中学受験 人数は…気になる「繰り上げ合格」事情

+15
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

◆中学受験の窓口 今日のメニュー
情報が少ない「繰り上げ合格」
27と0 保証なしの繰り上げ合格
熱意が大事「条件付き」合格
・「絶望」というわけでもない

スポンサーリンク

情報が少ない「繰り上げ合格」

昨今の中学受験の合格発表は「試験日即発表」というケースが7割近くを占めます。

午後入試でさえ、日付が変わる1,2時間前にはなりますが合否の結果が出る時代。合格発表をいちいち学校へ見に行かなくても、インターネット上に表示されます。3年間一生懸命勉強した結果が「ポチッ」と1クリックしただけで…なんともあっけないものです。

合格ならばその時点でめでたく「受験終了」となりますが、残念だった場合、次の一手=あらかじめ出願しておいた試験日程に進むか、その時点で合格している学校へ進学するかの選択を迫られます。

一方で親御さんの頭の中には「繰り上げ合格の可能性はないのか?」という一縷の望みを託した思いがよぎります。

親御さんにとって、繰り上げ合格はとても関心のある「項目」なのですが、正確な情報がなかなか出回りません。中学校側が「舞台裏」で進める作業だからです。

スポンサーリンク

新学期に入って公式に発表される各校の入試結果にも繰り上げ合格が反映されたものが少なく、一斉発表した際の「正規合格」のみの数字が出るのが普通です。

27と0 保証なしの繰り上げ合格

繰り上げ合格は大別して、「補欠合格候補者」などとして合格発表とともに受験番号が示される場合と、非公表で正規の合格者では入学定員に達しない際に「学校独自の基準」で受験生の親御さんへ直接連絡する場合の2パターンがあります。

補欠候補者、いわゆる繰り上げ合格の可能性がある受験生を発表する学校の1つとして、女子御三家の一角、桜蔭が挙げられます

毎年、入試結果によって順番が付けられ、入学手続き(入学金の支払い)で定員に満たなかった場合、電話連絡によって「合格」を伝えます。

「定員に満たなかった場合」という条件があるため、補欠合格者が必ずしも繰り上がるとは限りません。

22年度入試までの過去4年の桜蔭の繰り上げ合格状況を見ると、22年度は候補者29人に対し、27人が繰り上げ合格しましたが、21年度は33人候補者がいながら繰り上げ合格は0。20年は30人いて10人、19年は32人いて15人の繰り上げでした。

年によって大きく違うので「必ず」とか「高い確率で」と言えるほど保証がないのが現状です。

補欠合格者の存在を情報開示している学校は、慶應義塾中等部、同普通部、日大二、法政など少数派。しかも補欠の人数は出しても、その後繰り上げ合格した具体的な人数を出すところはさらに少なくなり、これが繰り上げ合格の「実情」が伝わらない一因となっています。

熱意が大事「条件付き」合格

「熱意」で繰り上げ合格の可能性を高めることはできます。「熱意」とはこの学校にどうしても入りたい、この学校でどうしても学びたいことを示すこと、具体的には「複数回受験」です。

豊島岡女子学園は補欠合格者の人数を開示していますが、繰り上げ合格を出す際に同校が「第1志望」で「複数回受験」した子が優先されるとしています。

この2つの条件に入試の得点の高い順から決まっていきます。23年度は3回の入試で補欠が計43人出ましたが、繰り上げ合格は18人。3回目の入試で最多の11人が繰り上がっている裏には、3回の入試機会すべて豊島岡にトライした可能性が高いです。

神奈川のサレジオ学院はA、B2回の入試がありますが、22年度の場合、1回目のA入試から繰り上げ合格は1人のみ。ところが、2回目のB入試からは38人に達しました。複数回受験の優遇措置によるものと考えられます

このほかにも2科目受験より4科受験の方からとか、逆に国語・算数の点数の良い方からなどの「条件付き」があります。

万が一の不合格に備える、というわけではありませんが、どうしても進学したい学校は入試で1点でも多く獲り、ダメだったら再度トライする熱い気持ちが必要です。

「絶望」というわけでもない

公表していない学校が多いため、繰り上げの実態はよく分かっていませんが、先ほどの桜蔭や豊島岡女子学園の例もあるように男女御三家や難関校、人気校も繰り上げ合格者を出しています

開成では昨年60人程度、麻布も2桁、女子学院、雙葉も10人程度「敗者復活」が起きています。開成は筑波大駒場に合格した子が大量に流れるため、繰り上げ合格が毎年相当数にのぼります。

大手塾の合格者実績を2月に毎日定点観測していると、日を追うごとに合格者数が増えていきます。これが繰り上げ合格とみられ、すべてではありませんが、大体の数が把握できます。

23年度に繰り上げの人数を公表しているところで見ると、武蔵18人、洗足学園12人、明大明治7人など、難関校や大学附属・系属校でも繰り上げ合格者は相当数に上ります。

志望校不合格=絶望、というわけでもなさそうです。「ある日、突然」があるかもしれません。

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

Print Friendly, PDF & Email
スポンサーリンク