社会の勉強法

夏休み前に整理しておきたい地理のポイント

中学受験の窓口 今日のメニュー 
・ご無沙汰、だから「細く長く」 
・地理は「イメージ」できるかどうか 
・白地図は何枚もコピーしておきましょう 
・読み取り問題は「クセ」を見抜く 
・「理社は追い込みがきく」は条件付き 
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★ご無沙汰、だから「細く長く」 
 6年生はもちろん、4、5年生にとっても受験で大きなポイントとなる夏休みまであと約40日。夏休みに、あれもこれも、と親御さんは子どもの弱点克服にさまざまな計画を練っているかもしれません。 

 計画を立てることは大切ですが、できれば1つ、多くて2つまでに的を絞った方が得策です。国語、算数が中心になると思いますが、社会や理科などの“サイドメニュー”は夏休みにドーンとやるより、「細く長く」この時期から徐々に知識の「塗り直し」をしておくことをお勧めします。 

 中でも地理は6年生にとって、ややご無沙汰の単元。抑えなきゃいけない範囲も広いので時間をかけて取り組みたいところです。 
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★地理は「イメージ」できるかどうか 
 地理が苦手な生徒向けのプロジェクトとして「もう一度日本地図をみてみよう」がお勧めです。地理は山地や河川、港湾や工業地帯などの位置関係を把握していないと始まらない分野です。塾のテキストでも構いませんが、できるだけ日本列島や周辺の島々、各都道府県がイメージできるように、カラー図鑑などを使って頭の中に印象を残すようにしてみてください。ちょっと地理が得意になるはずです。 

 地理が苦手な生徒の1つの特徴として「イメージできない」ということがあると思います。図鑑はカラーがふんだんに使われ、写真、イラストも豊富です。説明も短くコンパクトで頭に入りやすいと思います。文字情報より1枚の写真、の方がインパクトが強いです。 

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 映像はさらに頭に残ります。NHKの「10min」という番組(インターネットで動画もあり)は、10分間でさまざまな日本の地理の特色を紹介しています。今年度は(映像は昨年度のもの)「なぜ北海道ではたくさんの食材がとれるの?」「北陸ではどうして地場産業が盛んなの?」などテーマを決めて放送。中・高生向けとなっていますが、説明も易しく、中学受験をする子ならば理解できる解説内容です。 

★白地図は何枚もコピーしておきましょう 
 図鑑などを見ながらでもいいので、印象に残ったものから順に今度は地名や特徴などを白地図に書き込みます。色鉛筆(クーピーペンシルなど、消しゴむが使える方が便利)使って、都道府県の形を違う色で縁取りしたり、川を水色、山地を茶色、その周辺で取れる農産物を緑で描いたりしてみてください。 

 白地図は同じものをコピーするなどして何枚も用意しておいてください。算数や国語の勉強に疲れたら、塗り絵感覚で地名などを記入しながら地図を完成してみてください。おやつでも食べながら、息抜きで。そうやって楽しみながらやっていると、暗記しようと力むより、自然と頭の中に入るものです。 

★読み取り問題は「クセ」を見抜く 
 「位置」と「特色」を把握した次は「グラフの読み取り」です。苦手な子は、この「読み取り」に悪戦苦闘し、地理が嫌いになってしまいます。逆に地理の得意な子はこの分野であまり失点しないので、偏差値、得点とも高いのです。 

 なぜ苦手かといえば、数値や順位を機械的に暗記しようとして、その地域や収穫物、気候の特色がイメージできないからです。自動車の生産が盛んなのはトヨタ自動車がある中京工業地帯、金属工業が盛んなのは昔から中小の工場が多い阪神工業地帯とか、夏に雨量が多く、災害が毎年のように起こる九州地方、関東は梅雨時よりも秋の台風シーズンに雨量が増えるなど、白地図で学んだ土地の特徴なども絡めて「クセ」を見抜きます。 

 一問一答問題ばかりやっていると「読み取り」問題は苦戦します。塾のテキストや練習問題の実戦演習を中心に、慣れも必要です。地図帳などにも掲載されているので、語弊はありますが小学校の授業中にでも眺めているといろいろなことに気が付いていい受験勉強になります。 

★「理社は追い込みがきく」は条件付き 
 地図、グラフの読み取り、地形図…。地理分野は、定期的に調律をしないとすぐに忘れます。6年生は「理社は追い込みがきく」とばかり、6年生の秋以降にスパートをかける受験生がいますが、これは「条件付き」で可能な技です。 

 算数が得意で、国語の読解もコンスタントに得点できるという「条件」です。多くの受験生がこの2つを最終的な課題として残しますが、これが「ほぼ完成」状態という受験生なら「理社の追い込み」も時間的に可能ですし、完璧を目指してほしいと思います。 

 しかし、これはレアケースでしょう。ただでさえ過去問や志望校対策でハードスケジュールの受験終盤戦。地理をはじめとした理社は「先行逃げ切り」が必勝の鉄則です。夏休みが終わるまでに、理社は目鼻をある程度付けてほしい分野です。 (受験デザイナー・池ノ内潤)
 
 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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