◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「わかった」で止まりの子
・家庭学習で「自力解答力」養成
・疑問を持ち、クリアにする意味
・授業中の板書より大切かも…
中学受験でも大学受験でも「あの先生の授業はわかりやすい!」と評判の講師がいます。
子どもも授業中に「なるほど!」と大いに納得し、「理解できた、ここは完璧!」となります。
しかし、ここに落とし穴があります。
授業後に復習をせず「授業でわかったから大丈夫」と思い込む子はテストや入試本番で得点につながりません。
授業での理解はあくまで一瞬の通過点であり、定着して「自分の力で解ける」状態にはなっていません。
つまり、教室での「わかった!」を家庭学習で「できる!」に変える「次の一手」を打たないと、どれだけ素晴らしい先生に教わっても成績には結びつきません。
一方で、同じ授業を受けても着実に成績を伸ばす子がいます。
その違いは、家庭での復習にあります。
授業ノートやプリントを見返し、学習内容を整理。あるいは授業中に扱った問題をもう一度解き直します。
さらに類題演習を積み重ね「使える」状態にします。
このサイクルが「自力解答力」を育てます。
授業での「わかった!」は入り口です。
評判の先生の授業を最大限に活かすには「わかった」を「できる」に変えられるかどうか。先生が同じでも差がつく理由の1つがこれです。
さらにもう一歩進む子は、家庭学習中に「なぜこうなるのか」「他の方法でもできるのか」と、自分なりの疑問を持ちます。
ここで踏み込む子は、復習だけの子よりステージが一段上がります。
放置すれば典型題はできるかもしれませんが、基礎と基礎の組み合わせ=応用問題は厳しい場面が出てきます。
逆に「わからない」を放置せずに質問できる子は、その問題ができるようになるだけでなく、さまざまな「気づき」という副産物も手にします。
中学受験では、知識や解法暗記で得点が取れるのは限定的です。
「なぜそうなるか」を自分で問い直せる姿勢があるかないかは、成績の「壁」を突破できるかどうかのカギになります。
最後の差は「授業の受け方」です。
できる子ほど、先生が黒板に書かない口頭の補足やコツまでメモしています。
板書はやや適当でも、「実は先生が何を言いたいのか」を感じ取って、発言をメモ書きのようにしてノートに残す。
こうした「授業態度のポイント」の置き所の違いが、のちに大きな差となります。
名講師の授業は、実は「お値段以上」の情報の宝庫。メモを取り、あとで見返すことで、板書の重要事項の補足だったり、深く理解するための「つなぎ」だったりします。
受験の本番で「引き出しの多さ」で救われたり、得点を「拾う」場面が何度かあります。
これが合否を分ける1点、2点差になる、と思えば授業での集中力の差は、大げさに言えば「運命」を分けます。
評判の良い先生に教わっているから、難関校や志望校に合格するわけではありません。
受験は「わかった!」の後が本当の勝負です。