親御さんの役割

「矢印が自分に向かない」親御さんの行き着くところ

◆中学受験の窓口 今日のメニュー 
・塾への不信感から右往左往 
・塾に行けば勉強ができるようになる? 
・近道のはずが遠回りになるワケ 
・塾側にも罪はあるが… 
・中学受験は「急がば回れ」 
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★塾への不信感から右往左往 
 中学受験で「矢印が自分に向かない」親御さんは結構います。子どもの成績や偏差値が想像していたような数字にならず、学習の成果を十分に発揮できている実感がないと、「何か手を打たないと」と右往左往してしまうのです。 

 塾が合っていないのか、先生の教え方が良くないのか、テキストがまずいのか――。通っている塾に対しての不信感が募り、転塾、個別指導や家庭教師に依頼すべきか、市販の参考書で効果的に成績をアップするものはないのか、通信教育教材はなど物色を始めるケースが大半です。 
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★塾に行けば勉強ができるようになる? 
 動いていないと不安になるのはよく分かります。子どものために何とかしてあげたいというのが親心ですから。

 しかし、動き回る親御さんに限って、成績が伸びない理由を塾という「外部」に求めて、子どもの授業態度や家庭学習の進め方、親御さんの学習スケジュール管理に矢印が向いていないものです。

 実は、そこを見直さないと転塾しようと家庭教師に依頼しようと問題は全く解決しない、ということに気が付いていないのです。 

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 高い授業料を払っている以上、子どもの成績を上げるのは進学塾として当たり前――。こう考える親御さんはたくさんいます。単純に言えば「塾に行けば勉強ができるようになる」と考えています。

 「行けば勉強ができるようになる」は「この薬を飲みさえすれば確実やせる」とか「申し込みさえすれば資産が増えていく」と同じ類いの話で、置き換えて考えれば「そんなうまい話は存在しない」のです。
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近道のはずが遠回りになるワケ 
 世の中で効果が期待できないダイエット関連の商品が飛ぶように売れたり、これだけ詐欺事件が報道されながらも多くの人々がひっかかっているのは、皆「苦労しない近道を探している」からなのです。

 ダイエット商品を買っただけでやせればテレビ番組や雑誌で頻繁に特集を組む必要はありません。飲むだけではやせないから、あれやこれやの目先を変えた、気を引くような「ダイエット法」が紹介されるわけです。 

 受験も同じです。通塾するだけでは効果が出ないことにしびれを切らした親御さんが「3カ月で偏差値20アップ」とか「これさえやれば合格する」などの「近道」に誘われてしまうのです

 近道を探して見つけたと思って飛びついても、また最初からそのやり方に沿ってスタートしなければならず、短期間で効果が出ないのでまたやめるの繰り返し。結局、時間とお金の浪費で何もまとまらないまま、という遠回りに遠回りを重ねる状態は果たしなく続きます。 

★塾側にも罪はあるが… 
 過去に何度も書いていますが、進学塾は中学受験合格に必要な学習内容の提供し(テキスト)、その取り扱の説明をする場所(授業)です。

 もちろんアフターケア(質問、保護者会)や商品に関する情報(受験情報)にも対応してくれます。しかし、提供されたものどう利用し、使いやすいようにカスタマイズしたりするのは、買った側に委ねられています。

 高額で買った商品をきちんと使いこなせているかどうかを確かめる機会として、テストが用意されているのであり、ここでチェックすることによって受験生とその親御さんは「有効な使い方」を学んでいくのです。 

 この「矢印が自分に向く」という姿勢が、納得できる中学受験への「近道」です

 各生徒ごとにカスタマイズされた有効な家庭学習のサイクルを確立し、復習を繰り返し、苦手やできなかったことを丁寧に1つずつ潰してできるに変換する。地道な作業を続け、軌道に乗ったとき学習が効率よく進むのであって、6年生の秋以降に過去問対策などに時間を割き、最後の仕上げを入念にできるようになるのです。 

 当の進学塾が肝心なことを説明せず、大々的にな観光の合格実績を前面に押し出し、通塾すれば成績が自然上がっていくイメージの文言を並べたパンフレットやホームページを作成して、親御さんを「その気」にさせるのも罪はあります。

 しかし、それにホイホイと乗っかって大金を投入すれば、難関中学合格が「自然と」手に入ると思うのは、少し世の中を知らなさすぎます。 

★中学受験は「急がば回れ」 
 「近道」を求めて、こっちをかじり、あっちをのぞき、とやっているうちに時間だけが経過し、結局何も得ないまま学習が未整備の状態で入試本番を迎えるか、万策尽きて途中で中学受験撤退、ということになりがちです。

 やるべきことを毎日地道に積み重ねていく。これが受験の一番の「近道」なのは今も昔も変わりません。

 一見、地道な学習は「コスパ」の悪い遠回りに見えますが、山をいくつか超えていくうちに経験に裏打ちされた効率の良い勉強サイクルが確立されます。

 そうなるとしめたもの。満足のいく受験につながります。中学受験は「急がば回れ」なのです。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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