社会の勉強法

歴史マンガは中学受験で威力を発揮するか?

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短すぎる中学受験の歴史の学習時間 
・全巻揃えると約2万円慎重にセレクトを 
一番の売れ筋は新しい見方も盛り込む 
・情報量抑えめも必要十分な2シリーズ 
・イメージがわくと理解が進む 
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★短すぎる中学受験の歴史の学習時間 
 中学受験を担う大手進学塾の多くが社会の歴史を5年生の9月から半年程度で修了します。規模としては中堅ですが、グノーブルでは5年生の1年間をかけて歴史を勉強しますが、これは稀なケースで大抵は半年で終わります。 

 中学入試の社会、特に歴史は小学校で習うレベルをはるかに超え、難関校・上位校の出題内容は高校受験以上の難度となることが珍しくありません。それを半年で…というのは正直無理があります。元から歴史好きの子ならまだしも、いやそれでも歴史全体を通じて満遍なく知識がある子はほとんどいないことから、それを補う意味でも「歴史マンガ」の利用が考えられます。 
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全巻揃えると約2万円慎重にセレクトを 
 現在書店に並ぶ、原始時代から平成までの日本の通史を扱った漫画セットは主に5つあります。どの出版社のものもよくできており、甲乙つけがたいのです。正直、どれを選ぶかは「それぞれ気に入ったもの」で構わないと思います。子どもが選ぶ場合は、表紙の絵柄のタッチが決め手になることが多いことでしょう。 

 ただ、親御さんとしては絵の雰囲気は別として、全巻を通しての編集方針や中身の構成などがどのようなものかを少し知っておくと良いかもしれません。全巻そろえると2万円前後の買い物ですから、おいそれとまた別のものをというわけにもいかないでしょうし、ここは慎重に選びたいところです。 

★一番の売れ筋は歴史の新しい見方も盛り込む 
 一番の売れ筋がKADOKAWAが出している「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」です。「2016年から5年連続1位」という文字が表紙に踊ります。歴史マンガというと、ハードカバーの少し重たい本を想像しますが、このシリーズはソフトカバーの四六判、マンガの単行本サイズです。 

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 編集方針としては「人物を中心にした物語」と「時代の大きな流れ」の2本柱。漫画の描き手は各巻で違いますが、監修は山本博文元東大教授(2020年に死去)。親世代が習った歴史と新たな研究による新解釈の違いを数多く紹介した「こんなに変わった!日本史教科書」の著者で、その新解釈に基づいて編集されています。全15巻に「歴史まるわかり図鑑」と「よくわかる近現代史」の3巻がフルセットですが、この特別仕立ての近現代史では世界史と絡めての日本の歴史を描いています。中学受験でも昭和の歴史は頻出で世界とのつながりも問われます。受験を意識して特別に近現代史を編集したという見方もできます。 

 ソフトカバー版としては講談社の「日本の歴史」も同じ。KADOKAWA版と違うのは、各巻ではその時代の若手のエキスパートが監修にあたっているところ。令和になった2020年に発売した「最新の歴史」を1つの売りにしています。全20巻120の物語は「中学入試から大学入試まで使える」という充実ぶりです。 

★情報量抑えめも必要十分、負担にならない2シリーズ 
 先述の2シリーズは情報量多めで、歴史が好きな子にはたまりませんが、そうでもない子にとっては負担かもしれません。情報量は抑えめながら、必要事項は網羅されているのが、学研プラスと集英社の「日本の歴史」です。 

 学研は全巻で12巻セットとコンパクト。歴史を大づかみするというのが特徴で、敢えて細かいところを省略しています。漫画のカットも大きく、字も読みやすく、まずはここから始めるのもいいかもしれません。 

 集英社の方は中身がきちんと整理されていながらも、明治以降の歴史を全20巻のうち4割にあたる8巻も割いています。中学入試を意識してのものでしょう。 

 81年に初版が発行され、累計2000万部以上売り上げた、小学館の「日本の歴史」は“元祖”の重厚さを感じつつ、最新情報をアップデートしながら進化を遂げてきました。親子さんも読んだ方が多く、安心感は他の4シリーズを上回るでしょう。 

★イメージがわくと理解が進む 
 歴史マンガは中学受験の勉強のアシスタント的存在です。分かりにくいところを補足したり、興味を引くエピソードや資料でイメージしにくい歴史を「絵」として頭に浮かぶよう手助けしてくれます。勉強はイメージがわくようになると一気に具体化し、理解が進みます。 

 5年秋からに備えての予習的意味合いを兼ねて、早くから時間のある時にペラペラめくっておくと必ず力になります。(受験デザイナー・池ノ内潤) 
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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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