中学受験 成績低迷傾向の「幸せな子」の頭の中

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共通項は「無関心」「他人事」
・無意識に「幸せはずっと続く」
素直は受験で一番強い
意志あるところに道は通じる

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共通項は「無関心」「他人事」

休まず塾に通っていても、成績が上向かない子が一定数います。

能力の問題なのか、勉強法がマズいのか…親御さんの悩みは深刻です。

全てとは言いませんが、成績が低迷し続けている子の多くに共通してみられる傾向は、中学受験に対して「無関心」「他人事」です。

小テストの点数が良くなって喜ぶこともなければ、できない問題があって点数が悪くても悔しがることもありません。

時間が来れば親御さんに促されながら嫌がらずに塾へ行きますが、積極的に授業に「参加」することもなく、割と「無表情」で静かに座っているだけ。

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表情が変わるのは、先生が授業を脱線したり、クラスの子が面白いことを言った時くらいです。

志望校もこれといってなければ、中学に行ったら「こうしたい」というのも特になく…。この状態だと、いくら通塾したところで成績は上がりません

無意識に「幸せはずっと続く」

中学受験はまだまだ精神的に未熟な子どもたちの受験です。

「なぜ、こんな勉強をしなければならないのか」と常に疑問を持ちながら通塾し、何時間もあまり興味のない話を聞きながら座っている子がとても多いです。

大人でも明確な「目標」がある人なんてそういないのに、子どもに「目標を持て!」というのも、無理があることは確かです。

親御さんは「行く学校がなかったらどうするの!」などと脅しをかけたりもしますが、「現実感」が乏しい子どもにはピンときません。

現状、日常生活で特に困ったことがない「幸せすぎる」子は、勉強で頑張る意味を見出せません

今現在、親御さんが頑張ってくれて「何もしなくていい」状態だからです。「頑張る必要性」がないからです。目の前にある「幸せ」がこのまま続く、と無意識に感じている状態では自ら奮起してなんて、想像もできません

精神年齢が発達しないと、子どもは「先を見通す」ということができません。

進学先、将来どういう仕事に就くのか、どうやって生活に必要な金銭を稼ぐのか、やがては自分の力で生きていかなければならないこと…その手段の一つとして中学受験という場をお父さん、お母さんが用意してくれた、ということを精神的に幼い子は、考えたこともなければ、思いをはせたこともありません。

「なんで勉強しろって、うるさく言うんだろう?」。悲しいことですが、子どもが抱いている思いはその程度かもしれません

素直は受験で一番強い

「無関心」「他人事」「今が幸せすぎる」子に「勉強しないと将来困る」とか「受験してどこも合格しなかったらどうするの」と言葉をぶつけても何も響きません。理屈でも攻めても子どもには「暖簾に腕押し」です。

当然、成績も振るわないわけですから、ますます勉強が面白くないし、中学受験なんてしたくないと思うのも仕方ありません。

中学受験を面白くするのは、やっていることが「分かるようになること」と「点数が取れるようになること」です。単純ですが、これに尽きます

特に中学受験に関心がない子は「中学受験をするメリット」や「入学後のことの世界」を説明するより、先に「点取りゲーム」の面白さから攻めた方が効果があります

どんな子でも「得意科目」「好きな科目」があります。4科目振るわない子でも「向いている科目」はあります。まずはそこで高得点を獲るべく、「一点絞り」で勉強します。

算数より社会や理科、女子なら国語かもしれません。この際、他の科目は一時「棚上げ」(ただし、計算練習と国語の音読は短時間でも毎日やる)して、やりたい科目だけやりたいだけ勉強します。

一定期間頑張れば、塾の月例テストレベルならそれなりの高得点ははじき出せます。この時、親御さんは必ず評価してあげます。点数以上に「テストに向かって頑張り続けた過程」を認めてあげます

「勉強している後姿がママは好き」とか「お父さんが言ってたよ。最近すごく頑張っているじゃないか、って」。

多少言葉を盛っても構いません。要は子どもが「その気になる」ことです。厳しい言葉をぶつけるより、認める方が子どもは「素直」になります。素直は受験で一番強いです。

素直になれば、「吸収力」が格段に良くなります

残り時間が少なく、効果が限定的な場合もありますが、「勉強の面白さ」を知れば、中学進学後に期待大です。

中学受験で燃え尽きてしまうより、はるかに楽しみです。

意志あるところに道は通じる

中学のオープンスクールや文化祭を通じて勉強の姿勢が変わる「兆し」が見えることもあります。

子どもの中に何か「ピンとくる」中学校が出現したときです。

「あの中学校の運動会がやりたい」「高校も大学受験もしなくていい附属校に入って部活を目いっぱいやりたい」「文化祭が楽しそう。絶対参加したい」「理科の実験が毎週あるって、ホントに?」「会社とコラボして商品をつくるなんて面白そう」「あの制服が着たい」――。

中学受験の「実感」がなかった子が、リアルな学校に足を踏み入れたことで「そこにいる自分」がなんとなくかもしれませんが「想像」できるからです。

「ピンとくる」中学は「起爆剤」になります。ここまでは、中学校を訪問して約8割の子が抱く感情です。

そこからは「覚悟」が決められるかどうかが勝負になります。

「合格するためには…」と、子どもなりに覚悟できる子は、そのうちの3分の1くらい。多くの子は「行きたいとは思うけど、でも…」止まりです。

この差が「第1志望合格は3割程度」となって表れます。

もちろん「志望校への思い」だけではどうにもなりませんが、「志望校への思い」が合格の「最後のひと押し」になるのもまた事実です。

「意志あるところに道は通じる」といいますが、まさにその通りです。

学校見学や文化祭に足を運んでも、やはにどこか他人事、関心の薄い子は、残念ながらこの先どこまで行っても受け身の姿勢が変わらない可能性が高いです。

こうなると中学受験「撤退」も選択肢の1つになります。

「それだけはちょっと…」と入れる中学に無理やり押し込んでも「吉」と出ることは少ないです。

「行け」と言われた中学に入学しても無気力なままか、親御さんとの確執が強まるばかり、など問題は深刻になります。

子どもそれぞれで「点灯する」タイミング、場所は全く違います。

それをいち早く見つけるのが、中学受験を軌道に乗せる最大のポイントです。

受験勉強をさせる以上に、我が子の感性や行動観察の方が親御さんには大切です。

中学受験をするかどうかも含めて、客観的に我が子の気持ちがどこにあるのかをしっかり吟味します。

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