の不祥事

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下落傾向止まらぬ日大系中高一貫校

首都圏の日本大学附属中高一貫校は、志願者減少傾向の歯止めがきかない状況です。

8日に全6回模試が終了した、首都圏模試の学校別の志望者数が把握できる「度数分布表」から25年度入試の出願者数を予測すると、東京、神奈川、千葉にある計9校の日大系中高一貫校は神奈川の日大藤沢を除いて、前年より出願者減の可能性が強い流れで推移しています。

1年ごとに出願者の増減を繰り返す「隔年現象」に近い学校もありますが、これが3年連続、4年連続減となれば話は違ってきます。

1月に入って、出願校の見直しで日大系列の中学受験を考える受験生家庭もあると思います。

しかし、その数は限定的になりそうというのが現時点での観測です。

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じわじわ響く大学の不祥事

日大はここ数年、毎年のように不祥事が発覚しています。

24年も特待生で学費等を免除されて入学した運動部員が、部の指導者らの私的流用を目的によってさまざまな名目をつけられ、金銭を徴収されていた事態が発覚しました。

アメリカンフットボール部の不祥事が起こった際には「それでも日大ブランドは強い」ということを証明したかのように、首都圏に9校ある中高一貫校の中学入試ではそれほど影響を受けず、志願者数がむしろ増えた学校もありました。

ただ、良くなるどころか毎年のように「イメージ悪化」の事件が起こると、親御さんも「ちょっと日大系は…」となります

不祥事が起きた当初は、すでに日大系の中学の受験をある程度決めていて、今さら方向転換とはいかなかった家庭も一定数あったとみられます。

しかし、25年度の受験生は中学受験参戦時から日大系受験は「頭になかった」という場合も相当数に上るとみられます。

最初から候補になっていないのなら、出願は考えられません。

しかし、夏から秋、そして最後の12月の模試と回が進むにつれて、模試ではありますが、判定を希望する人数の減少傾向が続いています。

受験校の最終決定の段階で日大系が候補から脱落している可能性が考えせれます。

大学の不祥事の影響がじわじわ響いてきているのは明らかです。

日大以上も夢ではない中堅校

「日東駒専」(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)と呼ばれる、偏差値的に見て「中堅大学」群に位置する4校の「序列」も変化が出ています。

かつては「この4校に合格したら、どこへ進学する」という場合、日大が圧倒的でした。

しかし、昨今の高校生はこのケースだと8割方東洋大に進みます。

日大は2位の座も怪しくなってきて、専大や駒大を選ぶ高校生も増加傾向です。

さらに日大系中高一貫校と同じ偏差値帯の私立の大学合格、進学実績の変化も「日大離れ」に拍車をかけています。

各校の進学に対する「努力」によって、日大より偏差値的に上位に位置する「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)の合格、入学が決して夢ではなくなっている状況があります。

中高時代に伸びた子は早慶や国公立も狙える位置に立つ子さえいます。

個人的には偏差値の高い大学に入学したからといって、今の時代将来は約束されませんし、偏差値のことが気になるのは大学受験が終わった直後ぐらいで、その先は「本人次第」です。

それでも偏差値が1ポイントでも上の大学に、という親御さんは一定数います。

日大系と同じ偏差値帯にある中学の方が、進学実績が良いとなればそちらの受験に舵を切るのも仕方のないところです。

他大進学のコースがある附属校も

ただ、日大系の中高一貫校へ進んでも最近は「他大学進学」を前提にコースやカリキュラムを積極的に組む附属校も目立ちます

例えば、日本大学中(横浜市港北区)の「特別進学コース」は難関国公立、難関私立を目指す学校から「特別進学コース合格を付与された」生徒のみが所属できます。

外部の大手予備校講師を招いての講習や勉強合宿も組まれるほどで、大学附属校とは思えないシステムです。

日大豊山女子は日大進学を目指す「N進学コース」に対し、国公立難関私立を目指す「A特進コース」、さらに医学部や理系に特化した「理数Sクラス」いうコースが設けられています。

もともと日大への進学が多くて7割程度かに少ない場合は3割程度と進学先が幅広かった附属校ですが、今後はさらに多岐にわたるとみられます。

加えて高大連携で日大系は文理、医歯薬系などほぼ全て揃っており、他の私立よりも充実度は高いです。

進路を考え始める中3から高校2年くらいにかけて、高大連携を通じてさまざまな学問の領域に触れられる環境は大事で、日大はそのメニューが豊富です。

「日大進学ありき」で考えず、さまざまな進路の選択肢があり、大学を利用して進路を決めるとと考えれば、日大附属校受験も悪くはありません


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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