魅力的だが…早稲アカ「NN」の光と影

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・これが「NN」だ!
・NNなら 「順当も逆転も」 !?
・「Wスクール」は「覚悟」が必要
・ 合格への道は慌てず、騒がず

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これが「NN」だ!

各進学塾とも早いところでは4月から、遅くても秋には開成、桜蔭、慶應などの学校名の「カンムリ」を付けた志望校対策が始まります。

中でも有名なのが早稲田アカデミーの「NNクラス」、通称NN(エヌエヌ)=「何が何でも」合格する、という気合十分の特訓講座です。 

早稲アカ生だけでなく、外部の受験生でも「オープン模試」に挑戦でき、同じ志望校を目指す受験生の中で限定的ながらも「立ち位置」が確認できます。

順位と偏差値、現時点での合否判定は即日出ます。子どもがテストを受けている間、親御さんは別会場でNN担当講師から志望校攻略のヒントになるレクチャーを受けます。

NNなら 「順当も逆転も」 !?

NNオープン模試の大きな特徴は、文字通り外部生を積極的に受け入れているところです。

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オープン模試は内部生のクラス分けに使われるだけでなく、成績優秀の外部生には、NNの参加権を与えています。特に有望な子には保護者へテスト翌日、NN担当の講師から直に電話で「お誘い」が入ります。 

熱心に、しかも子どもの可能性を説いてくれる先生の言葉は胸に響きます。

「ほかにない合格メソッドがここにあります」「合格に必要な全てがそろいます」――。NNのパンフレットに並ぶ言葉もとても魅力的です。受験生の親御さんなら一度は「クラッ」と、気持ちが大きく傾きます。

実際、他塾に通いながら、NNとの「ダブルスクール」で志望校に合格したという話は、一定数あります

多くの進学塾の冠講座が、過去問をベースにその学校の出題傾向をに対応できる力を養成するのに対し、NNは一歩踏み込んで「予想問題」にも取り組みます

挑戦的な新作問題を並べ、本番での「的中」を本気で狙っています

どんな問題が出題されても「何が何でも」食らいついて解答を導き出すという、講師陣の熱意とテキストに引っ張られ、早稲アカ生は自信を持って入試本番に臨みます。 

「Wスクール」は「覚悟」が必要

一方でうまくいかなかったケースも少なくないようです。

実際、NNのどのクラスに組み入れられるかで、ある程度ですが「結末」は予測できます

1組なら合格圏(80%ライン)、2組なら(50%~70%)と有望圏ですが、3組目以降は学校によってはかなり合格率は下がり「数えるほど」「片手で余る」(NNクラス出身者)で、親御さんが夢見た逆転劇や奇跡はなかなか起こりません。 

転塾や環境を変えて伸びた子もいるので、一概には言えませんが、現在通塾しているところとNNの「Wスクール」は「覚悟」が必要です。

加えてわざわざ慣れないアウェーの塾に飛び込み、早稲アカ生と競争するのは結構度胸がいります。子どもによってはプレッシャーで、ペースが乱されるかもしれません。

冠講座があるような難関校の合格への近道は「やることを絞ること」です。

あっちに手を出し、こっちに手を出しは「詰め」を誤まります。まとまりのない勉強は時間と努力の浪費になるからです。

「これで勝負する」という「核がない」まま、入試当日を迎えるのが一番避けなければならないことです。

合格への道は慌てず、騒がず

早稲アカで育ち、揉まれてきた生徒はNNで勝負するのが一番で、それ一択です。早稲アカで頑張ってきた子が、NNも流れに乗って合格へと突き進むのが本来の姿です。

 外部生はNNに魅力を感じると思いますが、「隣の芝生は青い」ものです。早稲アカの雰囲気になじんでいない子が「途中参戦」すると、最後まで違和感を感じながら…となる可能性もあります。

もちろんNN併用で合格する子もたくさんいます。しかし、多くはそれがなくても合格した「力のある子」です。

もしこれから「NNで勝負」というのなら転塾なども含め、思い切って大きく舵を切った方が得策です。

ただ、軌道に乗るまでは時間がかかります。受験は「積み重ね」が勝負なので、時期やこれまでの勉強の質量によっては「時間切れ」のリスクも高いです。

「奇跡」とか「逆転」の合格は、何か特訓授業のようなものをやったから手に入るものではなく、「やるべきことをやった」という当然の結果です。そこに「魔法」などはありません。

中学受験は親御さんの肝の据わり具合で、入試結果も大きく変わります。方針を変えるときは「勇気をもって大胆に」、そうでないなら「慌てず、騒がず」。これが、合格への一本道を踏み外さない心構えです。

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