◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・一夜で「激戦」へと変わる4日以降
・「欠席半数の入試」「霧の中の入試」
・4日入試の方が合格者数が多い芝
・女子校 駆け込み組で熱い入試に
25年度中学入試も終盤です。
合格を決め、既に進学先がある子がいる半面、志望校への最後の挑戦、あるいは進学先がまだない受験生のトライは続きます。
2月4日以降の出願状況は刻々と変わり、1日で様相が一変します。
それまで出願が伸びなかった学校が、一夜にして3桁の出願があり、一気に「激戦必至」へと変わります。
その中学にとって2~5回目にあたる入試は、3日までの競争率より跳ね上がる傾向にあります。
跳ね上がるだけならまだしも、合格者数が「かなり絞られる」入試になり、募集定員とほぼ同数、中には下回ったり、合格者1人という学校さえ毎年あります。
偏差値通りの結果にならない入試に親子ともども神経をすり減らす戦いは悲壮感さえ漂います。
開智日本橋、渋谷教育学園渋谷、淑徳巣鴨、芝国際、神奈川の法政二、日本大学中…共学の4、5日の入試で出願者を含め、どのような入試になるのか注目の学校がいくつかあります。
その中で2つほど。
開智日本橋の4回目入試は2月4日。2月2日時点で男子431人(前年比12%増)、女子413人(同14%減)が出願しています。
開智グループは1回2万円の受験料を支払えば、何回でもエントリーできます。そのため、日程が先の回でも人を集めます。
なので、早い入試回で合格すれば抜けていきます。
昨年の同入試で男子の欠席率が約57%(216人)、女子約49%(232人)という高さでもそれが分かります。「欠席半数の入試」です。
この先、出願数が増えても開智日本橋はそれほどビビらなくても大丈夫です。
ただし、合格者数は少ない(24年度、募集定員20人で男子14人合格12.0倍、女子25人合格9.9倍)です。
半数が欠席でも「残席わずかな入試」という構図は変わりません。
高倍率が目白押しの中でさらに「霧の中の入試」になりそうなのが、5日午後の芝国際本科5回目です。
25年度新設の入試ですが、2月2日時点で男子144人、女子114人が出願しています。
募集定員は5人。全体で100人募集(国際生を除く)の学校が、最後に何人の合格を出すのか、注目です。
5人出せば、高倍率になっても問題はありませんが、極端に少なかったり、まさかの「O」だった場合、2年前の「事件」があるだけに、せっかく落ち着いてきた流れがまた…となりかねません。
芝国際は魅力ある学校ですが、受験する側としてはかなりの高リスクです。
偏差値がちょうどいいから、という受験は再考の余地があると思われます。
偶然なのか、男子校の4日以降の入試は募集定員ちょうど、あるいは若干名プラス程度のところが目立ちます。
24年度だと、立教池袋(5日第2回)が定員20人に対し合格20人(倍率7.1倍)ピッタリ、本郷(5日第3回)が同40人に対し41人(13.1倍)、佼成学園(5日特奨②)が10人に対し11人(16.3倍)、世田谷学園(5日理数)が7人に対し5人(21.3倍)が一例です。
高倍率入試ばかりの中で、1日の1回目入試より、2回目の合格者が多く出るのが人気校の芝です。
24年度は1回目188人に対し、2回目は256人。募集定員1回目150人に対し、2回目は130人と少ないにもかかわらず、です。
競争率も1回目2.8倍、2回目3.4倍と大きく変わりません。
四谷大塚レベルで偏差値60前後ないと合格は難しいので、誰でも彼でも受験できるわけではないのですが、合格者数が多いというのは大いに希望を持たせてくれます。
2日時点での出願は639人で前年の54%しか集まっていませんが、1日から2日の1日で170人が出願。3日の最終集計でさらに増えることは確実です。
欠席は毎年3割弱。みな「後がない」「どうしても芝」という「必死の子」が受験します。
女子校は近年志願者を多く集めた人気校が1回目の入試で駆け込み組がいた結果、志願者微減程度で済みましたが、4日以降の入試でも同じく駆け込み現象がみられる雰囲気です。
1日午前入試で前年比3%減だった山脇学園は4日のC入試で3日現在、前年499人の67%332人が出願しています。
24年の同入試は6.0倍(354人受験59人合格)の高倍率だっただけに、出願に二の足を踏んでいる受験生もいるかもしれませんが、難関校残念組も含め相当数の出願者を集めるとみられます。
1回目入試で前年比36人減(4%減)だった豊島岡女子学園は4日の第3回入試で2日現在、前年642人の48%310人の出願にとどまっていますが、試験日が近づくに連れて出願者が増加しています。
1日午前入試で微増だった普連土学園は4日午前入試で1日現在、前年284人の66%187人が出願。こちらも1,2日の入試の結果次第で出願者がさらに増えそうです。
神奈川では5日に3回目の入試が行われる洗足学園が2日現在、前年437人の28%124人の出願数です。
難易度が高く、24年度も4.9倍となかなか厳しい入試でしたが、神奈川の女子校入試で「最後のヤマ」となる存在です。
「どうしても洗足に」という気持ちがあるなら、出願です。
1日の第1回、2日の第2回で残念だった熱望組が最後の挑戦を仕掛けてくる入試は、出願者数に関わらず熱い勝負になります。