親御さんの役割

中学受験 親が受験生にぶつける致命的な言葉


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「力み」が抜けない親の2パターン
子の自己肯定感をそぐ2つの言葉
「できるコレクション」を増やす
・肝は「流れに乗っている」状態

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「力み」が抜けない親の2パターン

中学受験の世界では我が子に付かず離れず良い塩梅で「伴走」する親御さんがいます。

一方でマンツーマンで勉強に付き合い、宿題にテスト対策にと徹底サポートを毎日している親御さんもいます。

どちらも我が子を思う気持ちは変わらず真剣そのものなのですが、力の入れ加減が少し違うようです。

前者は意識的に子どもの様子や勉強の出来具合によって臨機応変に接しますが、後者は「いつも全力投球」といった雰囲気。

どこかの予備校の標語ではありませんが「日々是(ひびこれ)決戦」の様相が漂っています。

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「力み」が感じられる親御さんのタイプは大別して2パターンです。

1つは親御さん自身に「学歴コンプレックス」があり、我が子の中学受験は是非とも成功させたいというパターン

もう1つは自身は学生時代に難関大学の入試を突破した「入試成功組」の親御さんというパターンです。

子の自己肯定感をそぐ2つの言葉

この2パターンの親御さん、タイプは違うのですが「共通点」も少なからずあります。

成績が思うようにならず、取り組んでいる塾の課題や宿題がはかどらない状態が続くと「勉強量」が足りないとばかり、消化不良を起こすほどの大量の「別課題」を用意、これを「気合」で乗り切ろうとします。

塾のテキストと別の市販の問題集をやらせる、個別指導塾に入れるなどインプットの時間を増やすのが一番典型的です。

加えて、子どもが「できないことだらけ」の現状に対する苛立ち、ミスを連発する歯がゆさの感情が抑えられず「何でこんなことができないの!」「気持ちが入っていないからできないんだ!」など、子どもに厳しい言葉をストレートにぶつけてしまいます。

親御さんが受験成功組だった親御さんは「何でこんなことができないの!」を、「学歴コンプレックス」の親御さんは「気持ちが入っていないから分からないんだ!」を言ってしまいがちです。

この2つの言葉、子どもにぶつけると致命的です。

子どもの「自己肯定感」を一気にぶち壊し、「自分はダメな子」と親に烙印を押されたと思い込む「キラーフレーズ」(やる気をそぐ言葉)です。

中学受験を終えた子に「親に言われて自信をなくした言葉は?」と聞くと、圧倒的にこの2つが返ってきます。

そして、この言葉を言われ続けた受験生の入試結果はあまり芳しくないという結果がとても多いです。

「できるコレクション」を増やす

子どもが「できない」「勉強に興味が持てない」には必ず理由があります

算数の一行問題などの文章題が苦手な子は、文の内容を「イメージ」できていないことが多いですし、計算でよく間違う子は実は九九がおぼつかなかったりします。

国語も物語文の登場人物の気持ちが読めない子は、そもそも「相手の気持ちになって考えること」が苦手だったり「想像もつかない世界の話」にあたって、イメージも何もわかない状態なのかもしれません。

「なぜつまづいているのか」「勉強の流れをせき止めているいるのは何が原因なのか」を客観的に分析しないと、いくら叱咤激励して、大量の問題にあたらせても成績は上向きません

できていないものを非難するより、まず「現状のレベル」を受け止め、「できるもの」を拾い集めます。

それが単純な足し算の問題だったり、文章題でも小学校の教科書にあるような基本中の基本でも「できるもの」「わかるもの」を集めて、そこをきっかけに「じゃあ、これはどうかな」とレベルをほんの少しずつ上げていきます。

繰り返しますが「ほんの少し」です。

1日1つのことを何かマスターするくらいの「ユルさ」で最初はOK。

その代わり確実に翌日も、その次も問いを発したら答えられるようにして「できるコレクション」を増やします。

肝は「流れに乗っている」状態

子どもが勉強する気になるのは「学びの流れに乗っている」状態にあるからです。

わかることがいくつかあって、学んでいる内容がある程度わかるから勉強が楽しくなります。

続いて「次は何かな?」「どうしてそうなるのかな?」「へえ、そうなんだ、それでそれで次は」という流れになります。

これが「受験勉強を楽しく頑張れる」仕組みです。

「学びの流れに乗っている」状態にするには、子どもに「できることがこんなにある」を認識させることです。

「できないこと」を数え上げて、何とかしろ、何でできないんだ、と突きつけられれば、誰だってそんな「荒波」に飛び込んでゆく気にはなれません。

「できる」が増えていくと、子どもの勉強は質量を伴って「ステージ」が上がります

流れに乗れていない子が乗るまで、時間的にも、レベル的にも、親御さんが焦らず待てるかどうかが鍵。言うは易しで短気を起こさずにじっくり、は人生経験を積んだ親御さんでもなかなか難しいです。

塾や個別指導などに「外注」というてもありますが、流れに乗っていない子を乗る状態にするには、今支払っている金額にもう1個ゼロが付いて、連日連夜の指導で半年、1年後にどうか…という感じです。

生活を共にしている親御さんが覚悟を決めて…が一番効果的かもしれません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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