中学校別対策

25年中学受験 東京・神奈川で出願増の注目3校


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「駆け込み」当たり前の令和の入試
「事件」から2年の芝国際は出願増
最後の男子校入試となる日本学園
・神奈川学園 8年ぶりの大台へ

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「駆け込み」当たり前の令和の入試

(1月30日に加筆、修正)

2月の東京・神奈川入試解禁まで残りわずかとなりました。

受験校への出願を終え、あとは当日を待つのみという状態もあれば、出願締め切りギリギリまで検討に検討を重ねるケースもあると思います。

最後は受験生の意志と成績、過去問との相性などで決定しますが、気になるのがその学校の出願状況です。

最近はほぼ100%インターネットでの出願になり試験前日まで、あるいは当日でも受け付けている学校が大半を占めます。

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出願した時は前年より志願者減だったのが、当日になって駆け込み出願が増え、前年を上回る、なんてことも起こり得るのが令和の入試です。

締め切り前、既に前年を上回る出願があった学校もちらほら見られます。

逆にこのままでいくと出願者大幅減になる、という学校もいくつかあります。

代表的な学校の出願状況をいくつか見てみます。

「事件」から2年の芝国際は大幅増

中学受験界を騒がせた「事件」から2年――。

東京都港区の芝国際の2月1日の入試で、男子が前年度の約3倍増、女子も倍増以上の出願者数となっています。

男子が3倍といっても24年度が29人だったため、25年度の出願者86人(1月30日現在)、女子は前年比109%増(25人増)の49人です。

1日午後の入試は25年が本科、今年は特待と種類は違いますが、男女合計で116%増(115人増)の214人が出願しています。

「事件」があった、芝国際1年目の23年度入試1日午前は男女計584人が出願し、合格者はわずか28人の13.5倍という1日入試としては空前絶後の「激辛入試」でした。

すったもんだの挙句、24年度は10分の1以下の入試となり、男子は1.6倍、女子は1.4倍と一転して落ち着いた入試になりました。

そして3年目。体制を一新し、教育目標である「世界標準の学びを実践」は維持しつつ再スタートを切った学校に保護者の期待は大きいようです。

加えて、入試の実質倍率が低く、受験者数もそれほど多くはないことで「穴場」とみて出願が増えたとも見れそうです。

1日入試の締め切りは1月31日。まだもうひと伸びありそうな気配です。

気になる実質倍率ですが、24年度は低倍率だったとはいえ、定員の30人ちょうどしか合格が出ていません。

学校側は何も言っていませんが、姿勢として帰国生を多く入学させた方向性を感じます。

入試が終わってみないと何とも言えませんが、出願者が増えたことで実質倍率も24年度よりは高くなることは確実とみられます

芝国際は5日午後の入試も既に男子120人女子90人が出願しています。

進学先が決まれば欠席も多くなる5日入試ですが、逆に進学先が確保できていない受験生が殺到する入試でもあります。

募集定員はわずか5人。歩留まり良く、定員いっぱいになっていると、かなり厳しい入試になるのは必至です。

そこは覚悟して出願する必要があります。

最後の男子校入試となる日本学園

26年度から「明治大学附属世田谷」に校名変更、男子校から共学校になる日本学園は現体制での最後の入試になります。

23年度入試で志願者が殺到したこともあって、24年度は志願者減に転じました。

25年度は隔年現象に加え、今年入学でも高校卒業時には明大への内部進学の対象にもなることで人気が出ています。

1日の第1回入試は28日に締め切り、前年比49%増(163人増)の493人が出願しています。

23年度が4科と2科の出願者合計で418人でしたから、その時よりもかなり多いことになります。

明大の系属校になる情報も浸透したこと、合格可能性80%偏差値も50を超え、今後も上昇傾向が続くことから「今のうちに」という親御さんの心理も志願者増の背景にあるとみられます。

23年度は4科と2科合計で実質倍率4.7倍(受験388人、合格者83人)となかなか厳しい入試でした。

24年度は2科入試が廃止され、4科のみで3.0倍。募集定員70人に対し101人合格となりました。

合格者が入学手続きをする歩留まりを読んでの合格者数だったと推測できます。

24年並みの合格者数̟プラスアルファで110人に合格を出すとすると、欠席者も勘案して4倍程度の入試になる可能性があります

神奈川学園 8年ぶりの大台へ

神奈川では創立から110年超の歴史を持つ女子校・神奈川学園(横浜市西区)が出願者を着実に集めています

前年比で1日午前が51%増(72人増)の214人、同午後が68%増(131人増)の323人が出願しています。

午前で200人、午後で300人突破は8年ぶりのことです。

実質倍率が1倍台と、受験生が安心して受けられるというのもありますが、志願者の多くが学校の教育方針に賛同したからの出願増と考えられます。

神奈川学園では24年3月の卒業生のうち、現役で大学に進学した4割強が理系、医歯薬系に進み「リケ女」養成に積極的です。

入学時、理数が苦手、嫌い位という子を、数学ではノートのとり方から始まり、習熟度別にさまざまな工夫を凝らした授業を展開します。

理科は生活に密着した100項目の実験を通して「理科って面白い」という感覚を抱いてもらうことに主眼を置いています。

これらの試みが奏功し、中堅校ならではの「面倒見の良さ」に、ターミナル駅の横浜駅から徒歩10分で通学できる「立地の良さ」もあって人気を集めています。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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