開成 41年連続東大合格トップ 2つの仕掛け
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・開成の「独走」だった193人
・開成生がもまれる「実テ」
・先輩の成績と「未来予想図」
・「運動会」次第で合格数変わる!?
開成の「独走」だった191人
東京大学の22年度入試の合格発表が3月10日に行われました。毎年合格速報を掲載する週刊誌「サンデー毎日」「週刊朝日」によると、合格者数1位は開成高校(東京)の193人(うち現役138人)。1982年(昭和57年)以来、実に41年連続トップの座に君臨しています。
生徒数に対しての合格率では開成をしのぐ「ウラの東大番長」といわれる筑波大附属駒場や女子御三家の一角、女子学院がまだ人数を出していないため、全体像は分かりませんが、開成は2位の灘(兵庫)の92人にダブルスコア以上の大差をつけての「独走」。ここ5年間でも最高の合格者数を輩出しました。
現役138人の合格は、3年生の3分の1強、約34%にあたります。「開成=東大」のイメージが強いのですが、多くは他大学に進学したり、残念だった生徒は捲土重来を期して浪人生活に入ります。
開成生がもまれる「実テ」
開成は特進クラスもなければ、文系理系とコース分けもせず、教員から「目指せ東大」とはひと言も言わない学校です。ただ、ところどころに「仕掛け」があります。その1つが高校から始まる「実力考査」(別名実力テスト、略して実テ)です。
「どんな模試よりもこの順位が一番当たる」と開成OBが口をそろえるテストは、高1では年2回、高2年からは年3回行われ、一人一人の学年内での順位が出ます。この「実テ」での総合順位上位100人を「百傑」(ひゃっけつ)と呼び、ここにランクインすると「東大に合格する」と言われます。
ケラケラ笑いながら毎回順位表を見ている開成生ですが、実は結構自分の順位は気にしています。「校内戦」でありながら大半が東大志望のため、外部模試よりも実は緊張感のあるテストです。こうして開成生は同級生の間で「もまれる」ことで、入試で力を発揮するタフさを養成しています。
先輩の成績と「未来予想図」
「俺の順位だと、●●さんと同じくらいか…。ということは…」。開成は開けっぴろげな学校です。後輩が部活の先輩や運動会、文化祭などでかかわった先輩の「実テ」の成績を意外と把握していて、その先輩の「受験結果」と照らし合わせて、自らの「未来予想図」を思い浮かべます。
この東大ヘの「距離感」がつかみやすいのも開成の特徴の1つでしょう。サンプルは他校に比べてかなり豊富です。「実テ」を通して自分のこれから、を考えることで、多くの開成生は少しずつ受験を意識していくようです。
「運動会」次第で合格数変わる!?
意図的に仕掛けているわけではありませんが、東大合格に一役買っているかもしれない「仕掛け」が、開成名物の「運動会」です。新型コロナウイルスの感染拡大の恐怖が広がった2020年、開成は5月に予定していた運動会を中止。21年は外部からの観客を入れず、生徒たちだけで開催しました。
詳しい説明は省きますが、開成生にとって運動会は、特に高校3年生にとっては特別な意味を持ちます。運動会で「完全燃焼」して、以後は受験勉強に本腰を入れる生徒が多くいます。運動会ができず、不完全燃焼で受験した20年度卒業生の東大合格者数は107人(浪人を含めると146人)、無観客ながらも運動会ができた21年度卒業生は147人と一気に40人も増えました。
運動会ぐらいでそんな…と思うかもしれませんが、開成にとって運動会で「やりきった」となるかどうかでメンタル的に大きな違いが生じる雰囲気なのです。22年度も5月に開催予定ですが、観客の有無も含めやるかやらないかで、東大合格者数が大きく変化する可能性があります。運動会と東大合格者数の関係、来年度も注目です。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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