◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・本当に「やる気がない」のか
・「できた状態」で次につなげる
・小テスト「狙い撃ち」作戦
・「できる」という実感が支えに
偏差値30、40台の子の親御さんからは「勉強量が少ない」「勉強時間が短い」「やる気がない」という声をよく耳にします。
しかし、実際には「やる気がない子」はそれほど多くありません。
やる気がないように見える子は、勉強をしようと思っても「なかなか前に進むことができない」ため、集中力を欠き、次第に気持ちがくじけてしまうからなのです。
それならばこの「嘆き」を逆手にとって、短い時間で、確実にできるを積み重ね、前に進む方針で、徐々に勉強体力と勉強習慣をつけていきます。
その勉強法の代表格が「5分で1つ」です。
例えば社会の歴史。「戦国時代」の単元を一気にマスターしようとしても、多彩な登場人物、出来事の複雑さ、キリスト教に農民政策なども絡んで、成績の振るわない子には負担が大きすぎます。
そこで今日は豊臣秀吉という一人の人物に絞って勉強すると決め打ちします。
最初はどんな人かもわからず、「とよとみひでよし」と平仮名でしか書けないような子が、漢字で書けるようになればその時間はOKとします。
欲張らず、「できた状態」で次につなげます(とは言っても 「戦国時代を終わらせた人」くらいの知識は、セットで覚えられるものです)。
ポイントは、5分の間に豊臣秀吉について詰め込めるだけの知識を入れようとしないことです。
多数のうろ覚えより、「1つのことを確実に」を積み重ねた方が長い目で見れば、成績は上向きます。
「確実に」を増やしていく方が、後に別の人物や関連する出来事とつながっていくので、その時に知識や考え方のネットワークが広がるからです。
親御さんは「こんな量と早さで間に合うのだろうか」と不安になるはずです。
しかし「焦り」「一気に」が勉強体力と勉強習慣養成を阻害します。
まずは「これならできる」と子どもに思わせ、「できた」状態で1回分を終えることを目標にします。
慣れてきたら、5分1コマを5回転、5分休憩など、やることのバリエーションを増やし、科目を変えアレンジしながら「飽き」が来ないように進めます。
組み合わせ方に正解はありません。「その子基準」で考えます。親御さんの伴走、観察眼が大切になります
ただ「今は積み重ねの時期」と理解しながらも、親子とも目に見える成果は欲しくなるものです。
なので、毎週のように行われる塾の小テストで結果を出します。
漢字テストや理社の確認テストでは「勉強したところは必ず正解する」という目標のみでテストに臨みます。
名付けて「小テスト狙い撃ち作戦」。満点を目指す必要はありません。総合得点が低くても構いません。
「やったところはできた」というその一点に注目し、それが達成されれば親御さんは大いに評価します。
「きちんと勉強したところはできる」。この実感が「次もやろう」につながり、それが次第に勉強習慣になります。
「5分で1つ」勉強法を続けることで、徐々にですが勉強姿勢は変化していきます。
「1つを確実に」は継続していれば「2つ、3つを確実に」へと1度に吸収できる分量が増えていきます。
勉強ができる時間も延びます。5分程度の集中力から、10分、30分へと長くなり、内容もより濃くなります。
勉強体力がつき、勉強習慣が当たり前になった時、成績上昇のカーブを描き始めます。
予定通り、順調に、とはならないかもしれません。しかし、工夫なしに「勉強しなさい」と命じるより、子どもが取り組める仕掛けを用意することで突破口が開けます。
受験勉強は量を積み重ね、時間をかけることによって、初めて質が高まります。それを支えるのは「できる」という実感です。
勉強の一歩が踏み出せない、前に進まず、足踏み状態が続いているなら、まずハードルを低くしてから。飛び越えられるレベルからのスタートでも大丈夫。継続できれば、「できる」は少しずつ増えていきます。