◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・2度目は半分入れ替わる中学入試
・1点に泣く受験生「7〜12人」
・ケアレスミス放置は本番で泣く
・差は小さい「合格」と「不合格」
中学受験では同じ中学で、同じ顔ぶれで2度目の試験をやったとしたら、合格者の半分程度が入れ替わるといわれます。
A判定=合格可能性80％以上の受験生は、せいぜい2割程度。箸にも棒にもかからないレベルが3割弱程度。その層を除くと、半数以上の受験生が「やってみなければ分からない」という状況で入試に臨みます。
模試で合格判定が30～60％未満の受験生が当落線上=ボーダーラインに密集しており、10回入試をやったら10回合格するような「鉄板」を除いた合格者の枠を奪い合います。
受験生本人に自覚はありませんが、合格最低点付近での争いはかなりし烈なです。
合格最低点に1点足りずに涙をのむ受験生はどれくらいいるのでしょうか。
その回、その回の入試で人数は全く違いますが、ある男子難関中学の入試担当者に聞くと「だいたい7〜15人くらいが1点足りずに泣いている」という答えが返ってきました。
漢字1つ正解したか、間違ったかによって「天国」と「地獄」の差が生まれます。第1志望合格なのか、他の学校なのかという現実がそこには待っています。
漢字の止めはね、算数の計算をした際の解答欄への移し間違え、理社の記号の転記ミス…。
多くの受験生が「ケアレスミス」などと言って受験勉強で「軽くみてきたこと」が、大一番の入試本番で取り返しのつかない結果を招きます。
志望校に対して合格可能性50％前後、ボーダーライン上の受験生は「できない問題」に一生懸命になるのではなく、「手を伸ばせばできそうな問題の攻略」と「ケアレスミス徹底撲滅」の2点に努めます。
これだけでボーダーから脱出し合格圏内のレベルに達します。
問題を解く上で一番の残念なのが「あいまいの放置」です。
模擬試験や塾内テストでいえば、正解になっていても「たまたま〇になったもの」と不正解だけど「もう少し考えればできそうなもの」に再度取り組みます。
最終的に「自力解答」できるようにすることが、ボーダーラインからの離脱、場合によっては「逆転合格」へと近づきまする
偏差値の高い、難関校を目指す受験生でも「ケアレスミス」といわれる類のものはなかなか減りません。本当の意味での1点の重みを痛感する場面に遭遇する機会が少ないからです。
小テストを積み重ねても、模擬試験でもミスしても子どもは「ああ、ゴメン、ゴメン」で済ませてしまいます。
親御さんも「次、気を付けるのよ」ぐらいでそれほど深刻には受け止めません。むしろ空欄の全く手つかずの問題に目が行き「全然できてないじゃないの！」と血相を変えます。
ケアレスミスといわれるものこそ、入試前に徹底的に「潰す」ことが鉄則です。漢字のミスにせよ、計算ミスにせよ、放っておくと「クセ」になって入試本番では必ずと言っていいほどやらかします。
ケアレスミスは大量失点にもつながります。
算数は計算で間違えてしまえば、いくら考え方の筋道が正しくても正解に到達しません。１問５点とか７点という問題を落とせば、本来なら受かる学校も…ということになります。
算数が入試の合格者平均と受験者平均の差が一番大きいのは、難しい問題ができたかどうかではなく、きちんと計算すれば正解に至る問題で「ケアレスミス」をやる子とそうでない子がいるからです。
合格者と不合格者の差は実はそんなに大きいものではありません。
ケアレスミスは「最悪のミス」。この感覚を大切にすれば、入試本番までに流れは変わります。