中学受験 2月に生かす「前受け」からの気づき
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・前受けからの3つの「気づき」
・実戦の気づきはインパクトが違う
・入試は不思議と「流行り」がある
・「ガチ」の迫力を体感する
前受けからの3つの「気づき」
本番の入試に慣れる場として位置付けられる「前受け」。中学受験独特の雰囲気を体感するという意味合いもありますが、「前受け」の効用はほかにもいくつかあります。
その1つが今年度の最新入試問題を通して、次の入試に生かせるということです。
受験した中学で試験問題が持ち帰り可能な場合は、もう一度トライして自身の解答を「再現」してみます。てこずった問題やどうも自信がない問題だけでなく、できた(と思っている)問題も「もう一度」です。
解答再現の作業は塾によって必須のとこもあります。その場合は指示に従って取り組みます。逆に塾や先生によっては「終わったことは振り返らず、次の試験対策を」という方針の場合もあります。
それも一理あるのですが、解答再現には大きな意味があります。それは「気づき」です。
「自分の強みと弱みの再認識」「実戦を経験して分かったこと、感じたこと」「今年の入試問題のトレンド」という3つの「気づき」です。
実戦の気づきはインパクトが違う
1つの中学校の入試を受験すれば「自分の強みと弱みの再認識」がかなりできます。頭の中でぼんやりとではなく、きっちり実感するための解答再現です。
「算数の図形問題は直前まで一生懸命復習した成果が出たけど、計算は急ぎすぎてまたミスした」とか、「国語の記述は短くまとめるのもできるようになっているけど、問題文をしっかり読まず少しズレた解答を書いてしまった」「社会は時事問題をやりすぎて歴史を忘れている」など、自身の現状での力が鮮明に見えてきます。
実戦での「気づき」「間違い」は、普通に勉強しているときよりインパクトが違うので、記憶に残りやすく、次の入試では必ず意識します。
加えて「時間配分の再点検」「どういう順番で問題を解いていくかの戦略」などの確認もできます。「実戦を経験しての気づき」は貴重です。
よく合格体験記には、入試を1回経験することによって「ようやくピリッとしてきた」(特に男子に多い)という親御さんの手記が掲載されます。家庭での過去問演習、塾での模擬試験の何十倍もの効果が実際の入試にはあります。前受けの意味は「慣れ」だけではありません。
入試は不思議と「流行り」がある
「今年の入試問題のトレンドを読む」ということが、前受けからできることもあります。
不思議なことに、入試問題にもその年の「流行」があります。別に各校申し合わせて作成しているわけではありませんが、なぜか同じ分野の問題がその年に限ってよく出る、という流れが出来上がるのです。
例えば算数なら「立体切断」が、国語の読解素材文は「差別の問題」がテーマとして多いとか、理科社会は自然災害系の問題などといった具合です。
1校で出題されたからといって、それで全体の流れが分かるほど単純ではありませんが、塾にはそれぞれの生徒が受けた中学の問題冊子が集まり、なんとなく「流れ」が見えてきます。それを先生が分析し、残りわずかになった授業でとり上げ、解かせる場合もあります。
冬期講習が終わると、塾のレギュラー授業は欠席が目立ちます。受験当日だったり、前日だったり、あるいは「家で苦手を集中してやりたい」「インフルエンザやコロナが心配」などが主だった理由です。
人数が少なくても授業があれば先生は授業をします。そんな時に最新の問題を教材に使うのです。
類似問題が他校で出て、解答再現をきちんとやった子や授業で解いた経験がある子と、そうでない子が合否の明暗を分けた、という事例はよくあります。前受け校の出題、侮れません。
「ガチ」の迫力を体感する
「前受け」と位置付けている受験生がいる一方で、埼玉、千葉、あるいは地方の中学校が第1志望の受験生もたくさんいます。その子たちは真剣勝負です。気合の入り方が全く違います。
「ガチ」できている受験生が誰かは見分けがつくはずもないのですが、前に座っている子、横にいる子がそうかもしれない、と思うことで、こっちも「締まってくる」ものです。
過度に緊張すると困りますが、「緊張感」は必要です。親御さんから「ガチの子がいるから、なめてかからないように」くらいのひと言があってもいいかもしれません。
受験は実力も大切ですが、学力が同レベルかやや劣っているなら、最後は気力勝負になります。「前受け」とは思わず、目の前の入試に全力投球です。
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